カルシウムだけではNG?骨を強くするには”レモン”がカギに

カルシウムだけではNG?骨を強くするには”レモン”がカギに

10月20日は「世界骨粗しょう症デー」。この機会に骨の健康について見直したいところだけれど、新型コロナ対策によるライフスタイルの変化が骨の健康を左右する可能性もあるのだとか。どうすれば骨の健康を保つことができるのか、県立広島大学の飯田忠行先生に教えてもらおう。

更新日:2020/10/15

コロナ禍以降、約6割の女性が運動不足に
アンケート:2020年6月 オズモール調べ N=877

コロナ禍以降、約6割の女性が運動不足に

新型コロナの感染拡大で外出自粛ムードが強かった頃に比べ、最近は一定のルールを守りながら外出する人が徐々に増えているみたい。でも、テレワーク化などの影響で日常的な運動量が大幅に減ってしまい、以前と比べて運動不足になっている人は少なくないのでは?

オズモールのアンケートによると、定期的に運動をしているかという質問に対して「していない」と回答した人は43.4%。また、「コロナ禍以前は運動をしていたが今はしていない」という人が17.8%で、あわせて6割以上の人が現在は定期的な運動をしていないという結果に。

運動をやめた理由については、「コロナの蔓延で不要不急の外出は控えるようになった」(トモさん/38歳・会社員)、「外出の回数を減らしたので、ウォーキングの歩数や回数が減った」(くろくみさん/44歳)など、外出の機会が減ったことが原因という意見が多いよう。また、「コロナの影響で通っていたジムが閉まり、その後営業再開したけれどもう行く気になれなかった」(サマンサさん/32歳・会社員)、「外出頻度が減り、体型維持の意識が薄れてしまったから」(奈々絵さん/31歳・自営業)など、コロナがきっかけで運動へのモチベーションが下がってしまったという人も。そのほか、「ジムで他人と接触するのが怖い」(ユウリーンさん/45歳・会社員)という意見もあった。
このように、コロナ禍以降は多くの人が運動不足に。これが骨の健康にも影響すると考えられているのだそう。

運動不足の長期化は骨の老化につながりやすい

自宅で過ごす時間が長く定期的な運動もしていない場合、歩く、立つ、階段を上り下りするといった日常的な運動量が大幅に減ってしまう。こうしたライフスタイルが長く続くと、骨が弱くなる可能性があるのだと飯田先生。

「骨には運動による負荷がかかるほど、新しい骨が作られやすいという特徴があります。そのため、運動不足になると骨の強度が衰えやすくなり、長期化すると骨粗しょう症のリスクが高まる可能性があるのです」(飯田先生)

女性は男性に比べて骨粗しょう症になりやすく、骨の強さを示す骨密度は40代後半から減少しやすいのだそう。若いうちから強い骨を作っておくためにも、運動不足は解消しておきたいもの。

「私たちの研究でも、上体起こしができる人は腰椎の骨密度が減りにくく、前屈ができる人は大腿骨の骨密度が減りにくいという結果が出ており、骨密度は周囲の筋肉を鍛えることで高められると考えられます。そのため骨を強くためには、自重を使った全身の体幹トレーニングがよいと言えるでしょう」(飯田先生)

外出の機会が減るなかでも、自宅での積極的な体幹トレーニングを心がけよう。

運動不足の長期化は骨の老化につながりやすい
食事で骨を強くするなら「カルシウム+クエン酸」を意識して

食事で骨を強くするなら「カルシウム+クエン酸」を意識して

骨を強くするためには、もちろん食事も重要。骨の原料となるカルシウムを積極的に取ることが骨の強化には欠かせないけれど、実はカルシウムをそのまま取るだけでは十分な効果を得られないのだそう。というのも、カルシウムは体内への吸収率があまり高くなく、牛乳をそのまま飲んでも含まれるカルシウムの40%しか体内に吸収されないとか。

つまり、カルシウムをより効果的に取るためには、吸収率を高めることがカギ。そのためには、カルシウムの取り方にひと工夫することがポイントに。

「カルシウムは、クエン酸と一緒に取ることで吸収率を高めることができます。クエン酸には『キレート作用』と呼ばれる、カルシウムと結合して体内に吸収されやすい形に変わる働きがあります。そのため、カルシウムが豊富な食材にクエン酸を含む食材をプラスすると、カルシウムの吸収率を高めることができますよ」(飯田先生)

カルシウム豊富な食材を使った料理にはレモンをプラス!

クエン酸は「酸っぱい」と感じる酸味成分のひとつで、柑橘類や梅などに多く含まれている。そのなかでも、幅広い食材と組み合わせやすくておすすめなのがレモン。和洋中のあらゆる料理に取り入れやすいので、レモンやレモン果汁を常備して積極的に活用してみて。

「魚介類や乳製品、大豆製品、海藻類などにはカルシウムが豊富に含まれています。これらを食べるときは一緒にレモンを取るようにすると、骨の強化につながります。1日あたり、レモン果汁大さじ2(レモン1個分)を摂取量の目安にするといいでしょう」(飯田教授)

さらにレモン果汁を含むドリンクや食事を取ると、食後血糖値の上昇を緩やかにするという研究もあり、カラダの糖化を予防し、しなやかな骨の維持をめざすことも期待できるのだそう。焼き魚や揚げものにレモンを添えるだけでなく、この機会にレモンを使った料理のレパートリーを増やしてみるのもいいかも。

カルシウム豊富な食材を使った料理にはレモンをプラス!

教えてくれた人 飯田忠行先生

教えてくれた人 飯田忠行先生

県立広島大学保健福祉学部 理学療法学科教授、レモン健康科学プロジェクト研究センター長。応用健康科学、公衆衛生学、疫学、老年医学を専門とし、先進レモン効果研究にも尽力。その研究成果を広める活動を行っている。

簡単!カルシウムとクエン酸が取れるレモンレシピ4選

身近なカルシウム源といえば牛乳だけれど、レモンと組み合わせたレシピとなると、なかなか思い浮かばない人も多いのでは? そこでここでは、カルシウムとクエン酸がたっぷり取れる牛乳とレモンを使ったレシピをご紹介。レシピを開発したポッカサッポロフード&ビバレッジの管理栄養士さんからのおすすめコメントも参考に、気になるレシピをぜひ試してみて!

レシピ提供:ポッカサッポロフード&ビバレッジ

レモンクリームパスタ

レモンクリームパスタ

<材料:1人分>
パスタ100g、キノコ(シメジなど)50g、ベーコン20g、ニンニク1片、バター10g、牛乳200ml、とろけるチーズ(スライス)1枚、コンソメ顆粒小さじ1/2、レモン果汁大さじ1と1/2、塩コショウ適量、パセリ適量

<作り方>
(1)キノコをほぐす。ベーコンは1㎝程度の短冊切りに、ニンニクはみじん切りにする。パスタを茹でておく
(2)熱したフライパンにバター、ニンニク、ベーコン、キノコを入れ、キノコがしんなりするまで炒める
(3)牛乳を2、3回に分けて入れ、ふつふつとするまで火にかける。
(4)細かくしたチーズとコンソメを加え、溶けてきたら茹でたパスタを加えてからめる
(5)レモン果汁を加えひと混ぜし、塩コショウで味を調える。火を止めて皿に盛り付け、パセリを振りかける

管理栄養士よりひとこと

生クリームを使わない、牛乳とチーズでできるさわやかで優しい味わいの簡単クリームパスタです。ひと皿で乳製品とレモンをたっぷり取れる嬉しいメニューです。

リコッタチーズとカボチャのレモンサラダ

リコッタチーズとカボチャのレモンサラダ

<材料:2人分>
カボチャ200g、牛乳とレモンで作るリコッタチーズ(作り方は下記)65g、マヨネーズ大さじ1、塩小さじ1/4、コショウ少々、お好みのナッツ(素焼き)30g

<作り方>
(1)リコッタチーズに塩2つまみ(分量外)を加えて混ぜる。カボチャは種を取って1.5cm角に切り、耐熱容器に入れてラップをし、電子レンジ(500W)で3~4分加熱して冷ます。ナッツは粗く刻む
(2)ボウルに(1)、マヨネーズ、塩、コショウを入れて混ぜ合わせ、器に盛る

・牛乳とレモンで作るリコッタチーズ

<材料:作りやすい分量>
牛乳400ml、乳清(ホエー)400ml、レモン果汁大さじ4

<作り方>
(1)耐熱容器に牛乳と乳清を入れて電子レンジ(500W)で約8分温める(目安の温度は60℃)。
(2)レモン果汁を加えて軽く混ぜたら、透明な液体と白いかたまりに分離するまでしばらく置く。
(3)ボウルの上にザルを重ね、ザルにペーパータオルを敷き、(2)を少しずつ流し入れてこす。水気が切れてこし終わるまで20分ほど置く

管理栄養士よりひとこと

牛乳とレモンで作ったリコッタチーズを加えたカボチャのサラダです。ひと手間加えるだけで贅沢感が出て、満足感のある一品に。

レモン風味のフレンチトースト

レモン風味のフレンチトースト

<材料:1人分>
食パン(4枚切) 1枚、バター大さじ1/2、ハチミツ お好みで
卵液の材料・・・レモン果汁大さじ1、卵1個、 牛乳90ml、塩少々、三温糖(または砂糖)大さじ1と2/3

<作り方>
(1)食パンに数カ所ようじを刺して穴をあけ、卵液が染みこみやすいようにする。
(2)ジッパー付きビニール袋に卵液の材料をすべて入れ、口を閉めてもむようによく混ぜる。
(3)袋の口を開けて食パンを入れ、再び口を閉めて食パンに卵液がよく染み込むように平らに置く。10分ほどたったら袋ごと裏返して、さらに10分置く。
(4)フライパンを弱火にかけてバターを加え、溶けたら(3)の食パンを入れて焼き目がつくまで焼く。裏返して同様に焼いたら火を止め、皿に盛り付けて、お好みでハチミツをかける

管理栄養士よりひとこと

レモン果汁が入った卵液をたっぷり含ませて焼き上げる、レモン香る甘酸っぱいフレンチトーストです。トッピングに前出のリコッタチーズを乗せるのもおすすめです。

※レシピにはハチミツが含まれます。1歳未満の乳児には与えないでください

とろ~りバナナラッシー

とろ~りバナナラッシー

<材料:1人分>
バナナ1/3本、レモン果汁大さじ1、牛乳150ml、ハチミツ大さじ1

<作り方>
(1)バナナはひと口大にカットする。すべての材料をビニール袋に入れて、バナナをつぶすようによくもむ
(2)バナナが完全につぶれたら、コップに注ぐ

管理栄養士よりひとこと

濃厚だけどレモンの風味ですっきり楽しめるドリンクメニューです。レモン果汁には、バナナの変色を防ぐうれしい効果も。

※レシピにはハチミツが含まれます。1歳未満の乳児には与えないでください

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PR/ポッカサッポロフード&ビバレッジ
ILLUSTRATION/CHIKA SHIBA WRITING/HIROKO KUROKI

※記事は2020年10月15日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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