【おしごとストーリー】金属アレルギーに配慮した新作腕時計「シチズン クロスシー hikari コレクション」に携わる人々

【おしごとストーリー】金属アレルギーに配慮した新作腕時計「シチズン クロスシー hikari コレクション」に携わる人々

更新日:2025/05/02

隠れたロングセラーや、実は社員に人気・・・。“中の人”だからこそ知る、名品たちの秘密や魅力を編集部がインタビューしていく「おしごとストーリー」。今回は2025年4月に発売された「シチズン クロスシー hikari コレクション(アンバーイエロー)」の企画、開発に携わった佐藤利磨さん、 高塩万莉枝さんが登場。金属アレルギーに配慮した独自の表面硬化技術「デュラテクト」の新色“アンバーイエロー”開発の裏側を伺います。

性別、年齢にかかわらず、さまざまな人が楽しめる腕時計を作りたい
(左)高塩万莉枝さん 商品企画センター 商品企画部 第一企画課。入社当初からずっと憧れていた「シチズン クロスシー」の企画・開発に携わることができ、やりがいを感じながら働く日々

(右)佐藤利磨さん 製造技術センター 外装開発部 表面処理開発課。1級真空技術者の資格を所有。物理学×好きなものが結びつく分野として腕時計を製造する「シチズン」へ。デュラテクトの開発に携わる

性別、年齢にかかわらず、さまざまな人が楽しめる腕時計を作りたい

入社以来、デュラテクトの開発に取り組んできた佐藤さんは、すでに発売されているものに加えて、メタルアレルギーに配慮した、ゴールド色のデュラテクトを開発したいと考えていたという。「一般的な腕時計に使われる、金メッキは金属アレルギーを引き起こしやすく、やわらかい素材のため、使っているうちに細かいキズが付いてしまうデメリットがあります。また、従来のゴールド系の時計はちょっと“金ピカ”すぎるのが気になっていて、落ち着いたゴールド色があったらと思っていました。こうしたすべての課題を解決したいと開発したのが『デュラテクトアンバーイエロー』です」(佐藤さん)

そもそも「デュラテクト」とは、金属の表面硬度を高めることで、すりキズから本体を守り、美しい輝きを長期間維持するシチズン独自の技術。アンバーイエローを女性向けブランド「シチズン クロスシー」に採用した背景には、売り場スタッフから「ゴールドの時計を探している女性のお客様がいる」という声が多く寄せられるようになったこともあったそう。

何度も実験を重ね、落ち着いたゴールド色×耐メタルアレルギー性を実現した腕時計が誕生!
見る角度によって、色味が変化する白蝶貝の文字板もこだわりポイント

何度も実験を重ね、落ち着いたゴールド色×メタルアレルギーに配慮した腕時計が誕生!

最も苦労したのは、耐メタルアレルギーと高い硬度を維持しつつ、望みおどりのゴールド色を表現すること。「硬度を高くしようとすると、デュラテクトの品質が低下しやすい傾向にあるので、両立させる点で時間がかかりました」(佐藤さん)「数多くのの実験を経て決まったゴールド色に合う文字板の色、デザインを決めるのも大変でした」(高塩さん)という2人のエピソードからも、試行錯誤の末にようやく完成したことが伝わってくる。

また、商品名を決める際にも一苦労したのだとか。「先に『ライトゴールド』という候補があったのですが、明るいゴールド色を思い浮かべる人が多そうな気がして。改めて今までにない名前を考え直すことになりました」と佐藤さん。ようやく決まった“アンバー”の由来は、英語で植物性の宝石「琥珀」を意味する言葉。落ち着いた色味に加えて、今回のテーマでもある「肌へのやさしさ」「高い硬度」「美しさ」にもぴったりの名称。

デュラテクトの技術を、さまざまな課題を解決するために活用してほしい
腕元を見るだけで、背筋が伸びるような気分に。いつでも寄り添ってくれる、お守りのような存在

デュラテクトの技術を、さまざまな課題を解決するために活用してほしい

“シチズン愛”が深い2人に、仕事をする上で大切にしていることは?と尋ねると、「社会貢献につなげたいという思いがあります。既にデュラテクトの技術は、丈夫でキズがつきにくく、肌にもやさしいことからメガネやアクセサリー、ハサミなどに使われているんですよ。今後も新しい技術の開発や魅力的な時計を作るとともに、腕時計以外にもさまざまなものにデュラテクトが使われるようになったら嬉しいです」と佐藤さん。それを受けて高塩さんも「自分の“好き”だけに偏らないように意識しています。先輩から『2歩引いて』と注意されてしまうことも(笑)」

身に着ける人が日々輝いてほしいという願いを込め、すべての時間を美しく照らす希望に満ちた光からインスピレーションを受けてデザインされた「シチズン クロスシー hikariコレクション」。「アンバーイエローは、肌なじみの良い落ち着いたゴールド色です。仕事をしていると、1日のなかでちょっと気分が落ち込むこともあると思います。そんなときにふと手元を見ると元気になるような、“お守り”のような存在になれたら」と高塩さん。

今後はカラーバリエーションを増やすための研究が進められているほか、2026年には30周年を迎える「シチズン クロスシー」を盛り上げるためにさまざまなプランが企画されているそう。これからの展開もお楽しみに!

チズン クロスシー hikari コレクション エコ・ドライブ電波時計(アンバーイエロー)

チズン クロスシー hikari コレクション エコ・ドライブ電波時計(アンバーイエロー)

価格:102300円
品番:ES9492-57D

一般的な金メッキで用いられることが多いニッケルではなく、「ニオブチタン」という合金を使用することで耐アレルギー性と、落ち着いた色味のアンバーイエローを実現。デュラテクト技術の中でもトップクラスの硬さを誇り、すりキズなどから本体を守る

PHOTO/MANABU SANO WRITING/MINORI KASAI

※記事は2025年5月2日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります