シミに効果的なトレチノインとは?ハイドロキノンとの併用についても【医師監修】

シミに効果的なトレチノインとは?ハイドロキノンとの併用についても【医師監修】

シミやしわ、毛穴、ニキビなどあらゆる肌悩みの解決をめざせるトレチノイン。いったいどんな成分なの? 使い方や副作用、注意点は? ハイドロキノンと併用するといいの? そんなトレチノインにまつわる疑問について、「やさしい美容皮膚科・皮フ科秋葉原院」院長・宇井千穂先生に聞きました。ぜひ参考にして。

更新日:2022/11/04

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トレチノインとは?効果や副作用も

トレチノインとはどんな成分?

トレチノインとはどんな成分?

トレチノインとはビタミンA(レチノール)の誘導体のこと。生理活性はビタミンAの約100倍で、塗布することで肌のターンオーバーを促せる。表皮の深い層にあるメラニン色素まで外に押し出し、色素沈着やシミの改善効果が期待できる。誰でも血液中にごく微量流れていて、アレルギー反応を起こすことは稀。

米国ではしわやニキビの治療薬としてFDAに認可されており、皮膚の若返り薬として使用されている。非常に強力な作用があり、医師の指導のもとで使用しなければならないため市販はされておらず、医療機関でのみ購入可能。

肌の漂白剤とも言われるハイドロキノンとの併用がおすすめ。トレチノインがすでにできているシミに効果的なのに対し、ハイドロキノンはシミの原因であるメラニン色素を作るのを防ぐ働きがある。併用することで、今あるシミと将来的なシミ予防のどちらも可能に。

トレチノインの期待できる効果とは?

トレチノインの期待できる効果とは?

シミの改善効果
すでにあるシミに対して効果を期待できるのが大きなポイント! 肌に塗布することでターンオーバーが促され、皮膚細胞の分裂・増殖も促進。皮膚の細胞が生まれ変わると、皮膚の深い層にあるメラニン色素は外に押し出しされて排出されるという仕組みになっている。

毛穴の開きや黒ずみの改善効果
肌のターンオーバーを促進し、古い角質を剥がれやすくすることによって毛穴の黒ずみの原因である毛穴詰まりを除去してくれる。また、皮脂腺の働きを抑え、皮脂の分泌を抑制するから、皮脂による毛穴詰まりを防止する効果にも期待。とくに鼻周りは皮脂の分泌量が多いので、トレチノインの効果が期待できる部位のひとつ。コラーゲンやエラスチンの産生を増やすこともでき、それによってたるみ毛穴など毛穴の開きの治療が可能に。

しわの改善効果
トレチノインを使用すると肌のコラーゲンの量をアップできるため、ハリを回復してしわの改善へ導いてくれる。しわの改善にかかる期間には個人差があり、少なくとも3カ月は継続してトレチノインを使用する必要がある。

ニキビ・ニキビ跡の改善効果
ニキビの原因は、脂腺の分泌量が増えて毛穴の角質が厚くなり、毛穴の出口が塞がれてしまうこと。トレチノインは、皮脂腺の機能を低下させ、皮脂の分泌を抑制させるのと同時に、毛穴の出口を塞いでいる角質を剥がれやすくする。そのため、ニキビ悩みについても効果が期待できる。

トレチノインの副作用・注意点

トレチノインの副作用・注意点

■副作用
強力な作用がある薬剤のため、使用すると反応性の皮膚炎が起こる。皮膚が赤くなったりぽろぽろと角質が取れてきたりするけれど、これは薬かぶれなどのアレルギー反応ではなく、トレチノインの効果が出ている証拠。適度な範囲であればまったく心配はいらない。皮は無理にむかずに自然にはがれるのを待って、保湿剤による十分な保湿をしよう。治療を開始して1週間経ってもまったく赤くならない場合は、薬の成分が作用していない可能性があるため、クリニックに相談して。

■注意点
シミを薄くしたり、しわを改善したりするには少なくとも3カ月は使用する必要がある。黒いほくろ、生まれつき存在する黒色のあざへの効果はない。なお、妊娠中・妊娠の可能性がある場合は使用不可。

トレチノインの使い方

トレチノインの使い方

基本的に1日1回、夜の洗顔後に使用することが推奨されている。ハイドロキノンと併用するなら、トレチノインを患部にピンポイントで薄く塗布して10~15分経過後、ハイドロキノンをトレチノインより広範囲にあまり白くならない程度の厚さに塗る。このとき、トレチノインを塗った部分から外側へ塗るとトレチノインを周囲に広げてしまうため、トレチノインを塗っていない部分から内側に向けて塗布するのがポイント。

なお、トレチノインを使用すると肌の角質が取れるため、ハイドロキノンがしみてヒリヒリしたり皮膚が赤くなったりすることも。刺激が強い場合はトレチノインを一時休んで、ハイドロキノンだけを使用しよう。痛みが強すぎる、血がにじんでくる、ひどくしみる、赤くなりすぎるなどの症状が出た場合は、トレチノインを中止して診察を受けて。

トレチノインはどこで手に入る?

市販、通販、皮膚科のそれぞれのメリットデメリット

市販、通販、皮膚科のそれぞれのメリットデメリット

非常に強力な作用があり、医師の指導のもとで使用しなくてはならないため、国内でトレチノインを処方してもらえるのはクリニックのみ。海外通販サイトでも買えるけれど危険性があるので、必ずクリニックを受診しよう。

トレチノインを処方している美容皮膚科を探す

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トレチノインのよくあるQ&A

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ハイドロキノンとトレチノインの違いは?

トレチノインがすでにできているシミに効果的なのに対し、ハイドロキノンはシミの原因であるメラニン色素を作るのを防ぐ働きがあります。併用することで今あるシミの改善と将来的なシミ予防、どちらにも効果が期待できるのでおすすめです。トレチノインをもっと知る≫

トレチノインでシミが薄くなるまでどのくらいの期間がかかる?

トレチノイン、ハイドロキノン併用期間で2~3カ月が1クールとなります。

トレチノインはいつ使用をやめる?

長期間続けて使用すると肌に耐性ができてしまい、効果が得られなくなることがあります。その際、効果が出たところで1カ月ほど治療を休止し、その後また再開する、というサイクルを繰り返します。

トレチノインは顔全体に塗っても大丈夫?

顔に塗る場合、目の周囲は避けましょう。目の周囲以外は塗っても問題ありません。

通販・輸入代行サイトで販売しているトレチノインを買っても大丈夫?

海外通販でも買えますが、トレチノインには非常に強力な作用があり、おすすめできません。医師の指導のもとで使用しなければならなく、国内では医療機関でのみ購入が可能です。

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「やさしい美容皮膚科・皮フ科秋葉原院」医師・宇井千穂先生

準ミス日本受賞・全日空客室乗務員・医学部卒業を経て、複数の病院と銀座の美容クリニック勤務。2019年、アトピー性皮膚炎などの基礎疾患を持っていても、施術が受けられるよう配慮した「やさしい美容皮膚科・皮フ科秋葉原院」を開院。悩みを持つすべての人に“やさしい”美容医療の提供をめざす。

WRITING/NOZOMI SUZUKI

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※記事は2022年11月4日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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