ビタミンC誘導体を解説!期待できる効果やクリニック施術も【医師監修】
シミなどのエイジングケアやニキビへの効果が期待できる成分として知られるビタミンC誘導体。いったいどんな成分なの? 使い方や副作用、注意点は? そんなビタミンC誘導体にまつわる疑問について、「やさしい美容皮膚科・皮フ科秋葉原院」院長・宇井千穂先生に聞きました。ぜひ参考にしてケアに取り入れ、美しく健やかな肌をめざそう。
更新日:2023/02/17
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ビタミンC誘導体とは?効果や注意点も
ビタミンC誘導体とはどんな成分?種類を解説
ビタミンC誘導体は、“酸化しやすい・肌に吸収されにくい”といったビタミンCの弱点を改良し、角質層へ透過性を高めた化合物のこと。肌に吸収された後に酵素反応によってビタミンCになり、その効果を発揮する。水溶性、脂溶性、進化型の3種類があり、それぞれ特徴が異なる。
■水溶性ビタミンC誘導体
リン酸と結合させることで、皮膚への吸収性や効果の持続を高めたビタミンC誘導体。即効性があり、短期間で皮膚に吸収されてビタミンC本来の効果が期待できる。また、皮脂分泌のコントロールや肌をなめらかにする作用があり、ざらざら肌、オイリー肌、にきび肌から大人の肌ケアにもおすすめ。一方で、皮脂の分泌を抑える作用によって乾燥しやすくなったり、刺激を与えてしまったりすることもあるため、敏感肌の人は注意が必要。
■脂溶性ビタミンC誘導体
水溶性ビタミンC誘導体に油分を結合させたもの。水溶性に比べて即効性はないけれど、肌への刺激が少なく真皮まで浸透させられ、皮脂膜や角質層への吸収率、効果の持続性が高い。脂溶性ビタミンC誘導体はオイルに馴染みやすい性質から、クリームやジェルタイプの化粧品に使用されている。
■進化型のビタミンC誘導体
“ビタミンCをいかに肌の深部まで持続的に大量に安定供給させるか”をポイントに開発された、いちばん新しいビタミンC誘導体。従来のリン酸型では、イオン導入をしないと真皮まで十分にビタミンCを届けられないけれど、進化型では外用塗布のみで真皮まで到達できる。“即効性”と“真皮への浸透力”を併せ持ち、肌への刺激や乾燥の心配もない。美白効果はもちろん長期間の使用でシワやハリの改善などのアンチエイジング効果も期待できる。脂質にも水分にもよくなじみ、角質層への浸透力にも優れ、その浸透力は水溶性ビタミンC誘導体の100倍とも言われているほど。
ビタミンC誘導体に期待できる効果とは?
■シミを薄くする効果
ビタミンC誘導体は、肌の内部でビタミンCとして作用する。ビタミンCにはメラニンの合成に関わるチロシナーゼという酵素の活性を阻害する働きがある。そのため、メラニン色素の生成を抑えながら新陳代謝をアップしてメラニン色素の排出を助け、色素沈着の改善を促す。また還元作用を持ち、酸化型の褐色のメラニンを還元して白くする効果も。
■ニキビやニキビ跡予防効果
ビタミンC誘導体によって得られるビタミンCには、過剰な皮脂分泌を抑える作用がある。また、ニキビの原因となるアクネ菌に対する抗菌作用も期待できるため、新しくニキビができたり、ニキビが悪化したりするのを防ぐことができる。
■エイジングケア効果
抗酸化作用があり、活性酸素の過剰な産生を抑えられる。ビタミンCは肌のコラーゲン線維の構築に必要な成分でもあり、ビタミンC誘導体が真皮で作用すると、コラーゲン線維の合成が正常化して、肌のハリやたるみの改善も期待できる。
ビタミンC誘導体の副作用・注意点
■副作用・注意点
刺激性があるため、肌に刺激を感じたり赤くなったりするなど、まれに肌トラブルが起こることも。また乾燥を進ませてしまうリスクも考えられる。
ビタミンC誘導体とビタミンCの違いは?
ビタミンCはビタミンの一種であり、ビタミンC誘導体はビタミンCの弱点を改良した化合物のことで、ビタミンCと基本構造は実はそれほど変わらない。ビタミンCを肌に塗布する場合は様々な問題点がある。たとえば、皮膚の角質層にビタミンCは吸収されにくい、非常に不安定な成分で酸化しやすい、水分との接触により失活しやすいなど。そこで美白効果のあるビタミンCをより使いやすくしたのが、ビタミンC誘導体。ビタミンC誘導体は角質層へ透過性を高め、肌に吸収された後に酵素反応によりビタミンCになり、その効果を発揮する。
ビタミンC誘導体の取り入れ方
市販、通販、皮膚科のそれぞれのメリットデメリットを知ろう
ビタミンC誘導体が配合されたスキンケア商品は、ドラッグストアや通販など市販でも手に入るけれど、安全性の観点から濃度1%のものがほとんど。そのため、効果の実感を期待できない場合が多い。美容クリニックではイオン導入や美容点滴などができ、クリニックで施術を行う方が効果は出やすいので、受診することがおすすめ。
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ビタミンC誘導体のよくあるQ&A
気になる疑問に医師が回答! デメリットやコスメの選び方などの疑問を解決し、安心して施術を受けよう。
ビタミンC誘導体のデメリットは?
刺激性があるため、肌に刺激を感じたり赤くなったりするなど、まれに肌トラブルが起こることがあります。また乾燥を進ませてしまうリスクも考えられます。特徴をもっと詳しく見る≫
ビタミンC誘導体コスメの選び方のポイントは?
肌の乾燥がある場合は、ほかの保湿成分が一緒に入ったビタミンC誘導体のコスメを選ぶとよいです。
ビタミンC誘導体の持続時間は?
点滴の場合は施術後から48時間程度、効果が持続しやすいです。美容液などコスメは1、2カ月使用すると効果を実感しやすいです。どちらも、定期的に治療を受ける・使用することで効果が高まり、持続性が増します。
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準ミス日本受賞・全日空客室乗務員・医学部卒業を経て、複数の病院と銀座の美容クリニック勤務。2019年、アトピー性皮膚炎などの基礎疾患を持っていても、施術が受けられるよう配慮した「やさしい美容皮膚科・皮フ科秋葉原院」を開院。悩みを持つすべての人に“やさしい”美容医療の提供をめざす。
WRITING/NOZOMI SUZUKI
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