肌の漂白剤と言われるハイドロキノンとは?効果を徹底解説【医師監修】

肌の漂白剤と言われるハイドロキノンとは?効果を徹底解説【医師監修】

美白効果の高い成分として知られるハイドロキノン。いったいどんな成分なの? 使い方や副作用、注意点は? そんなハイドロキノンにまつわる疑問について、「やさしい美容皮膚科・皮フ科秋葉原院」院長・宇井千穂先生に聞きました。ぜひ参考にしてケアに取り入れ、輝く美白肌をめざそう。

更新日:2023/02/17

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ハイドロキノンとは?効果や注意点も

ハイドロキノンとはどんな成分?

ハイドロキノンとはどんな成分?

ハイドロキノンは、もともと節足動物や植物の一部、イチゴ類、麦芽、コーヒー、紅茶などにも含まれている天然の成分のこと。還元作用があるため写真の現像に使われおり、現像していた人の肌が白くなったことから美白作用があることが発見された。

アメリカでは20年以上前から美白剤として使用されている成分で、日本では2002年に認可。それ以降、クリニックなどの医療機関での扱いだけではなく、市販の化粧品にも配合されるようになった。

ハイドロキノンの期待できる効果とは?

ハイドロキノンに期待できる効果とは?

シミや肝斑を薄くする美白効果
ハイドロキノンは、紫外線が色素細胞に当たった際にメラニン色素を作るチロシナーゼという酵素を抑制する働きがあり、この働きによってメラニン色素の生成を抑える。その美白効果はコウジ酸やアルブチンの数10倍~100倍と言われており、「肌の漂白剤」とも言われる強力な作用を持っている。深い部分にあるシミはハイドロキノンの塗り薬ではなくレーザー治療がおすすめだけれど、皮膚の浅い部分にあるシミに漂白効果が期待できる。

ニキビ跡の色素沈着を薄くする効果
赤みのあるニキビ跡を放置すると、皮膚にあるメラノサイト(色素細胞)が刺激され、メラニン色素が生成される。メラニン色素は色素沈着を引き起こし、シミのような茶色に変色することが多い。ハイドロキノンはメラニン色素の生成を阻害するため、この茶色いニキビ跡を改善できる見込みがある。

もっと効果を上げるには?

トレチノインと併用して浸透効果を上げると効果的。トレチノインはビタミンAの誘導体で、塗布することで肌のターンオーバーを促進でき、表皮の深い層にあるメラニン色素まで外に押し出して色素沈着の改善効果が期待できる薬。トレチノインがメラニン色素の排出を促進し、ハイドロキノンで新たなメラニン色素の生成を抑制する。

ハイドロキノンの副作用・注意点

ハイドロキノンの副作用・注意点

■副作用
ハイドロキノンは非常に強い成分のため副作用があり、使用期間によって症状は異なる。短期使用で現れる可能性があるのが肌の赤みや炎症。一方、長期使用の場合は白斑。ハイドロキノンにはメラニン色素が作られるメラノサイトそのものの働きを抑制する働きがあるため、1年以上の長期間の使用によりメラニン色素を作る働きを失った皮膚は、部分的に色が抜け、白斑となる可能性がある。

■注意点
とくに徹底したいのが紫外線対策。ハイドロキノンは色素沈着の原因となっているメラニン色素を除去するけれど、メラニン色素には紫外線ダメージを防ぐ機能がある。そのため、ハイドロキノンでメラニンを除去している最中に紫外線を浴びると、シミを濃くしてしまう危険性があるので注意が必要に。

また、メラニン色素の紫外線バリア機能がない状態で紫外線に当たれば、日焼けだけでなくしわ、シミなど、肌の老化現象にも繋がる。ハイドロキノン塗布後はSPF20以上の日焼け止めでしっかり肌を保護するのが大切。朝の塗布を避けて、夜のみの使用がおすすめ。

ハイドロキノンの使い方

ハイドロキノンの使い方

基本的に1日1回、夜の洗顔後に使用することが推奨されている。顔全体の美白効果を期待する場合は、洗顔後、化粧水や乳液で肌を整えた後に顔全体に薄く塗布。部分的なシミに使用する場合は、シミの部分のみに塗るようにする。

トレチノインと併用するなら、トレチノインを患部にピンポイントで薄く塗布して10~15分経過後、ハイドロキノンをトレチノインより広範囲にあまり白くならない程度の厚さに塗る。このとき、トレチノインを塗った部分から外側へ塗るとトレチノインを周囲に広げてしまうため、トレチノインを塗っていない部分から内側に向けて塗布するのがポイント。

ハイドロキノンの取り入れ方

市販、通販、皮膚科のそれぞれのメリットデメリット

市販、通販、皮膚科のそれぞれのメリットデメリット

薬事法改正により解禁され、これまでクリニックでしか手に入らなかったハイドロキノンが市販されるようになり、現在はクリニック、ドラックストア、通販などどこでも手に入る。市販の化粧品などに配合されるハイドロキノンは、厚生労働省によって2%までの配合と規定されているため配合量が低く、皮膚科で処方してもらえるものは5%以上と多い。濃度が高まるほど肌への刺激が高くなることから、皮膚科では肌の状態を確認した上で最適な濃度のハイドロキノンを処方している。

ただ、現在はネットで濃度が高いハイドロキノンが販売されていたりすることも。思わぬ肌荒れや肌トラブルを起こす可能性がとても高く、効果的かつ肌に安全にハイドロキノンを使用するには医療機関で処方してもらうのがおすすめ。

ハイドロキノンを処方している美容皮膚科を探す

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ハイドロキノン以外にも!美白効果のあるスキンケアメニュー

塗り薬ではなく、美容クリニックのスキンケアメニューで美白をめざすなら、こちらもチェックして。ケミカルピーリングや光フェイシャルなど、肌のくすみや黒ずみを改善して美白をめざすメニューをご用意。ダウンタイムがほとんどないものも用意しているので、自分に合った方法を選ぼう。

ハイドロキノンのよくあるQ&A

気になる疑問に医師が回答! 使い続けるとどうなるか、使えない部位は?などの疑問を解決し、安心して施術を受けよう。

塗り続けて何日で効果が出るの?

個人差はありますが、効果が出始めるのは使用を開始して2~3カ月経過したくらいが目安となります。肌の状態を確認しながら、2~3カ月は継続して使用してみましょう。
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ハイドロキノンを使い続けるとどうなる?

長期間使用すると肌が弱まる場合があり、肌トラブルが起こやすくなることも。また、1年以上の長期間の使用によりメラニンを作り出す細胞が破壊されて肌が白抜けしてしまい、白斑になる可能性があります。
市販と皮膚科のハイドロキノンの違いとは?≫

ハイドロキノンが使えない部位はある?

ニキビや傷などがある部分に塗布すると悪化してしまう可能性があるので、避けて塗布しましょう。デリケートゾーンの黒ずみにもハイドロキノンを使用して治療できますが、効果は個人差が大きく、生まれつき色素の強い方は効果が出にくいこともあります。

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内服や塗り薬でゆっくり治していくのもいいけれど、できてしまったシミをすぐに取りたいなら、美容クリニックの治療メニューもチェックしてみて。レーザー治療からマイルドな施術まで、人気のクリニックとともにご紹介。

「やさしい美容皮膚科・皮フ科秋葉原院」医師・宇井千穂先生

準ミス日本受賞・全日空客室乗務員・医学部卒業を経て、複数の病院と銀座の美容クリニック勤務。2019年、アトピー性皮膚炎などの基礎疾患を持っていても、施術が受けられるよう配慮した「やさしい美容皮膚科・皮フ科秋葉原院」を開院。悩みを持つすべての人に“やさしい”美容医療の提供をめざす。

WRITING/NOZOMI SUZUKI

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※記事は2023年2月17日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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