【とっておきの1皿】脇役が主役に変わる新発見。素材の魅力にほれ込んだシェフがたどり着いた「チコリのロースト」
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【とっておきの1皿】脇役が主役に変わる新発見。素材の魅力にほれ込んだシェフがたどり着いた「チコリのロースト」

更新日:2020/07/21

レストランでの食事がもっと楽しくなる、名店で出会える“とっておきの1皿”をご紹介。清澄白河にあるイタリアンレストラン「il tram(イル トラム)」の1皿は、2013年の開店当時からのスペシャリテ「チコリのロースト」。日本では食べる機会が少なく、ヨーロッパでもサラダなど脇役になることが多いチコリが、存在感たっぷりの主役に変わる新しい発見をしてみませんか。

手のひらからはみ出るほどの大きさに驚き。ぷっくりとつややかな外国産のチコリ

手のひらからはみ出るほどの大きさに驚き。ぷっくりとつややかな外国産のチコリ

チコリはヨーロッパ原産で、見た目は小さな白菜のよう。ほろ苦さと甘み、ほのかな香りが特徴でサラダとして食べられることが多い野菜です。オーナーシェフの川邊亮祐さんは、料理人になって間もないころ「チコリとロックフォールのサラダ」というヨーロッパでは定番の料理を食べて感動したことがきっかけで、チコリを好きになったといいます。そのおいしさを知ってもらいたいと思い、チコリを主役にした料理が生まれました。

使用するチコリは、手のひらからはみ出るほどのサイズで、まずその大きさにびっくり! 川邊シェフが使用するのはベルギー産など外国産がメイン。国産のチコリはみずみずしくて生で食べるのに向いているのに比べ、外国産の方が水分が少なく身が詰まっている分、火を通して調理するシェフの料理に合っているのだそう。

じっくり2時間ローストでとろっとした食感に。優しい甘みとほんのり苦みが心地いい1皿

じっくり2時間ローストでとろっとした食感に。優しい甘みとほんのり苦みが心地いい1皿

チコリを丸ごとオーブンで2時間ほどかけてじっくりとロースト。当初は1時間ほどでしたが、試行錯誤を繰り返し、以前よりも細かく温度管理をしてじっくり2時間ほど火を通しています。そうすることで、口当たりがよりなめらかになり、旨みの引き立つ逸品が完成。

チコリにはトリュフオイルをかけてしっとり仕上げます。口に運んだ瞬間のとろっとした食感とトリュフの香りにうっとり。優しい甘みが口いっぱいに広がり、最後にほんのり苦みを感じます。すべてが生のチコリとはまるで別物で、生でチコリを食べたことがある人ならきっとびっくりするはず。

チコリの横に添えられているのは青カビの辛みがあるチーズ「ゴルゴンゾーラ・ピカンテ」と、松の実のロースト、粗挽き黒胡椒。これらと一緒に食べることによってチーズの塩味がチコリの甘みを引き立ててくれて、黒胡椒の香りと松の実の食感がいいアクセントに。「ワインによく合いますよ」というシェフの言葉の通り、1杯飲みたくなる濃厚な味わい。

長年出し続けているスペシャリテだからこそ、器のプレゼンテーションにこだわり

長年出し続けているスペシャリテだからこそ、器のプレゼンテーションにこだわり

開店当時から出し続けているスペシャリテだからこそ、食べてもらう人を飽きさせない工夫も。「料理自体は変えていないので、料理を出すときの器でプレゼンテーションを変えるようにしている」と話すシェフ。器にはこだわりがあり、陶器市などに出かけて器を探すだけでなく、気に入った陶芸家がいれば直接制作を依頼することもあるんだとか。

これまでに使ってきたお皿を見せてもらうと、真っ白なプレートからはじまり、木の切り株のような模様の入ったものや、今使っているごつごつとした岩のような器など、個性豊かな器がずらり。今も新しいお皿を依頼しているというので、どんな器で料理が出てくるかも楽しみにしたいポイント。

シェフの一言

チコリのおいしさを伝えたいという一心で生まれた料理ですが、なじみのない方は先入観なくおいしいと思ってもらえたら嬉しいです。近くにお住いの方にも多く来ていただいているからか、チコリの魅力が広まったからなのか、お店の近くのスーパーでチコリを多く仕入れるようになったという話を聞いて、やってきた甲斐があったのかなと感じました。

シェフとの距離が近く、アットホームな雰囲気が魅力。誰かに教えたくなる隠れ家イタリアン

シェフとの距離が近く、アットホームな雰囲気が魅力。誰かに教えたくなる隠れ家イタリアン

店内はテーブルとカウンター合わせて、わずか10席ほど。シェフ1人で調理からサービスまでしているので、シェフとの距離が近く、顔を見て直接コミュニケーションできるのも魅力の1つ。「1人だと忙しくなってしまうタイミングもあるけれど、自分でお店を見渡してサービスしたいという思いが強い」。そんなシェフのこだわりが温かいお店の雰囲気と居心地のよさを作り出しているのだと感じます。

シェフの人柄とお店の雰囲気、そして新しい発見ができるチコリのロースト。知っていたら、家族や恋人、友達にきっと教えたくなるはず。そして一緒に楽しい食事の時間を過ごしてみては。

il tram

住所:東京都江東区三好4-9-5 1F
アクセス:東京メトロ半蔵門線「清澄白河駅」B2番出口より徒歩7分、都営大江戸線「清澄白河駅」B1番出口より徒歩10分
電話:03-5621-8383
営業時間:[昼]土・日12:00~14:30、[夜]火~日18:00~23:00
定休日:月、火曜日 ※定休日が祝日の場合は営業

“とっておきの1皿”がいただけるプラン

プラン名:【記念日やデートに★乾杯スパークリングワイン付き】清澄白河の名イタリアン!前菜やパスタ2種・メインなどおまかせ全7皿コース
金額:7800円(税・サ込)
コース内容:スープ(季節のお野菜のズッパ)、パン(自家製フォカッチャ)、一口前菜、冷製前菜、温製前菜(チコリのロースト)、パスタ料理2種、メイン料理

【特集】一流の料理人がいる名店案内

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世界中の美食家たちを魅了するレストランのなかでも、一流の料理人が腕を振るう名店を独自にセレクトし、OZmallで予約可能になりました。記念日やデート、友人や家族との食事など、どのようなシーンでも最高のおもてなしを求める方はお見逃しなく。感動と思い出を残してくれる名店へようこそ!

【特集】変わろう、なりたい自分に

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大きな変化を感じる今こそ、自分自身とじっくり向き合って、日常を少し変えてみませんか? 自分にとって“心地のいいもの”を選んだり、カラダにいいことをしたり、感性を高める努力をしてみたり。ほんの小さな心がけを習慣にするだけで、日々の暮らしがぐっと豊かなものに変わるはず。これからも自分らしく幸せな日々を過ごすために、今が変わるとき。そのきっかけとなるようなアイデア集をお届けします。

PHOTO/KATSUMI SATO WRITING/KEIKO YOKOUCHI(OZmall)

※記事は2020年7月21日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります