アフタヌーンティーとは?|歴史や食べ方のマナー、ハイティーとの違いは
アフタヌーンティー特集

アフタヌーンティーとは?|歴史や食べ方のマナー、ハイティーとの違いは

更新日:2023/08/01

アフタヌーンティー(Afernoon tea)の歴史・起源や食べ方のマナーをご紹介。非日常の優雅な時間とサービス、そしておいしい紅茶やグルメを楽しめるアフタヌーンティー。大人気となった今ではホテルやカフェ、レストランなどさまざまな場所で体験できるけれど、元はしっかりとマナーがある上流階級の文化。そこでアフタヌーンティーの歴史を紐解きながら、基本的なマナーをレクチャー。おしゃれをして出かける前に、学んでおこう。

目次

1.アフタヌーンティーとは?
 1-1.アフタヌーンティーのはじまり(歴史・起源)
 1-2.現在のアフタヌーンティー
 POINT/ハイティーの違いは?
2.アフタヌーンティーの内容
 2-1.主なメニュー
 2-2.主なドリンク
 POINT/紅茶のおいしい入れ方は?
3.アフタヌーンティーの正しいマナー
 3-1.マナーはどこまで気にするべき?
 3-2.服装
 3-3.ナプキンの使い方
 3-4.食べる順番
 3-5.セイボリーやスイーツの食べ方
 3-6.スコーンの食べ方
 3-7.紅茶の飲み方
 3-8.食べ終わった後
4.おすすめのアフタヌーンティー

【教えてくれた人】紅茶・アフタヌーンティー研究家 藤枝理子さん

アフタヌーンティー研究家・藤枝理子さん

英国紅茶&マナー、アフタヌーンティー研究家。就職、結婚ののち、紅茶好きが高じてイギリスへ留学。帰国後は東京初のサロン形式の紅茶教室「エルミタージュ」を主宰し、予約の取れない人気サロンとして話題に。また、テレビや新聞、雑誌、書籍などを通し、“暮らしを楽しむ生活芸術”であるアフタヌーンティーの魅力を発信。現在は、大学での講演や企業コンサルタントとしても活躍する。

Instagram:@rico_fujieda
Twitter:@FujiedaRico
ブログ:Rico’s Tea Room
著書:『マンガで早わかり!アフタヌーンティー 正式なマナーとちょっぴりエレガンスが身につく』(2023年)、『仕事と人生に効く 教養としての紅茶』(2022年)、『英国式アフタヌーンティーの世界 国内のティープレイスを訪ねて探る、淑女紳士の優雅な習慣 五感で愉しむ生活芸術』(2021年)ほか多数

アフタヌーンティーとは?

アフタヌーンティーとは?

アフタヌーンティーのはじまり(歴史・起源)

発祥は19世紀、ビクトリア時代のイギリスが舞台。当時の食事は、朝食(10時頃)と夕食(20時頃)の1日2回。しかし、第7代ベッドフォード公爵夫人であるアンナ・マリアは空腹と、貴族の間で主流だった締め付けのきついコルセットに耐えかね、16時頃にベッドルームで紅茶とパンのひとりお茶会を楽しむように。そんな優雅な時間に友人を招くようになり、華やかな貴婦人の社交の場へと発展。いつしかアフタヌーンティーと呼ばれるように。

現在のアフタヌーンティー

ビクトリア時代の後期には、ロンドンのホテルでアフタヌーンティーが楽しめるように。20世紀に入ると3段スタンドが並ぶ、今日の日本でも主流のアフタヌーンティーの形式が誕生。現在では、ホテルのラウンジやカフェ、ティーサロンなどで気軽に嗜めるようになった。本場イギリスの上流階級の間でも、今は自らアフタヌーンティーを催すことはまれ。しかし、日本と同じようにイギリスの若者の間でもアフタヌーンティーが流行していて、ホテルやティーサロンで楽しむ人が多いのだとか。

POINT/アフタヌーンティーとハイティーの違いは?

アフタヌーンティーが貴族階級から生まれた文化であることに対して、ハイティーは労働者階級から誕生したカジュアルなお茶の時間。18時頃、家族でハイテーブルを囲み、紅茶とともに簡単な夕食を楽しむ。お肉料理を含むことから、ミートティーとも呼ばれる。ちなみに、イギリスにはクリームティーというものもあり、こちらはフルコースのアフタヌーンティーから紅茶とスコーンだけを抜き出したアラカルトスタイルを指す。

アフタヌーンティーの内容

主なメニュー

ティーフーズは、セイボリー、スコーン、ペイストリー(スイーツ)の3皿。セイボリーはサンドイッチが主で、パンは薄ければ薄いほどフォーマルとされていたそう。そのため、ビクトリア時代は3cm角ほどのひと口で食べられるものが主流。スコーンは焼きたてを、クロテッドクリームや手作りのジャム2種ほどと一緒に提供。ペイストリーは小ぶりなフランス菓子が用意され、生菓子と焼き菓子の両方が並ぶ。

主なドリンク

フォーマルなアフタヌーンティーは、シャンパンでスタート。昨今のホテルアフタヌーンティーでは、フードのテーマと合わせたウエルカムドリンクの用意があることも。その後は、プレートにあわせて紅茶をペアリングしていくとスマート。例えば、セイボリーにはキーマン、スコーンにはウバ、ペイストリーにはアッサムなど、お好みで。ホテルやティールームなら、お店の方におすすめを聞くのもよい。

POINT/紅茶のおいしい入れ方は?

自分で紅茶を入れるときは、ティーマットの上に置いたティーポットに1/3ほどお湯を注ぎ、温めておく。温まったポットにティースプーンにこんもりの茶葉を、人数分入れる。500円玉くらいの泡が沸くほど沸騰したお湯を、ティーポットの中央一点を目掛けて注ぐ。3分蒸らしたら、茶漉しを通しながら、1人分ならティーカップ、複数人分ならサービス用のポットに注ぎ入れて。

アフタヌーンティーの正しいマナー

マナーはどこまで気にするべき?

上流階級の文化である正式なアフタヌーンティーには、マナーが存在する。しかし、気軽に楽しめるようになった現在は、厳格なものではないそう。「時代が変わり、今はマナーを厳しく問われないようになりました。ですが、知っておくとアフタヌーンティーがもっと楽しくなるはず。この機会に教養として学んでおきましょう」(藤枝さん)

アフタヌーンティー 服装

服装

ビクトリア時代はティーガウン、帽子、手袋を身に着けるのが上流階級のマナー。しかし、装いは時代によって変化するもの。ホテルアフタヌーンティーではその場所のドレスコードを参考にし、ない場合はエレガントでスマートな装いを心がけるのがポイント。女性はワンピースにヒール付きのパンプスがベター。男性はカジュアルスーツ、ジャケットやネクタイはマストではないが、シャツは襟付きを着用して。サンダルやスニーカーは避け、素足は控えると安心。

アフタヌーンティー ナプキンの使い方

ナプキンの使い方

食事用の大きなナプキンの場合は手前1/3を、ティータイム用の小さなナプキンの場合は手前1/2を内側に折って膝の上に。このとき、折り口がテーブル側、輪が手前になるようにする。口を拭くときは折り込んだ内側を使い、汚れが周りに見えないように配慮を。ウエイターやバトラーが広げてくれることもある。

アフタヌーンティー 食べる順番

食べる順番

フードは塩気があるものからいただくので、セイボリー、スコーン、ペイストリーの順番で召し上がれ。ペイストリーのなかでは、先に生菓子、その後に焼き菓子。お店によってはスコーンの焼きたてがまず初めに出てきて「温かいうちにどうぞ」と進められることもあるので、臨機応変に対応しよう。

アフタヌーンティー セイボリーやスイーツの食べ方

セイボリーやスイーツの食べ方

スタンドからフードを取る(※)ときは左手で。人差し指から小指までを揃えてつかむとエレガントに見える。

※本来はホストが主賓にフードの乗ったお皿を差し出し、主賓はそこから左手でフードを自分への取り皿に取る。そして主賓から隣のゲストに皿を差し出し、順番に回していく。しかしホスト不在のアフタヌーンティーなら、その必要はなし

アフタヌーンティー スコーンの食べ方

スコーンの食べ方

左手でスコーンを取り、右手の親指を腹割れの部分、通称“オオカミの口”に軽く入れ、上下半分に割る。右手側のスコーンを置きナイフに持ち替え、あらかじめ取り皿にとっておいたジャム、クロテッドクリームをのせていただく。

POINT/ジャムが先?クロテッドクリームが先?

ジャムを塗った上にクロテッドクリームを乗せると、スコーンの温かさでクリームが溶けないメリットがあり、その方法でいただく人が多いそう。ただし、地域によっても異なる。ジャムファーストはクロテッドクリームの二大産地であるコーンウォール州のスタイルで、デボン州ではその逆。クリームが潤沢にあり、溶けることを気にせずたっぷりと使えるためなのだとか。クリームは溶けると味わいが変わるため、お好みの食べ方を選んで。

アフタヌーンティー 紅茶の飲み方

紅茶の飲み方

ティーカップを乗せたまま、ソーサーを左手で掴み、胸の前で持つ。カップは右手を使い、揃えた4本の指で持ち手をつまむように持つ。慣れないとぎこちなくなってしまうが、動きがゆっくりとなることでエレガントに見える効果も。自信がなく、カップを割ってしまいそうなら、持ち手に指をかけてもOK。

アフタヌーンティー 食べ終わった後

食べ終わった後

食事が済んだら、カトラリーはお皿の上に4時の方向に斜め置きにするのが一般的だが、6時の方向に縦置きにするとフォーマルな英国スタイルに。膝の上のナプキンを外したら、簡単にたたみ、お皿の横に。このとき、きっちりとたたまないのがポイント。

藤枝理子さんに聞いた!おすすめのアフタヌーンティー

ロビーラウンジ ル・ジャルダン/ホテル椿山荘東京(東京都・江戸川橋)

「正統派のアフタヌーンティーを楽しむなら、ホテル椿山荘東京の『ロビーラウンジ ル・ジャルダン』がおすすめ。東京で初めてホテルアフタヌーンティーを採り入れたと言われる場所で、ブームを牽引してきた存在です。1992年のオープン当時から正統派イングリッシュスコーンが提供されるなど、本場の雰囲気を感じられます。現在も勉強熱心なシェフが腕によりをかけているんですよ」(藤枝さん)

ニューヨーク ラウンジ/ホテル インターコンチネンタル東京ベイ(東京都・竹芝)

「グルメだけでなく、調度品なども含めてトータルで堪能するのがアフタヌーンティーですが、ホテル インターコンチネンタル東京ベイの『ニューヨーク ラウンジ』はニューヨークをイメージした、とってもラグジュアリーな世界観が楽しめます。シャンデリアも飾られた豪華な空間で、ふかふかのソファーに腰かけて、ゆったりと過ごるはず」(藤枝さん)

ル サロン ド ニナス 日比谷(東京都・日比谷)

「アフタヌーンティーに行ったことがない、という方は、まずカフェやティーサロンでアフタヌーンティーにデビューしてみてはいかがでしょうか。『ル サロン ド ニナス 日比谷』は、フレンチスタイルのアフタヌーンティーが楽しめるティーサロン。エレガントでかわいらしい雰囲気を満喫できます」(藤枝さん)

茶寮 八翠/翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都(京都府・嵐山)

「日本らしい趣を取り入れているアフタヌーンティーもあります。なかでも、翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都の敷地内にある『茶寮 八翠』は、和のエッセンスを採り入れたティーフーズが並びます。保津川や嵐山などを一望するロケーションが素晴らしいのも魅力。イギリスと日本の文化の融合が楽しめますよ」(藤枝さん)

編集部のおすすめアフタヌーンティー

編集部が厳選したアフタヌーンティーのなかから、特にユーザーの口コミ評価が高い“ハズさないお店”をピックアップ。

高級ホテルや人気カフェも。OZのアフタヌーンティー特集

非日常の時間・空間の中で優雅にティータイムを過ごせることから、人気の高いアフタヌーンティー。東京都内や横浜、名古屋、大阪の憧れホテルのアフタヌーンティーはもちろん、人気カフェやレストランまで、その舞台はさまざま。相手やシーンに合わせて選べるのも魅力。季節に合わせて変わるティーフードとともに、素敵な時間をどうぞ。

PHOTO/MANABU SANO、WRITING/MARIA KAWASHIMA

※記事は2023年8月1日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります