「Wakiya一笑美茶樓(わきや いちえみちゃろう)」の「Chinese Afternoon Tea」

中国料理の巨匠・脇屋友詞氏によるアフタヌーンティーを体験。赤坂の一軒家で中国茶×美食スイーツを味わう

更新日:2025/02/22

中国料理の巨匠・脇屋友詞さんがオーナーシェフを務める、赤坂「Wakiya一笑美茶樓」の「Chinese Afternoon Tea」は、四季折々の素材を使った点心や中華粥、多彩な中国スイーツと共に、厳選された中国茶が楽しめます。そんなとっておきのアフタヌーンティーを編集部が体験してきました。

健康を願って作られた優しい中国料理・スイーツで心と体のエネルギーチャージ。ぜひ最後までチェックしてみてください。

脇屋友詞シェフが「Wakiya一笑美茶樓」で中国アフタヌーンティーを始めたきっかけは“中国茶”

料理人としてスタートを切った赤坂の街で、中国料理や中国茶の魅力を発信し続ける

中学校を卒業後、15歳の時に父親の意思で赤坂にあった「山王飯店(さんのうはんてん)」で就職して以来、50年以上にわたり中国料理一筋という脇屋シェフ。「東京ヒルトンホテル」「キャピトルホテル東急」などで修業を経て2001年に「Wakiya一笑美茶樓(わきや いちえみちゃろう)」をオープンしました。
脇屋シェフは、「ずっと赤坂の街が好きで、いつか自分の店を持つなら赤坂で、と思っていました。夢がかなったことは本当に嬉しかったですし、今でも赤坂は特別な街です」と笑顔で語ります。

中国茶に魅せられ、中国各地を巡ってはさまざまなお茶を飲んだり、茶器を集めたり、ついには自身で茶器を手がけたことも。お客様にも食後のデザートや、特別に盛り付けたアニバーサリープレートと一緒に中国茶を提供したところ、とても喜ばれたのだとか。もっとカジュアルに、中国茶の魅力に触れてもらうきっかけになれば、と「Chinese Afternoon Tea」をスタートされました。

「ひと言で“中国茶”といっても本当にさまざまで、その数は数百種類とも、千種類以上あるともいわれています。中でも僕が惹かれるのは、その香りの奥深さ。中国では三国志の時代から飲まれているんですよ」という脇屋シェフ。アフタヌーンティーの中でも、長い歴史の中で培われた中国茶のおいしさを、じっくりと味わいたいですね。

脇屋友詞シェフ

1958年北海道生まれ、15歳で料理の道に入る。赤坂・山王飯店ほかで経験を積み、27歳で立川・リーセントパークホテルの料理長になる。96年『トゥーランドット游仙境』代表取締役総料理長に就任。2001年『Wakiya一笑美茶樓』を、2011年にトゥーランドット臥龍居をオープン。また、料理人人生50周年の節目となる昨年、2023年12月に『Ginza脇屋』、初の中国料理以外の業態として「蕎麦割烹橙」をオープンした。

現在は東京で五店舗のオーナーシェフを務める。上海料理の技をベースに洗練された料理で日本の中国料理界をリードする一方で、メディアを通じて中国料理の楽しさを広く伝えている。著書に料理人としての50年の歩みを綴った『厨房の哲学者』(幻冬舎刊)

さっそく、「Wakiya一笑美茶樓」の中へ。中国の家庭的な雰囲気が肌で感じられる空間

小道に入ると、洗練された一軒家レストランが佇んでいる

「Wakiya一笑美茶樓」があるのは、赤坂駅から徒歩で約4分。多くの人が行き交うビジネス街の中心でありながら、喧騒を離れた路地裏。

石畳のアプローチを進み、店内へ。元料亭だった一軒家を生かした空間は上質で、大人がゆったりと寛げる雰囲気。
随所に飾られている美術品や茶器は、脇屋シェフが世界中を巡りながら集めたもので、なかには貴重な骨董品なども含まれているのだとか。

陽光が差し込むガーデンテラス(写真下)のほか、1階メインダイニングや、2、3階には個室も用意されています。

中国アフタヌーンティーを実食!点心、中華粥、杏仁豆腐など中国料理の本格料理とかわいらしいスイーツ

点心師が作る珠玉の「点心」は、できたてをほおばりたい

脇屋シェフが手がけるのは、「食養薬膳」をテーマに、旬の食材をふんだんに使った体に優しいメニュー。アフタヌーンティーも、訪れる人の笑顔を思い浮かべながら1つひとつ手がけているそう。

はじめに運ばれたのは「蒸し立て熱々の点心3種」。せいろの蓋を開けた途端、ふわっと熱い湯気に包まれます。
点心師と呼ばれる職人が作る点心の内容は季節によって変動。この日は「青梗菜の蒸し餃子」、「エビの小籠焼売」、「にらとエビの蒸し餃子」の3種でした。

しっかり味付けがされているので、そのままパクっとひと口でいただきます。むっちりとした皮に包まれた青梗菜やエビの食感、ニラの香りが広がり、幸せな気持ちに。小籠焼売の中には、熱々の肉汁が詰まっているので、やけどしないようにご注意を。

食材のおいしさを引き出した、色とりどりの前菜と「中華粥」に舌鼓

続いて運ばれた「金芽米の炊き立て粥」は、脇屋シェフがぜひ食べてほしいという1品です。通常の白米よりも栄養価が高いとされる金芽米と、四季折々の食材が使われているのが大きな特徴。この日はまだ2月の寒い時期だったので、体が温まるよう、ニラやショウガが使われていました。
お粥そのものにはほとんど味を付けていないといいますが、野菜のうま味が引き出され、滋味深い味わい。体の芯からぽかぽか、幸せな気持ちになります。

お粥と一緒に提供される、前菜が盛り合わせられたプレートも豪華です。
じっくり漬け込んでから丁寧に焼きあげる「自家製チャーシュー」や、一つひとつ湯むきしたミニトマトと白菜の甘酢漬けを合わせた「トマトのマリネ」、ほどよい辛みが後を引く「レンコンのピリ辛炒め」など、多彩な前菜は、五味(甘味、苦味、酸味、塩味、うま味)の調和を考えながら組み合わせているそう。

まるで生のマンゴーをそのまま食べているような「マンゴープリン」!

「マンゴープリン」はレストランでも人気が高いデザートのひとつ。
かつて脇屋シェフが香港で食べたマンゴープリンの味に惚れ込み、何度もアプローチした末、ようやく教わったレシピで作られているのだそう。

手作業でていねいに取り出したマンゴーの果肉は、あえて粗くつぶすことで、マンゴーをそのまま食べているようなフレッシュさが味わえます。脇屋シェフによると、マンゴーには胃腸を整える効能があるといわれているのだとか。

つるん&とろ~り、2つの食感が楽しめる「W杏仁」

こちらは、中国料理のデザートには欠かせない「杏仁豆腐」。
原材料の杏仁霜(きょうにんそう)には、肺を潤し、咳止めなどにも使われている薬膳素材のひとつ。「Wakiya一笑美茶樓」ではあんずの種から手づくりしています。

グラスのなかには、寒天で固めた「スルスル杏仁」と、ゼラチンや生クリームを合わせた「とろとろ杏仁」が層になっていて、2つの食感が楽しめます。どちらものど越しがよく、広がる杏仁の香りにうっとり。

心も体も満たされる、多彩なひと口サイズのスイーツたち

デザートスタンドには「マンゴープリン」や「杏仁豆腐」以外にもたくさんのスイーツがずらり。
中から体を温める「姜湯(ショウガの白玉入り甘いスープ)」や「生姜プリン」、豆乳を使った「チーズケーキ」、すりおろしたりんごをたっぷり使った「林檎プリン」のほか、旧正月に合わせてへびをかたどったキュートな「蓮の実あん団子」も!
どれも優しい甘さに仕上げられていて、するんと体の中に入っていきます。

バレンタインシーズンだったこともあり、ひと口サイズの生チョコと、春の訪れを感じさせるいちごも添えられていました。

※季節によって、メニューの内容は変わります

中国茶は厳選された種類のみを提供。驚きの中国茶×ミルクティーも

厳選された中国茶は全部で9種類。注目の人気No.1は?

アフタヌーンティーでは、「茉莉花茶(ジャスミン)」や「普洱茶(プーアル)」などストレートでいただくものから、キンモクセイで香りを付けた「桂花紅茶」といったフレーバーティーまで、全9種類の中国茶がフリーフローで楽しめます。「よかったら、スタッフから中国茶ならではのお作法を聞いてみてください。飲み方がわかれば、さらに中国茶が楽しくなると思いますよ」と脇屋シェフ。

なかでも人気No.1は脇屋シェフお気に入りの中国茶でもある「凍頂烏龍茶」。マスカットのような爽やかな香りが広がります。ホットの場合は蓋碗(がいわん)と呼ばれる茶器で提供されますが、正しい飲み方は、蓋を少しずらし、茶葉が口に入らないよう、隙間から飲むのが正しい飲み方だそう。

冷たい中国茶のいちばん人気は、驚きの二層ミルクティー!

アイスのいちばん人気は、濃く抽出したジャスミンティーにほんのり甘みを付け、ミルクをたっぷり注いだ「アイスジャスミンミルクティー」! なんと2層で登場するので、よく驚かれるのだとか。ジャスミンの香りがしっかりと感じられ、優しい甘みに癒されるミルクティーです。すっきりとした味わいがお好みなら、みずみずしいライチジュースと烏龍茶を合わせた「烏龍茶×ライチジュース」もおすすめ。

本格的な中国料理のアフタヌーンティーを楽しみながら、中国茶の世界に浸るのは新しい体験になること間違いなし。体に優しいものが使われているので、冬の体を労わりたい方にもぴったりです。
ぜひ、一度「Wakiya一笑美茶樓」に訪れて、中国料理や中国茶を楽しんでみてください。

OZで予約可能。Wakiya一笑美茶樓の「Chinese Afternoon Tea」

イベントDATA

イベント名
Chinese Afternoon Tea
開催場所
Wakiya一笑美茶樓
開催日程
通年
開催時間
11:30~14:00(14:00LO)
※ランチタイム限定
フード内容
・蒸し立て熱々の点心3種
・中華粥(4種のトッピング付)
・フレッシュマンゴーたっぷりのプリン
・とろとろスルスルW杏仁豆腐
・焼き菓子8種
ドリンク内容
・9種類の中国茶フリーフロー
料金
大人4800円
※税金・サービス料込
ホームページ
公式サイト

スポットDATA

スポット名
Wakiya一笑美茶樓
電話番号
0355748861 0355748861
住所
東京都港区赤坂6丁目11-10
営業時間
11:30~14:00(14:00LO)、17:30~21:00(20:00LO)
交通アクセス
赤坂駅7番出口より徒歩4分
ホームページ
公式サイト

高級ホテルや人気カフェも。OZのアフタヌーンティー特集

非日常の時間・空間の中で優雅にティータイムを過ごせることから、人気の高いアフタヌーンティー。東京都内や横浜、名古屋、大阪の憧れホテルのアフタヌーンティーはもちろん、人気カフェやレストランまで、その舞台はさまざま。相手やシーンに合わせて選べるのも魅力。季節に合わせて変わるティーフードとともに、素敵な時間をどうぞ。

WRITING/MINORI KASAI PHOTO/NORIKO YONEYAMA

※記事は2025年2月22日(土)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります