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紅茶を茶葉からおいしく淹れる方法を、英国紅茶に詳しい藤枝理子さんがレクチャー! 一流ホテルのサービスやアフタヌーンティーを体験すると改めて感じるのが、プロが淹れる紅茶のおいしさや奥深さ。家でも味わいたいけれど、難しそうだと感じている人も多いのでは? しかし、ポイントを押さえれば、おいしい1杯をいただくことが可能。上手に入れられるようになったら、自宅でスイーツを広げながら楽しんでみて。
【教えてくれた人】紅茶・アフタヌーンティー研究家 藤枝理子さん
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英国紅茶&マナー、アフタヌーンティー研究家。就職、結婚ののち、紅茶好きが高じてイギリスへ留学。帰国後は東京初のサロン形式の紅茶教室「エルミタージュ」を主宰し、予約の取れない人気サロンとして話題に。また、テレビや新聞、雑誌、書籍などを通し、“暮らしを楽しむ生活芸術”であるアフタヌーンティーの魅力を発信。現在は、大学での講演や企業コンサルタントとしても活躍する。
Instagram:@rico_fujieda
Twitter:@FujiedaRico
ブログ:Rico’s Tea Room
著書:『マンガで早わかり!アフタヌーンティー 正式なマナーとちょっぴりエレガンスが身につく』(2023年)、『仕事と人生に効く 教養としての紅茶』(2022年)、『英国式アフタヌーンティーの世界 国内のティープレイスを訪ねて探る、淑女紳士の優雅な習慣 五感で愉しむ生活芸術』(2021年)ほか多数
紅茶を淹れるのに必要な道具
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・ティーポット
・ティーマット
・ティーコゼー(ティーポットカバー)
・ティーストレーナー(茶こし)
・ティーメジャースプーン、もしくはティースプーン
・ティータイマー(砂時計)
・ケトル(やかん)
・ティーカップ
POINT/紅茶の入れ方の“英国式ゴールデンルール”とは?
今回レクチャーする紅茶の入れ方は、イギリスでアフタヌーンティーが誕生したビクトリア時代(19世紀頃)に提唱されたという“英国式ゴールデンルール”をベースにしている。良質な茶葉を使う、ティーポットを温める、茶葉の分量を正確に計る、新鮮な沸騰したてのお湯を使う、茶葉をじっくり蒸らす、という5つのポイントを基本に、日本の軟水に合わせた入れ方をご紹介。
1. ティーポットを温める
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ティーポットの1/3くらいまでお湯を入れて、温める。この時、底から熱が逃げないように、ティーポットの下にはティーマットを置いておく。ティーポット全体がしっかりと温まったらお湯を捨てる。
2. 茶葉を量り入れる
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茶葉はティーメジャースプーンに1さじ(約3g)で、紅茶1杯分。杯数分を温めたポットに入れる。茶葉は密閉できる容器に入れて、冷暗所で保存すると良い。冷蔵庫に入れると他の食品の香りが移ってしまうことがあるので、入れないのがベター。
POINT/“ポットのための1杯”は必要?
本場イギリスでは“ポットのための1杯”と称して、ティーカップの杯数分にプラス1さじ分の茶葉が適量とされる。それは、イギリスの硬水の水道水では味や香りが出にくかったことが理由だそう。日本の水道水は軟水で、紅茶に適しているので、ポットのための1杯は入れなくてOK。
3. お湯を沸かす
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水道水を勢いよく出し、酸素をたくさん含んだ状態にしてやかんや鍋に入れて火にかける。500円玉くらいの大きさの泡がボコボコと発生するまで沸かす。酸素が抜けている汲み置きの水やミネラルウォーターは使わず、水道から汲みたての水を使うのがポイント。
4. お湯をティーポットに注ぎ入れる
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茶葉を入れたティーポットに、カップ1杯分に対し180mlの沸かしたお湯を勢いよく注ぎ入れる。新鮮な酸素を含むお湯を沸騰させることで対流が起こり、茶葉がティーポットの中で上下運動を始める。このことを「ジャンピング」と呼び、おいしい紅茶の秘訣とされる。
5.蓋をして蒸らす
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しっかりとジャンピングしていることを確認したら、ポットの蓋を閉め、ティーコゼーをかぶせて、3分間蒸らす。この間に、茶葉ごとの香りや旨味などが抽出される。大きな茶葉を使う場合は、開くまでに時間がかかるので、蒸らす時間を1~2分追加して。
6.ティーカップに注ぐ
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ティーストレーナーを通し茶葉をこしながら、紅茶を注ぐ。1杯分なら直接ティーカップへ、それ以上ならもう一つティーポットを用意してそちらへ。最後の一滴の“ゴールデンドロップ”まで注ぎきると、よりおいしい1杯になる。
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今や大人気のアフタヌーンティーは、元々しっかりとしたマナーがある上流階級の文化。アフタヌーンティーの歴史を紐解きながら、基本的なマナーをご紹介。とっておきのおしゃれをして出かける前に、学んでおこう。
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非日常の時間・空間の中で優雅にティータイムを過ごせることから、人気の高いアフタヌーンティー。東京都内や横浜、名古屋、大阪の憧れホテルのアフタヌーンティーはもちろん、人気カフェやレストランまで、その舞台はさまざま。相手やシーンに合わせて選べるのも魅力。季節に合わせて変わるティーフードとともに、素敵な時間をどうぞ。
PHOTO/MANABU SANO、WRITING/MARIA KAWASHIMA