冬の心と体、温めてる? 今すぐ食べたい、薬膳メニュー5選

今すぐ食べたい! 冬のココロと体を温める、薬膳メニュー5選

更新日:2023/01/19

寒さや乾燥が気になるこの時期は、忙しさから疲れた体や、ご馳走で疲れた胃も労りたいもの。そんな新年の体を整えるために、選びたいのが「薬膳」。中国古来の“薬食同源”の考え方を礎に、旬食材などを体の状態に合わせて取り入れる美味しい食事のことで、心身を健康に導いてくれるもの。最近は専門店だけでなく、薬膳を取り入れた料理を扱うレストランも増加中。専門家である坂井美穂さんのお話を参考に、ぜひ味わってみて。

写真/薬膳レストラン 10ZEN 青山店(東京都・表参道駅/中華料理、火鍋)168点心飲茶&薬膳鍋 渋谷ヒカリエ店(東京都・渋谷駅/中華料理、火鍋)

【専門家プロフィール】坂井美穂さん(国際中医学薬膳師)

坂井さんプロフィールPH

今回お話を伺った坂井美穂さんは、国際中医薬膳師の資格を持ち、「フレンチ薬膳」を主宰する薬膳のスペシャリスト。薬膳を通し、体の内からあふれる美しさや健康を追求しており、料理教室やレストランコンサル、レシピ提供、商品開発など活動は多岐にわたる。また、薬膳資格の取得サポートや「フレンチ薬膳講師」の育成にも尽力。さらに、『血めぐり薬膳』(A&F出版)、『“きれい”に効く インナークレンジング食事術』(A&F出版)などの著書でも、薬膳の考えや気軽に取り入れる方法などを紹介している。

冬の体ってどんな状態?

生命力を蓄えるために大切な冬。体にも食材にも、少し意識を向けてみよう。写真/China Dining 羽龍

「冷えや乾燥などが気になる季節。
生命力を蓄える充電期間でもあります」

寒さが厳しく空気が乾いている冬は、風邪などの感染症にかかりやすいだけでなく、慢性的な疲れを感じることも。冬の私たちの体は、どのような状態なのだろう?

「寒く乾燥している冬は、体も冷えやすく、乾燥しています。また、寒さから体が縮こまるとめぐりが悪くなり、老廃物が溜まることも。肩こりなどが気になる人も多いですよね。中医学の考えでは、冬は、春から夏にかけて活発に動き、消耗した体を修復する季節です。ここで生命力をしっかり蓄えることで、冬から春へと切り替わる季節にきちんと適応できます。そこで冬の内に大切にしたいのが、“腎”の動きです」(坂井さん)。

体を支える熱や水の根源であり、生命力を蓄えるために重要な器官。そのため、腎を強めることは、冬に失われがちな熱や水分を温存することにつながるそう。

冬の体におすすめなのはどんな食材?料理?

温かい食材と料理で、冬に弱りやすい腎の力を補って。写真/焼肉・薬膳 雑草家 

「生命力の要“腎”にアプローチする食材を
暖かい料理でいただくのがおすすめ」

「薬膳は、中医学の理論に基づき、免疫力を高めてくれる料理で、体のポテンシャルを引き出してくれます。体へのアプローチの仕方はとてもシンプルで、“いらないものを捨てる”、“足りないものを補う”、そして“バランスを整える”の3つ。そのため、冬は消耗した腎に力を補う食材が必要です。おすすめは、ナッツ類なら栗やクルミ、黒ゴマ。きのこはマッシュルームやしいたけ、肉は鶏、羊、鹿などの骨付きが特に良いです。エビやタイなどの魚介類も腎機能を高めてくれます。温かい料理でいただくのが良いでしょう」(坂井さん)

坂井さんによると、同じく腎を強める食材でも働きがそれぞれ異なるとのこと。例えば、シナモンや八角は体を温めるパワーが強いため、更年期やストレスなどによって熱に傾いている人は、ほどほどに。ぶどうやスッポンなどの潤いを補いながら腎を強める食材がおすすめなのだそう。その時々の自分の体調と合うものを選ぶことも大切にしたい。

少し難しそうな薬膳。どんな風に食べれば良い?

自分の体調に合った薬膳酒を揃えるお店も。気軽に相談してみて。写真/薬膳レストラン 10ZEN 青山店

「何よりも楽しく食べることが大切。
病気になりにくい揺らがない体になれます」

食材の力によって体質の偏りが整えられる薬膳。病気を治癒するものではないものの、病気になりにくい体を作ることから、“未病”への対策としても注目されているという。

「薬膳は、病気の根本的な原因となる体質の偏りを整えてくれます。体は、これまでに食べたものでできているので、未来の体はこれから食べる食事がつくります。そのため、普段から体のバランスを整えておけば、何かあっても体調に変化のない、揺らぎにくい体になると考えられるんです。大切なのは楽しく食べること。求める効果を意識しながら五感を使えるとより良いです。まずは、薬膳料理のお店で、体の様子に合わせた料理や求める効果にぴったりな食材を店員さんに聞いてみるといいですね」(坂井さん)

冬の体調はもちろん、春の準備にも重要な腎の動きを整えたりできる薬膳。まずは気軽に、薬膳料理のお店で体験するのはいかが? 以下でご紹介するOZmallおすすめの5軒をぜひチェックしてみて。

【OZmallおすすめ】冬にうれしい薬膳メニューのお店5選

【火鍋】CINA New Modern Chinese

五感で楽しめる美しく、独創的な料理が自慢の中華料理店。健康や美を意識した料理の中でも特におすすめなのが、試行錯誤し誕生した「麻辣」と「白湯」の2つのスープでいただく「滋味薬膳火鍋」。大山地鶏や匠味豚などの厳選食材を使用しており、その美味しさは折り紙付き。また、体に潤いを与える白キクラゲや体を温めてアンチエイジングが期待できるマッシュルームなど、きのこが12種も入っているのが嬉しい。

「麻辣は体を温め、きのこは免疫力をアップしてくれる食材なので、風邪をひきやすい季節にぴったりですね。本来、冬は体を休ませてエネルギーを貯める季節。軽い発汗は気血のめぐりが良くなりますが、辛いものの食べすぎやサウナなどで日常的に大汗を描いていると、蓄えている生命エネルギーまで放出してしまうことも。”ほどほど”が大切です」(坂井さん)

西洋と東洋をミックスしたモダンテイスト店内は大人の雰囲気があふれているから、女子会はもちろん、大切な人とのデートにもおすすめ。まだまだ続く冬の寒さを火鍋のパワーで吹き飛ばそう。

■薬膳メニュー詳細

【ディナー★滋味薬膳火鍋コース】乾杯スパークリング付き!美と健康も意識した、季節のビーフンや春巻きに薬膳火鍋など全6皿
価格:7480円(税・サ込)

店舗住所:東京都渋谷区恵比寿駅南1-17-17
付近の駅:恵比寿駅

【鍋・スープ】薬膳レストラン 10ZEN 青山店

「薬膳鍋は、自分の体の状態や求める効果によって食材やスープをチョイスして楽しめるのが魅力です。まずは、自分の体の状態と向き合って、それからお鍋の種類を選びたいですね」(坂井さん)

それが叶うのが、全国展開する漢方の相談局「薬日本堂」が監修する「薬膳レストラン10ZEN青山店」。漢方の理論に基づいた料理の数々が自慢のこちらは、デトックスや滋養強壮などの求める効果や体調、気分によってスープがチョイス薬膳鍋が揃う。自分の体の状態がわからなくても、チェックシートで確認することもできるから、薬膳に詳しくなくても安心。特に人気があるのは「美肌セット」で、疲労回復や潤いの効果が期待できる薬膳牛のテールスープと、乾燥や冷えの改善を促す薬膳鶏白湯スープの2種が楽しめる。乾燥しがちな冬の女子会に、ぜひ堪能してみて。

薬膳メニュー詳細

【美肌セット★2980円】潤いが欲しい、ツヤ肌になりたい方に!牛テールスープと鶏白湯の身体が喜ぶ2種の薬膳鍋を楽しむセット
価格:2980円(税・サ込)

店舗住所:東京都渋谷区南青山5-10-19青山東洋ビルB1F
付近の駅:表参道駅

【コース】China Dining 羽龍

白と木材を基調とした空間がモダンな「China Dining 羽龍」は、伝統的な技法に、和や洋の食材など、新しいエッセンスを加えた繊細で華やかな創作中華が楽しめるお店。彩り豊かで美しい料理を一皿ずつじっくりと堪能するなら、コースがおすすめ。中でもこちらの薬膳ランチはデザート以外の全7皿が薬膳で、「牛肉とナツメの煮込み」は冬に意識していただきたい逸品。牛肉とナツメはともに消化機能を高めて血や気を補う食材なので、腎を労わるのにもふさわしい。また、気を巡らせるジャスミンや余分な水分をとるウーロン茶などの中国茶も飲み放題。

「薬膳コースは、さまざまな薬膳の効能を知ったり味わうのにぴったり。薬膳はあくまでも中医学に基づいた美味しい食事だと知ってもらうのに、初めて薬膳を楽しむ人にも良いでしょう」(坂井さん)

■薬膳メニュー詳細

【薬膳ランチ★3240円→3000円】土曜日限定で中国茶飲み放題付き!お食事の全皿薬膳を使ったランチコース
価格:3000円

店舗住所:東京都中央区銀座7-15-5共同ビルB1F
付近の駅:築地市場駅、東銀座駅

【焼肉】焼肉・薬膳 雑草家

薬膳の持つパワーを存分に感じるなら、漢方飼料を食べて育った漢方和牛と三元豚が楽しめる焼き肉はいかが? 漢方飼料を食べて丈夫で健康に育った牛や豚は、肉本来の美味しさがあるだけでなく、人の体にとってもヘルシーで優しいのが特徴。そんな極上のお肉が味わえるのが、老舗肉問屋が直営する「焼肉・薬膳 雑草屋」。

「漢方を取り入れた飼料は、牛や豚を健やかに育て、特別なお肉に仕上げています。他の薬膳料理とともに楽しんで、薬膳の世界に触れてほしいですね」(坂井さん)

こちらは、薬膳焼肉をメインに、韓国料理をベースとした薬膳が楽しめるお店。専門家が監修した薬膳鍋や季節ごとの薬膳茶、薬酒など多彩な薬膳がラインナップする。また、薬膳コンシェルジュが体の悩みに合わせてメニューをおすすめしてくれるのも嬉しいポイント。

■薬膳メニュー詳細

【薬膳本格焼肉★ディナー】ヘルシーな定番サイドメニュー&宮城県関村牧場直送の厳選漢方牛肉など特選コース全8皿
価格:9800円(税・サ別)

店舗住所:東京都港区南青山4-1-15アルティカ・ベルテ・プラザB1F
付近の駅:外苑前駅

【お茶】168点心飲茶&薬膳鍋 渋谷ヒカリエ店

「食材が持つパワーを知っていれば、毎日の食事に簡単に取り入れられる薬膳ですが、特に生活に取り入れやすいのがお茶です。薬膳に馴染みがない人は、まずお茶から薬膳の力を感じてみるのがおすすめです」(坂井さん)

薬膳初心者にぴったりな薬膳茶をじっくり、たっぷりと堪能するのにぴったりなのが、お茶が飲み放題の中華アフタヌーンティー。「168点心飲茶&薬膳鍋 渋谷ヒカリエ店」は、エッグタルトや胡麻団子などの中華スイーツが楽しめるアフタヌーンティーセットをご用意。飲み放題のオーガニックティーは薬膳茶も揃っており、タンポポとごぼうの根などをブレンドしたデトックス、しょうがやレモングラスを使ったバランスの良い一杯などをラインナップ。いつもと一味違うティータイムは、デートやヌン活仲間と楽しむだけでなく、おひとり様でリラックスした時を過ごすのにも良いかも。

■薬膳メニュー詳細

【乾杯スパークリング付き】渋谷ヒカリエでカジュアルに!中華アフタヌーンティー×オーガニックティーをお好きな様に
価格:5000円(税・サ込)

店舗住所:東京都渋谷区フブや2-21-1渋谷ヒカリエ6F
付近の駅:渋谷駅

【特集】体を温め、めぐり良く。冬の薬膳メニュー5

「最近、手足の冷えが気になる」「イベント続きで疲れてる」など、冬は誰しもが小さな不調を抱えがちな季節。そこで提案したいのが、おいしく食べることで心身を健やかにする、中医学の理論に基づいた料理“薬膳”。一見難しそうなものの、専門店も増えているので、気軽にチャレンジできそう。今回は女子会やデートにリザーブしたいお店をラインナップ。おいしく食べて楽しみながら、心と体が芯から温まり、うるおうのを感じよう。

WRITING/MARIA KAWASHIMA

※記事は2023年1月19日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります