【美容師監修】髪の毛の傷みを治したい!原因やセルフケア法、予防法を徹底解説

【美容師監修】髪の毛の傷みを治したい!原因やセルフケア法、予防法を徹底解説

髪は見た目の印象を左右するポイントのひとつ。髪がパサついているだけで年齢より老けて見えてしまうことも。そこで、髪がパサパサに傷む原因やセルフケア法、予防法などを、原宿にある人気ヘアサロン「sherbets」の現役美容師・海野さんに聞きました。しっかりケアして美髪をかなえよう。

更新日:2020/11/05

髪の傷みとは?

傷んだパサパサ髪の状態

髪の傷みは、なんらかの原因で毛髪の外側を覆っているウロコ状のキューティクルが剥がれたり、開いたりしてしまい、毛髪内部にある髪本来の保湿成分や油分が失われて髪の内側から乾燥している状態。
キューティクルのダメージパターンは「リフトアップ型」と「崩壊型」があり、リフトアップ型は、健康的な髪のキューティクルがめくれ上がってしまった状態で、パーマやカラーを繰り返している人に多いのが特徴。崩壊型は、キューティクルが部分的に壊れてしまった状態で、パサつきやツヤの低下、うねりなどが出やすくなり、40代以降のエイジングヘアに多い。

傷んだパサパサ髪になる原因

■シャンプーの仕方
髪が完全に濡れきっていない状態でのシャンプーは絶対にNG。シャンプーの泡立ちが悪くなり、濡れている髪と乾いた髪がこすれて余計な摩擦が発生し、髪を傷める原因に。髪は十分に濡らして、シャンプーをつける前にお湯で汚れを落とす“予洗い”が大切。その後にシャンプーを使用した本洗いを始めよう。

■髪の自然乾燥
濡れた髪はキューティクルが開いたままになっているため、髪内部にある水分がじわじわと蒸発し、髪が乾燥してしまうことに。シャンプー後はドライヤーで素早く髪を乾かすことが大切。

■ドライヤー・アイロン・コテなどの熱
熱は髪を乾かしたり、柔らかくしてヘアセットを助ける働きがある一方で、上手に使用しないと傷みの原因に。アイロンやコテは、140~160℃に設定してなるべく低温で使用しよう。熱を加える前にオイルなどのアウトバストリートメントを塗布しておくとダメージを軽減できる。ドライヤーは高温を避け、たっぷりの風量で乾かして。

■ヘアカラー・ブリーチ・パーマ・縮毛矯正
パーマ液やカラー剤には、髪の内部に浸透してケラチン繊維を破壊する性質があり、繰り返すとキューティクルは徐々にダメージをため込み、最終的に剥がれてパサパサの髪に。ヘアカラーの頻度は2~3カ月に1回程度にとどめておこう。伸びてきた部分を染めるリタッチカラーを月1回程度行うのもおすすめ。縮毛矯正は特にダメージが大きい施術なので、美容師に相談しながら、髪の状態に合わせて頻度やタイミングを決めよう。

■紫外線
髪は紫外線を受けると、乾燥してパサつきやごわつきが発生するだけでなく、ヘアカラーの色あせに繋がることも。そのため、髪の紫外線ケアも大切。最近では、髪専用の日焼け止めがスタンダードになりつつあり、ヘアスタイルをキープできるスタイリング剤兼UVスプレーも多い。2~3時間おきにつけなおして、髪を紫外線から守ろう。

■加齢
加齢は活力の低下を招くため、髪にも影響が。髪の主成分であるタンパク質は、アミノ酸などさまざまな栄養分が合成して作られている。しかし、加齢が進むと栄養の吸収力が落ち、髪の原料を十分に確保しにくい状態に。保水力も落ちていき、髪がパサつきやすくなるため、エイジングケアを意識したヘアケアが必要。

傷んだ髪への対策

傷んだ髪をカットする

一度傷んだ髪は元には戻らないため、ダメージがある部分をカットすることがいちばん手っ取り早い方法。傷んだ毛先をセルフカットでメンテナンスする際は、切れ味のよいハサミを使い、髪を濡らしてから切るようにしよう。
傷んでいる髪が多い場合は、セルフカットだと切りむらになりやすいため要注意。切り方が悪いと切ったところから乾燥して再び傷んでしまうこともあるため、ヘアサロンでのメンテナンスカットがおすすめ。

ヘアサロンでトリートメントする

トリートメントは、タンパク質や潤い成分を髪に補給して内部補修をしたり、傷んでアルカリ性に傾いた髪を本来あるべき弱酸性の状態に戻すことを目的としている。トリートメントはたくさんの種類があるため、美容師に相談しながら、髪質や髪の状態に合うトリートメントを選ぼう。

髪を傷ませないようにする予防法

ブラッシングの仕方を見直す

ブラッシングは根もとからではなく、毛先から丁寧にとかしていくのがポイント。毛先は絡まりやすいため、力にまかせて引っ張ると切れ毛や枝毛の原因に。毛先の絡まりやほつれを滑らかにしてからブラッシングすることを習慣にしよう。

シャンプーの仕方を見直す

シャンプーは、髪をしっかり濡らして予洗いをすることからスタート。髪が絡まりやすい人やロングヘアの場合は、シャンプーの前に丁寧にとかしておこう。シャンプーのお湯の温度は36~38℃くらいが適温。

【STEP】
1、髪の毛全体をむらなく濡らし、たっぷりのお湯で予洗いをする
2、シャンプー剤をしっかりと泡立ててから頭に乗せ、頭皮をマッサージするように洗う
3、シャンプーをよく洗い流す
4、トリートメントまたはコンディショナーを、頭皮を避けて塗布し、流し残しのないようにしっかりと洗い流す
5、ドライヤーを中温・風量最大に設定し、髪の内側から外側に向かってしっかりと乾かす

ドライヤー・コテ・アイロンの使い方を見直す

コテやアイロンは、140~160℃ぐらいで使用するのが理想的。ドライヤーは中温程度に設定し、たっぷりの風量で乾かすようにしよう。トリートメント剤のなかには、熱のダメージから髪を守ってくれるタイプのものもあるため、選ぶ際に注目してみて。

ヘアケアアイテムでセルフケアをする

洗い流すトリートメントや、アウトバストリートメントなど、ドライヤーによる熱や乾燥、摩擦など、髪にとっての外敵ストレスから髪を守ってくれるヘアケアアイテムを使用しよう。なかでも、保湿効果が高い天然の植物性オイルを配合したヘアオイルがおすすめ。お風呂あがりの濡れた髪に、適量のヘアオイルを両手でなじませてからつけるのがコツ。傷みやすい毛先や髪の内側につけよう。

髪の日焼け止めを使う

髪の日焼けは、乾燥、枝毛、褪色、抜け毛など、さまざまなトラブルにつながっているため、髪の紫外線ケアは必須。長時間屋外で過ごす日や紫外線が強い日に髪の日焼け止めを使うだけでも、キューティクルのダメージを防ぐのに効果的。
頭皮も日焼けしてダメージを受けると血流が悪くなり、頭皮が乾燥状態になって抜け毛などの原因に。帽子や日傘のほか、分け目を定期的に変えたりして1カ所に紫外線を集中させないことも大切。

ダメージレスなカラー剤・パーマ剤を選ぶ

ダメージを抑えたカラー剤やパーマ剤は、ここ数年で幅広くラインナップ。髪質や髪の状態によって相性もあり、どのブランドのどの製品がいちばんかというのは甲乙がつけ難いため、薬剤の種類を多数そろえているヘアサロンで相談しながら、いまの髪にベストマッチする薬剤を選んで。
また、ホームカラーをする際はカラー剤を慎重に選ぶことが大切。セルフカラー用の薬剤は染めやすいようにアルカリ剤を多く含んでいる場合が多いため、「毛先には薬剤を付けない」「白髪染めは気になる部分だけにする」「よくすすぐ」「時間を置き過ぎない」などを注意して使用しよう。髪質や髪の状態は1人ひとり違うので、できればサロンでのカラーリングがおすすめ。

傷んだ髪のQ&A

チリチリにひどく傷んだ髪は治りますか?

一度チリチリに傷んでしまった髪は完全には治せません。傷んだ部分はカットして、トリートメントや毛先カットでメンテナンスをしながら健康な髪の毛を育てていきましょう。

傷みにくい縮毛矯正はありますか?

縮毛矯正は、何度も薬剤を重ねるとさらにダメージが強く出てしまうため、縮毛矯正のリタッチがおすすめ。リタッチなら、髪全体に縮毛矯正をかけなおすよりもダメージの範囲を小さくすることができます。施術後のトリートメントケアも大切です。

教えてくれたのは「sherbets」海野さん

OZmallアワード2020で口コミ・予約数・人気スタイリストランキングを受賞した実力派プライベートサロン。頭皮や髪にやさしいAVEDAカラーをはじめ、リピーター大絶賛の丁寧なシャンプーは極上の時間をもたらしてくれる。

「髪が傷んでパサつくというお悩みは、ほとんどのお客様が持つお悩みのひとつだと思います。ご自身でできるヘアケア方法もたくさんありますし、サロンでもお手伝いしますので、ぜひ試してみてください。」(海野さん)

WRITING/ATSUKO HABU

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※記事は2020年11月5日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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