くせ毛を直したい!原因や予防法、おすすめヘアスタイルを徹底解説【美容師監修】
くせ毛はうねったり広がったりと扱いづらく、ヘアセットが大変。そこで、くせ毛の原因や予防法、くせ毛を活かしたおすすめヘアスタイルなどを、表参道にある人気ヘアサロン「EIZO」の現役美容師・松下さんに聞きました。頑固なくせ毛で悩んでいる人はぜひチェックして。
更新日:2021/06/11
目次
1.くせ毛とは?
1-1.くせ毛(うねり)の状態・できる仕組み
1-2.くせ毛の種類
1-3.くせ毛の原因
2.くせ毛をストレートにする方法
2-1.縮毛矯正
2-2.ストレートパーマ
3.くせ毛を扱いやすくする方法
3-1.スタイリング
3-2. ヘアサロンの髪質改善トリートメント
4.レングス別!くせ毛を活かしたおすすめヘアスタイル
4-1.ショート
4-2.ボブ
4-3.ミディアム
4-4.ロング
5.くせ毛の予防法
5-1.生活習慣を整える
5-2.シャンプー、トリートメントを見直す
5-3.セルフ頭皮マッサージ
5-4.ヘアサロンでトリートメントを受ける
5-5.ヘアサロンでヘッドスパを受ける
6.くせ毛のQ&A
くせ毛とは?
くせ毛の状態・できる仕組み
髪の毛の構造は、中心部の「メデュラ」、中間層の「コルテックス」、髪の表面を覆っている「キューティクル」の大きく3層に分かれている。くせ毛とは、この中間層に含まれている2種類のコルテックスのバランスが偏り、髪の毛が変形している状態。くせの出方は、髪全体が広がったり部分的にボリュームが出たりするほか、前髪が浮いたり、襟足がハネやすいなど、さまざまある。
毛穴の形もくせ毛に関係しており、形がゆがんでいるとまっすぐに生えるはずの髪の毛が、くせを持って生えてしまうことも。この場合、縮毛矯正でストレートヘアにしても、新しく生えてくる髪の毛はくせを持っているため、徐々に髪全体がくせ毛に戻ってしまうことが多い。
くせ毛の種類
■波状毛
波状毛は日本人に最も多いタイプで、広がりやボリュームが出る、うねる、はねるといった状態のくせ毛。髪質とヘアスタイルの相性によってはくせをうまく活かせることができるため、担当の美容師に相談してみよう。
■捻転毛
捻転毛は、髪が縄のようにねじれている状態のくせ毛で、遺伝が原因であることが多い。切れ毛になりやすく、触ったときにザラつきを感じるのが特徴。傷みやすい髪質で薬剤のコントロールが難しいため、縮毛矯正がキレイに仕上がらないことがある。
■縮毛
縮毛は、細かく縮れ、乾燥してゴワゴワしたように見えるくせ毛。このくせ毛タイプに該当する人はかなり少数。ストレートにしたい場合は、ストレートパーマではなく縮毛矯正がおすすめ。
■連球毛
連球毛は、傷んでいなくてもザラザラしていてツヤが出にくい髪質を持つ。髪全体が連球毛であることはほとんどなく、部分的に混ざっていることが多い。薬剤のダメージを受けやすいため、縮毛矯正の際に連球毛だけが切れ毛になってしまう場合も。
くせ毛の原因
■遺伝
くせ毛は遺伝的要素がとても強く、優性遺伝(顕性遺伝)なので、両親や祖父母にくせ毛の人がいると高い確率でくせ毛になる。生活習慣や日々のヘアケアなどによって多少の変化はあるものの、髪質そのものが大きく変わることはないため、上手に付き合っていくことが大切。
■生活習慣の乱れ
ストレスや栄養不足、睡眠不足といった生活習慣の乱れは、髪の栄養不足や頭皮のゆがみなどに繋がり、くせ毛の要因のひとつ。突発性のくせ毛と特に関係が深い。
■ホルモンバランス
女性は加齢により、頭皮と毛根のパワーバランスが崩れて、部分的にくせが生じるケースがある。トップのボリョームがダウンするのは毛量の変化だけでなく、くせが原因という場合も。妊娠や出産を機にくせが出てくるのもホルモンバランスの影響。
■頭皮の乾燥ダメージ
肌と同様、頭皮にとっても乾燥は大敵。頭皮が乾燥すると、皮脂が過剰に生じて毛穴に皮脂汚れがつまり、髪の毛が曲がって生えてしまうことがある。きちんと洗っているのに頭皮がオイリーな人は、シャンプーの洗浄力が強すぎないかチェックしよう。髪そのものが極度の乾燥ダメージを受けるとうねることがあるため、紫外線などにも注意。
■頭皮のたるみ
年を重ねるにつれて、顔のたるみと同様に頭皮もたるむもの。毛根の生え方が変わり、まっすぐでなくなるため、特に頭頂部のあたりは髪が立ち上がらず、ボリュームが出づらくなる。襟足などに強い生えぐせが出てくることも多い。
くせ毛をストレートにする方法
縮毛矯正
縮毛矯正は、薬剤とアイロンの熱で髪の毛のタンパク質を変形させる技術。コルテックスの主成分であるタンパク質に働きかけ、細胞の配列を均一に整えてキープすることで、曲がった髪をストレートにする。
ただし、髪の太さにばらつきがある捻転毛タイプのくせ毛は効果を感じにくく、くせの見極めや薬剤の塗り分けがポイントに。縮毛矯正はハイパワーな分ダメージも強いため、髪質や髪の状態によっては髪が切れてしまうこともあり要注意。
ストレートパーマ
ストレートパーマは、もともとはパーマ戻しの技術で、厳密に言うとくせ毛を矯正する施術ではなく、パーマなどのウェーブを元に戻す程度のゆるやかな力でくせを補正する。縮毛矯正との大きな違いは熱を使わないこと。タンパク質を変性する化学変化を起こさないため、強いくせ毛をまっすぐにするのは難しい一方で、縮毛矯正よりもダメージは少なく、うねりを改善したり質感をよくすることができる。
くせ毛を扱いやすくする方法
スタイリング
■ドライヤー
くせ毛の場合、ストレートヘアに比べてドライヤーの工程は特に重要。正しく乾かせば、扱いやすくなったり、くせを活かしたスタイルを長くキープできる。乾かしすぎに気を付けながら、たっぷりの風量で丁寧に乾かそう。
【正しいドライヤーの仕方】
1、濡れた髪をタオルドライした後、毛先を中心にアウトバストリートメントをつける
2、髪の根もとから乾かす
3、根もとが乾いたら中間、毛先の順番で徐々に乾かしていく
4、手を使ってやさしく毛流れを整えながら乾き具合を確認し、乾かしすぎないように気をつける
■ブロー
ドライヤーでしっかりと髪を乾かした後は、ブローで仕上げ。ポイントは、ドライヤーの熱が伝わりすぎないようにすること。パサつきなど髪の傷みの原因になるため、保護ローションなどをつけておくと良い。
【正しいブローの仕方】
1、ヘアクリップなどで髪をブロッキングし、一度にブローする量を調節する
2、ドライヤーをブラシに当てながら、髪を少し引っ張るようなイメージで上から下へ温風を当てる
3、髪をまとめてブローし、髪のツヤやまとまりを出す
4、冷風を当てて髪をクールダウン。開いていたキューティクルを閉ざす
■アイロン
ヘアアイロンは、使いすぎると熱のダメージで髪が傷むのため注意が必要。ストレートアイロンは、くせが気になる部分のみに使用し、週に2~3回程度にとどめておくのがおすすめ。どうしても毎日使いたいヘビーユーザーは、ストレートアイロンを使う前にヘアオイルなどを使って、アイロンの温度を120℃くらいの低めに設定するなど工夫しよう。また、コテの使用は基本的に毛先のみに。自己流で髪を傷めてしまう前に、担当美容師によるアドバイスやレクチャーを参考にして。
ヘアサロンの髪質改善トリートメント
トリートメントによるアプローチは髪を傷ませずに整えられるのが魅力。くせをやわらかくする施術で、扱いやすい髪質に改善。くせの出方や髪質によって効果の実感は変わってくるけれど、トリートメントの効果が続きサラサラの髪をキープできることも。縮毛矯正などのストレート施術をしたことがあると受けられないため、必ず美容師に相談しよう。
レングス別!くせ毛を活かしたおすすめヘアスタイル
くせ毛×ショート
くせによる髪の広がりが気になる人は、ショートボブがおすすめ。こちらでは、ボリュームを調整しながらかわいらしいまとまるスタイルにカット。ハイトーンを使ったグラデーションカラーで髪に動きを出して、くせ毛をおしゃれに活かしている。
くせ毛×ボブ
髪にオイルをつけて乾かすだけの簡単なスタイリングで楽しめるボブスタイル。多少のうねりやくせであれば、シンプルなボブでも十分まとまりある髪型を実現できる。定期的にカットしてメンテナンスをしておくと、スタイリングが楽ちんに。
くせ毛×ミディアム
ワンカールパーマをかけることでくせを活かし、簡単なスタイリングで再現できるようにしたミディアムヘア。前髪を長めのヴェールバングにして全体のバランスをうまく取っているのがポイント。
くせ毛×ロング
全体的にレイヤーを入れたワンカールのロングヘア。スタイリングまでトータルで考えてカットすることで、パーマをかけたり巻いたりせずに自然な動きが出せる。直毛にはないくせ毛本来の魅力を最大限に引き出したスタイル。
くせ毛の予防法
生活習慣を整える
くせ毛に深く関係している栄養の偏りや睡眠不足。生活スタイルをいきなり変えるのは難しくても、できる範囲で栄養バランスのよい食事をとり、髪を作るアミノ酸を含む肉・魚・卵・大豆や、髪の成長に欠かせない鉄分・亜鉛を含む海藻やナッツ、魚介を積極的に摂取しよう。睡眠不足が続かないようにするのも大切。
シャンプーを見直す
洗浄力の強いシャンプーは必要な皮脂まで取り除いてしまうことがあるため、低刺激シャンプーやアミノ酸系シャンプーなど、マイルドなものがおすすめ。脂性肌の人や男性の場合は、逆に皮脂が残ってしまうこともあるため、自分で判断するのが難しいときは担当の美容師に相談してみよう。
セルフ頭皮マッサージ
頭皮をやわらかくほぐして血行をよくすると頭皮全体に栄養が行き渡り、頭皮と髪をすこやかな状態に導くことができる。毛穴に汚れが詰まりにくくなることで、髪の毛が曲がって生えるのを防ぐ効果も。ローションなどを使用する場合は、必ず頭皮用のものをセレクトしよう。最後にしっかりと乾かすこともお忘れなく。
【STEP】
1、シャンプーで頭皮の汚れをしっかりと落とす
2、育毛剤または頭皮マッサージ用のローションなどをつける
3、指の腹を使い、過度な力を入れすぎないように頭皮をマッサージする
4、ドライヤーで乾かす
ヘアサロンでトリートメントを受ける
一般的なサロンでのトリートメントは、くせ毛の予防というよりも、髪のダメージをケアしてキープさせる施術。そのため、トリートメントで髪がサラサラになると乾かすだけでツヤが出たり、髪がストンと降りてくることでうねりが気にならなくなったりもする。サロンでのスペシャルトリートメントなら、仕上がりも持続性も格段にアップ。
ヘアサロンでヘッドスパを受ける
毛穴にたまった汚れは髪の成長を妨げ、くせを悪化させてしまうことがあるため、定期的に頭皮を洗浄してメンテナンスすることも大切。ヘッドスパは頭皮の血行不良の改善や、頭皮にはたくさんのツボが集中しているため、ストレス解消やリフレッシュもできる。
くせ毛のQ&A
突然くせ毛になりますか?
遺伝的な要因が大きいものなので、突然くせ毛になることは基本的にはありません。ただし、ホルモンバランスや生活習慣の偏りにより、部分的なくせが出ることがあります。
前髪のくせ毛を直す方法はありますか?
くせが強い場合は縮毛矯正などでストレートにする必要がありますが、前髪のデザインを変えることで気にならなくなることもあります。悩みがあるときは担当の美容師さんに相談してみましょう。
くせ毛の人は、ショートカットは似合わないでしょうか?
くせ毛の人に似合うショートカットのスタイルはたくさんあります! くせ毛の状態は十人十色なので一概には言えませんが、うねりが気になる場合はショートボブ系、広がりやボリュームが気になる場合はショートのレイヤースタイルがおすすめです。
くせ毛におすすめなスタイリング剤を教えてください
くせ毛をうまく活かせるニュアンス系のオイルやシアバターのワックスがおすすめです。ナチュラルな仕上がりのものが使いやすいでしょう。
教えてくれたのは「EIZO」松下拓海さん
OZmallアワード2019・2020スタイリスト口コミ第1位を受賞した松下さんは、ヘアケアマイスター1級を取得した実力派スタイリスト。全国トップクラスの知識量を持ち、くせ毛や天然パーマ、うねりなど髪質を活かしたヘアスタイルの提案が得意。
WRITING/ATSUKO HABU