枝毛・切れ毛のない髪へ!原因や対策・予防法を徹底解説【美容師監修】
毎日ケアしているはずなのに見かける枝毛や切れ毛。枝毛・切れ毛が多いと、髪のまとまりが悪く、髪全体が不健康な印象に。そこで、枝毛・切れ毛ができる原因や対策、予防法を、代々木にある人気ヘアサロン「Gigi」の現役美容師・張さんに聞きました。
更新日:2020/11/19
枝毛・切れ毛とは?
枝毛・切れ毛の状態、できる仕組み
枝毛は、2本や3本などに枝分かれしている状態やカクっと折れている状態、縦に長く裂けて穴が開いている状態などさまざまある。切れ毛は半端な位置でプツっと切れた状態。枝毛は毛先で、切れ毛は根もとや中間でよく見られることが特徴。
枝毛・切れ毛は、ダメージや乾燥、摩擦などで髪表面のキューティクルが開き、髪内部のコルテックスが流出することで発生する。コルテックスには、すこやかな髪を保つためのさまざまな栄養分が含まれていて、なかでも「CMC」と呼ばれる接着剤のような役割の成分が流れ出ると、髪内部の保水力が低下して乾燥し、髪内部がスカスカになり、枝毛・切れ毛となってしまう。
枝毛・切れ毛の原因
■摩擦・静電気によるダメージ
濡れている髪はキューティクルが開いていてダメージを受けやすい状態。タオルでゴシゴシ拭いたり、髪が濡れたまま寝てしまうと、強く擦れてキューティクルが損傷し、枝毛・切れ毛の原因になる。また、乾燥しているときは静電気が起こりやすく、こちらもキューティクルを傷つける原因のひとつ。過度なブラッシングにも注意が必要。
■ドライヤー・コテ・アイロンによるダメージ
髪を毛先から乾かしてしまうと、オーバードライという“乾かし過ぎ”の状態になり、枝毛・切れ毛になりやすくなる。また、コテやアイロンを160℃以上の温度で使い続けている人は要注意。“たんぱく変性”という作用を起こし、髪が硬くなったり乾燥したりして枝毛・切れ毛の原因に。
■髪の自然乾燥によるダメージ
自然乾燥はそこまでダメージはないが、髪が乾ききっていないまま寝てしまうと、枕との摩擦の影響で枝毛・切れ毛になりやすくなる。また、寝癖が付きやすくなり、ドライヤーやコテなどを使う機会が増えてしまうのも悪影響。
■ヘアカラーやパーマによるダメージ
カラーやパーマの施術後2週間は髪がアルカリ性に傾いていて、刺激に敏感で枝毛・切れ毛になりやすい状態。しっかりとアフターケアをして弱酸性に戻していくことが大切。
枝毛・切れ毛の対策
セルフカットをする
枝毛を1本だけカットするのは簡単そうに思えるもの。しかし毛先はとてもデリケートなので、切れ味の悪いハサミで切ると、またそこから枝毛になってしまうことも。枝毛はできるかぎり、触らない・裂かない・ちぎらないことが大切。応急処置としてどうしても自分で切る場合は、枝分かれしている部分から5cmほど上の部分を真横にカット。切れ味のよいハサミを必ず使用しよう。
ヘアサロンでメンテナンスカットをする
枝毛がどうしても気になる場合は、ヘアサロンでメンテナンスカットがおすすめ。通常、枝毛の1センチ上あたりをカットして枝毛を除去する。プロのハサミと技術できちんと対処すれば、その後も枝毛になりにくくなる。
ヘアサロンでトリートメントをする
トリートメントは、タンパク質や潤い成分を髪に補給して内部補修をしたり、傷んでアルカリ性に傾いた髪を本来あるべき弱酸性の状態に戻すことを目的としている。トリートメントはたくさんの種類があるため、美容師に相談しながら、髪質や髪の状態に合うトリートメントを選ぼう。
張さんのおすすめはTOKIOトリートメント。「ブリーチを繰り返しているようなハイダメージの髪でも枝毛ができにくい髪に導くため、枝毛に悩んでいる人はぜひトライしてみてください。」(張さん)
枝毛・切れ毛の予防法
ブラッシングの仕方を見直す
根もとから一気にとかすのではなく、まずはやさしく毛先からブラッシング。毛先の絡まりをなくして滑らかにしたら、中間、根もとの順に少しずつとかすのがポイント。無理に引っ張ってとかすと枝毛や切れ毛の原因になるため注意して。
ドライヤー・コテ・アイロンの使い方を見直す
ドライヤーは、乾かす順番をひと工夫するだけでダメージを抑えられる。頭皮→根もと→毛先の順に、内側から外側に向かって乾かすようにしよう。コテやアイロンは温度を上げ過ぎないことが大切。どんなに高くても160℃を限度に、できればもう少し低めの温度で使用して。
ヘアケアアイテムで髪の乾燥を防ぐ
洗い流すトリートメントや、アウトバストリートメントなど、ドライヤーによる熱や乾燥、摩擦など、髪にとっての外敵ストレスから髪を守ってくれるヘアケアアイテムを使用しよう。なかでも、保湿効果が高い天然の植物性オイルを配合したヘアオイルがおすすめ。お風呂あがりの濡れた髪に、適量のヘアオイルを両手でなじませてからつけるのがコツ。傷みやすい毛先や髪の内側につけよう。
張さんのおすすめはTOKIOのホームケアシリーズ“TOKIO IE”。「アウトバスオイルで、乾燥対策だけでなく髪の中のダメージホールをケラチンで補修&強化して、さらにフラーレンの作用で髪の酸化を防いでくれます。」(張さん)
ダメージレスなカラー剤・パーマ剤を選ぶ
カラー剤やパーマ剤はダメージを起こしがちだけど、今はダメージレスな薬剤が豊富にラインナップ。髪質や髪の状態によって相性もあるため、ヘアサロンで相談しながら自分にぴったりの薬剤を選ぼう。
枝毛・切れ毛のQ&A
枝毛を治す方法はありますか?
一度できてしまった枝毛は、完全に治ることはありません。しかし、トリートメントでダメージを補修&強化して、改善することはできます。枝毛をくっつけてくれる作用があるジカルボン酸を含むトリートメントが良いでしょう。
枝毛は裂いても問題ないですか?
枝毛を裂くのは絶対にNGです。興味本位で裂いたり引っ張ってちぎったりすると、見た目が悪くなるだけでなく、さらに悪化してしまいます。メンテナンスする際に、切らなければならない部分が多くなってしまいます。
枝毛が白っぽく見えるのはなぜですか?
髪はダメージを受けると表面のキューティクルが剥がれ、内部のコルテックスの栄養分が流れ出て空洞となってしまいます。このキューティクルの凹凸やコルテックスの空洞部分で光が散乱し、白く見えるようになります。
セルフカットする場合は枝毛カッターを使ったほうがよいですか?
枝毛をセルフカットすること自体あまりおすすめできませんが、切れ味の悪いハサミよりかは、枝毛カッターを使用したほうがいいでしょう。適切にカットできなかった髪はまた枝毛になってしまう可能性が高いため、できるだけサロンでカットしましょう。
教えてくれたのは「Gigi」張信義さん
スペイン風の光あふれる店内に、こだわりのインテリアを配したヘアサロン「Gigi(代々木)」。代表の張さんは、ゲストに寄り添った丁寧なカウンセリングが好評。実力もさることながら髪に関する知識も豊富で、生えぐせや髪のうねり、ボリュームなどの悩みに詳しく、悩みを解決しながらゲストにいちばん似合う髪型を提案する。
WRITING/ATSUKO HABU