ヨーロッパを中心に古くから世界中で愛されてきた、生姜入りのジンジャーブレッド(ケーキの形をしたものも含む)。さまざまな型のジンジャークッキーは、ツリーのオーナメントとして飾り付けするのもクリスマスのお楽しみ。その歴史や由来に触れながら、料理家・星谷菜々さん直伝の大人もワクワクするジンジャークッキーを作ってみよう。
ジンジャーブレッドとは
いろいろな祈りが詰まった「ジンジャーブレッド」の話
ジンジャーブレッドの根源は900年代ともいわれ、ジンジャークッキーが人の型(ジンジャーブレッドマン)になったのは16世紀。イギリスのヘンリー8世(1491年~1547年)が当時流行していたペストの予防に生姜が効果的だと知り、生姜を食べることを国民に推奨し、国民が国王に似せて焼いたのが始まり。生姜やシナモンなどの強い香りのする香辛料は、魔よけの意味を持つことから、家族の無病息災を願いクリスマスシーズンに作ってツリーに飾るようになったとの言い伝えも。
イギリス、スイス、ドイツ、スウェーデンなどヨーロッパのクリスマスに欠かせないお菓子になったジンジャーブレッド。ウォルト・ディズニーの名作『メアリーポピンズ』ではジンジャーブレッドのレシピが話題になり、グリム童話『ヘンゼルとグレーテル』に登場するお菓子の家は、ジンジャーブレッドハウスをモデルにしたそう。
特徴は、ジンジャーパウダー、シナモンパウダーなどほんのりスパイスを効かせた生地に、ハチミツと砂糖を加えた素朴の味わい。カリッとした食感が楽しい薄目の生地は、何枚でもほおばりたくなる。人、星、ハート、馬、ツリーなどいろいろな型に、アイシングでかわいいデコレクッキーを作っても楽しい。
おうちで簡単!ジンジャークッキーのレシピ
お菓子初心者にも必見、料理家・星谷菜々さんが、失敗しないジンジャークッキーの作り方を教えてくれました。スパイシーな味を求めるなら、シナモンやジンジャーパウダーを多めに使って。
材料
材料A
・有塩バター(室温に戻す)・・・50g
・きび砂糖・・・50g
・はちみつ・・・50g
材料B
・薄力粉・・・200g
・ベーキングパウダー・・・小さじ1/4
・ココアパウダー・・・小さじ1
・シナモンパウダー・・・小さじ1
・ジンジャーパウダー・・・小さじ1
・カルダモンパウダー・・・小さじ1/4
溶き卵・・・1/2個分
打ち粉・・・適量
1_生地をつくる
ボウルにAを入れ、泡立て器で空気を含ませるように混ぜ合わせる。溶き卵を4~5回に分けて加え、ホイップバター状にする。
生地の状態をチェック
生地の色が白っぽくなり、ふんわりとしたホイップ状になったらOK。このとき、空気をしっかり含ませないと、次の4の工程のときに粉が均一に混ざらず、固すぎのクッキーに仕上がってしまうので要注意。
2_粉を混ぜ合わせる
振るいにかけたBを3のボウルに入れて、ゴムベラで切るように混ぜる。粉がボウルの底に溜まりやすいので上下を返すように混ぜるのがコツ
3_生地をラップで包んで寝かせる
生地がまとまってきたらラップで包み、スパイスが生地になじむように冷蔵庫で一晩寝かせる。その日のうちに焼き上げたい場合でも、最低2時間は寝かせて。
4_生地を伸ばす
冷蔵庫から取り出した生地を2枚のラップで挟み、その上からめん棒で厚さ約2mmになるまで伸ばす。
5_型を抜く
生地は、両面のラップをいったんはがしてからラップの上に戻すと型抜きしやすいので試してみて。打ち粉をした型で端から抜いていく。型抜きした生地はオーブンシートを敷いた天板に並べる。
6_紐を通すための穴を開けて焼く
ジンジャークッキーに紐を通したい場合は、菜箸で少し大きめに穴を開ける。170度に予熱したオーブンで約12分焼いて、熱を冷ましたら出来上がり
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協力してくれたのは、料理家・星谷菜々さん
- 星谷菜々(ほしやなな)
- 女性誌を中心に、家庭料理やお菓子を提案。著書に、『BAKE 焼き菓子の基本』(成美堂出版)、『フルーツスイーツダイアリー』(グラフィック社)、『ポットロースト』(日東書院)などがある。JSA認定ワインエキスパート。都内にてアトリエ「apron room」主宰
- ホームページ
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STYLING&COOKING/NANA HOSHIYA PHOTO/masa TEXT/NAOMI TERAKAWA,NARUMI AKIBA