簡単なのに華やか&おいしい、パーティおつまみレシピ5選!CRAZY KITCHEN・菊地さんが作る、サステナブルを意識した食のアイデア
更新日:2020/11/12
おうちで楽しむクリスマスパーティ。新しい生活様式になった今年の冬は、オンライン飲み会や少人数でのパーティが増える予感。そこで、センスが光るケータリングサービスを提供するCRAZY KITCHENのプロデューサー・菊地妙子さんに、簡単なのに華やかなパーティおつまみレシピを教えてもらいました。「食材を無駄にしない」「エコラベル表示の食材を買う」など、サステナブルを意識したニューノーマルな工夫もぜひ取り入れて。
ニューノーマルな食の楽しみ方!パーティメニューもサステナブルに
食欲をそそる見た目を意識するのも工夫のひとつ
レジ袋が有料化されるなど、日本全体でも広がりを見せるサステナブルな取り組み。食にまつわる分野でできることとは?
「パーティは特にフードロスが出やすいと思います。なので、どうしたら手にとってもらえるか、食べてもらうまでのアクションを気にかけています」(菊地さん)。
具体的な工夫点については「まずは食べてみたい気持ちになれるよう、華やかで美しい色使いにするのがポイントです。そして、少し味変できるものを最初から用意しておいたり、冷めてもおいしい料理を用意したりすると、オンラインでずっと座っていても、飽きずに長く食べられるかと思います」と菊地さん。
食べてみたくなる色合いや盛りつけ、また飽きのこない味を意識するだけでも、フードロスを防ぐことにつながりそう。
食材を無駄にしないコツとは
作った料理を余らせるのはもちろん、買った食材を余らせてしまうのも悩みの種。それを防ぐには、1つの食材で使い回しができるメニューを考えて、料理によって使う部位を変えるのがコツだそう。「今回は、限られた食材で何品か作れるメニューを意識しました。たとえば根菜ならスライスして使うのは実の大きな部分にして、端っこの細い部分は大きめにカットしてグリルするなど、同じ食材でも何品かに分けると無駄がありません」。
また、味付けをシンプルにするのもポイントだとか。「たとえば塩でシンプルに味付けしておけば、残ってしまっても翌日にカレーの具材にするなどアレンジしやすいんです」。
“地球にやさしい”を意識した食材の選び方も
元ビートルズのポール・マッカートニーが始めた「ミートフリーマンデー」は、週に1度、月曜日だけでもお肉を食べないようにしよう、という取り組み。
家畜を育てるための森林伐採などが環境破壊の一因にもなっているそうで、「今回はあえてお肉を使わないパーティ料理を考えてみました」と菊地さん。お肉なしのパーティメニューでも満足感が得られるようなメニューは、ぜひ参考にしたいところ。
また、大手スーパーを中心として、海の生態系や働く人々にやさしい方法でとられた水産物の扱いも増えてきているそうで、世界的な基準となる「MSC(Marine Stewardship Council、海洋管理協議会)」や「ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)」などの認証マークも少しずつ浸透してきているとか。
「ノルウェーなどでは特にさかんなんです。その代表格として、今回はホタテやサーモンを使ったメニューを考えました。サステナブルと言われると少し身構えてしまうけれど、近所のスーパーでも“地球にやさしい”を意識した食材って意外と購入できるので、お店の人に聞いてみるなどしてぜひ探してみてください」。
オンライン飲み会でもホームパーティでも!サステナブルな簡単パーティおつまみレシピ
簡単なのに華やか!クリスマスパーティで作りたいサステナブルなおつまみ
今回はサステナブルを意識した、簡単で華やかなパーティおつまみを5品ご紹介。
「材料を買ってきたら、あとはスライスするだけで作れるメニューばかりです。簡単だけど、少しだけテーブルコーディネートを特別にしたり、カラフルな食材を使ったりするだけで、華やかなパーティメニューになりますよ」。
カラフル根菜のディップサラダ
カラフルな根菜をクリーミーなソースにつけていただくディップサラダ。パーティなので色味のきれいな野菜がおすすめ。盛りつけをいつもと少し変えるだけで、パーティメニューに大変身。
野菜自体に味はついていないので、残ったら翌日のお味噌汁の具材やサラダにしても。
【材料】
紅芯大根、青大根、紫大根、人参、カブなどの根菜 適量
★ディップソース
・生クリーム 100mlくらい
・クリームチーズ(常温に戻しておく) 大さじ1くらい
・塩 適量
・オリーブオイル 適量
【作り方】
①根菜をスライサーで5mmくらいにスライスする。
②火が通るまで野菜を蒸す(レンチンなどでも◎)。
③蒸しあがった根菜を、カラーグラデーションで並べる。
④生クリーム、クリームチーズ、塩を泡立て器で10分立てにする。
⑤皿の中央に④をドーナツ状に絞り、真ん中にオリーブオイルを注げば完成。
菊地さんからのワンポイントアドバイス
・ディップソースは真ん中にオリーブオイルを入れるので、お皿とフィットするよう絞っていくのがコツです。難しければスプーンなどで壁面を築くといいです。
・ディップソースはお好みのものを使ってください。お手持ちのドレッシングや、「ホタテとぶどうのカルパッチョ」でご紹介する豆乳マヨネーズにカイエンペッパーを振りかけたり、「3色タルティーヌ」でご紹介するアボカドディップソースなどでも◎。
ホタテとぶどうのカルパッチョ
ホタテとぶどうとカブを使った白いカルパッチョは、クリスマスにぴったり。ピンクペッパーでアクセントを添えて、ぐっとパーティらしくして。
【材料】
・ホタテ(生食) 5個くらい
・ぶどう(皮ごと食べられるもの) 3粒くらい
・カブ 1個
・塩 適量
★ドレッシング
・豆乳マヨネーズ 大さじ1
(豆乳 大さじ4、米油(サラダ油でも)大さじ2、米酢 小さじ2、砂糖 少々、塩 ふたつまみを瓶などに入れ、振って混ぜる。乳化してトロっとしたらできあがり)。
・レモン汁 小さじ1/2弱
・塩 少々
・ピンクペッパー(飾り用、あれば) 適量
①ホタテは横に3、4等分にスライス。ぶどうは3mm幅くらいにスライス。
②カブはスライサーなどを使い2~3mmにスライス。塩を振って5分くらい置く。食べた時にほんのり塩味を感じるくらいの塩味。両手で挟むように水気を絞る(こうすると形が美しく、ほどよく水分が残った状態になる)。
③スライスしたホタテに塩を少々振っておく。
④半分に折りたたんだカブ、ホタテ、ぶどうの順番に重ねて、お皿に円形になるように並べる。
⑤ドレッシングの材料をよく混ぜ、④全体にかける。
⑥ピンクペッパーを指で潰しながら全体に振りかける。
菊地さんのワンポイントアドバイス
・ホタテの甘みを感じるためにも、ドレッシングは少し酸っぱめがおすすめ。お手持ちのドレッシングにレモン汁を少し足すだけでも、おいしくいただけると思います。
・カブの葉は、葉と茎部分で分けて冷凍すれば1カ月ほどもつそうです。
・ピンクペッパーは普通の胡椒よりも辛味が少ないのが特徴。味がマイルドなので、野菜、お肉などいろいろなものに合わせやすく、1袋購入しても意外と使えるスパイス。バニラアイスクリームに少し振ったり、クリームチーズに加えたりしても、おしゃれです。
3色タルティーヌ
見た目もカラフルで食欲をそそる3種類。
【下ごしらえ】
ピクルスを事前に作る。
①冷えた卵2個を沸騰したお湯で6分茹で、氷水で冷やし殻をむく。
②カリフラワー1/4個は小房に分ける。茎は皮をむき、5mmにスライス。
③ビーツ1/2個は3mmにスライス。
④塩を入れたお湯で、②③を30秒ほど下茹で。
⑤酢150ml、白ワイン200ml、塩小さじ1、砂糖大さじ3、黒胡椒(粒)5粒、ローリエ1枚、唐辛子1本、玉ねぎの端きれやパセリの茎などを小鍋に入れて一煮立ちさせ、アルコール分を飛ばす。砂糖や塩が溶けたら火から下ろして冷まし、唐辛子や野菜の端きれは取り除く。
⑥ジッパー袋に①④⑤を入れ、冷蔵庫で一晩以上漬ける。
※卵のピクルスは別の料理で使う。
●赤
【材料】
・クリームチーズ(常温に戻す) 50g
・ビーツのピクルス 3枚
・カリフラワーのピクルス 3個
・砂糖 小さじ1
・ディル 1本
【作り方】
①ビーツのピクルスは飾り用に丸く型抜き、残った部分を3~5mm角に刻む。
②カリフラワーのピクルスは飾り用に小さな房をカット、残った部分は3~5mm角に刻む。
③クリームチーズ、角切りにしたビーツとカリフラワー、砂糖、みじん切りにしたディルをよく混ぜる。
④バケットに③を小さな山のように塗り、上に①を立て、手前に②を乗せる。
●白
【材料】
・里芋 50g
・オリーブオイル 大さじ1/2
・アンチョビ(酒盗、塩辛などでも) 小さじ1
・ニンニクすりおろし 少々
・塩 少々
・マッシュルーム 1個
・粉チーズ 適量
・黒胡椒 少々
【作り方】
①茹でた里芋の皮をむき、マッシャーなどで潰す。
②①にオリーブオイル、叩いて細かくしたアンチョビ、ニンニクのすりおろしを入れてよく混ぜる。味をみて、塩を足す。
③マッシュルームの軸はカットし、キッチンペーパーなどで汚れをふく。
④バケットに②を塗り、皿に乗せ、マッシュルームをスライサーで薄くスライスして乗せる。
⑤粉チーズ、黒胡椒をふる。
●緑
【材料】
・アボカド 1/4個
・穂紫蘇 適量
★アボカドディップ
・アボカド 1/2個
・豆乳マヨ 大さじ3~6
・塩 少々
・わさび(チューブ) 3~5cm
【作り方】
①アボカドディップを作る。分量のアボカドを潰し、材料をよく混ぜる。
②バケットに①を塗る。
③スライスしたアボカド、穂紫蘇の実を乗せる。
菊地さんのワンポイントアドバイス
・ペーストを塗るときは、少し山になるように塗ると具材が立体的になりきれい。
・5mmくらいにスライスしたバケットは、熱したフライパンにオリーブオイル少々を入れ、両面カリッとするまで焼いて薄く塩をふりかけるとおいしい。薄目の食パンなどでも。
・ピクルスは、ピクルス液に浸かっていない部分があるとピンク色がつかないので、途中何度か材料を転がすときれいに染まります。
・ピクルスは、細かく刻んでマヨネーズに入れるとピンクのタルタルソースになります。ポテトサラダの具材としてもおすすめ。ビーツでなく、赤大根や紫大根などを使ってもキレイな色に染まります。
サーモンと冬野菜の豆乳グラタン
今回はバターや生クリームを使わない豆乳グラタン。オリーブオイルと豆乳がメインなので、普通のグラタンよりも胃もたれしづらく、量も食べられそう。
【材料】
・サーモン 1切れ(130~150gくらいのもの)
・里芋 100g(生の状態で)
・カブ 1個
・カリフラワー 1/4個
・マッシュルーム 2個
・玉ねぎ 1/2個
・無調整豆乳 250ml
・オリーブオイル 適量
・昆布茶 小さじ1と 1/2くらい
・塩 適量
・胡椒 適量
・薄力粉 大さじ2くらい
【作り方】
①サーモンは1/4にカットし、塩胡椒で下味をつけ、薄力粉を全体的に薄くまぶす(茶こしを使うとやりやすい)。
②フライパンにオリーブオイルを入れて火をつけ、①を皮目から焼く。焼き目がつくくらいに両面を焼く。
③洗った里芋は、皮に横にぐるりと包丁で3mmくらいの深さで切れ目を入れ、パスタを茹でる時くらいの濃い目の塩水で15分くらい、下味をつけながら茹でる。竹串が通ったら鍋から上げ、皮をむき、大きめのスプーンで荒く潰す。
④カブは茎を3cm残して皮ごと1/6等分に、マッシュルームは土のついた軸部分を落とし、1/4にカットする。
⑤玉ねぎはスライサーなどを使い3mmくらいにカットする。
⑥カリフラワーを下茹でする。ピクルスを作る時に一緒に茹でておくとよりエコに。
⑦フライパンにオリーブオイルを入れ、玉ねぎと塩少々入れて中火で炒める。
⑧玉ねぎがクタッとしたら、カブとマッシュルームを入れ、塩を振ってさらに炒める。ここで下味をしっかりつけておくと、おいしく仕上がる。
⑨火が通ってきたら昆布茶を入れてなじませ弱火にし、小麦粉を入れて具にからませる。
⑩豆乳を3~4回に分けて少しずつ入れる。液体と具に絡ませた小麦粉を混ぜるように加熱し、とろみがついてきたら液体を足していくとダマになりづらい。
⑪昆布茶や塩を少しずつ足して、好みの味にする。
⑫オーブンで加熱可能な容器にオリーブオイルを薄く塗り、③の里芋を並べる。
⑬12に11の具材、ソテーしたサーモン、茹でたカリフラワーを並べ、最後に11のソースを上から全体的にかける。
⑭チーズを全体的にのせ、250度に余熱したオーブンで5分くらい焼き目がつくまで焼く。
菊地さんのワンポイントアドバイス
・バター、牛乳、生クリームなどを使っていないので、さっぱりとした仕上がりになります。濃厚な味が好きな方は、バターなどを使って作ってください。
・チーズを使わずに、ガーリッククランブル(オリーブオイル大さじ4を入れたフライパンでパン粉大さじ3をカリッとするまで炒め、すりおろしニンニク1片と塩少々で味を整え火を止める。5mmのみじん切りにしたイタリアンパセリ1パック分を加えて完成)をたっぷりかけて焼いても、カリッとした食感が加わりおいしいです。
カリフラワーと根菜のグリル
「お肉を使わないクリスマスディナーがテーマ」なので、食べ応えのあるカリフラワーをメインに。ディップに使った野菜を使い、無駄がないのもポイント。
ビーツを使ってピンク色にした卵のピクルスが、彩とドレッシングのような酸味を加え、食欲をそそる味わいに。
【材料】
・カリフラワー 1/2個
・ビーツやカブ、人参などの根菜 適量
・マッシュルーム 適量
・アンチョビ 適量
・ニンニク 1片
・塩 適量
・オリーブオイル 適量
・卵のピクルス 2個(作り方は「3色のタルティーヌ」参照)
【作り方】
①カリフラワーは縦半分にカット。茎部分の皮はむいておく。
②根菜を大きめにカットする。人参やカブは皮つきのままでもOK。
③カリフラワーの房の隙間に、アンチョビペースト(またはアンチョビを叩いたものや、酒盗などでも)を入れる。表面に塗ると焦げやすいので、房の隙間に入れるのがおすすめ。
④②とマッシュルームをボウルに入れ、全体に塩を振って5~10分くらい置く。出てきた水分を切り、オリーブオイルをかけて表面をコーティングする。
⑤耐熱容器にカリフラワーを入れ、全体的にオリーブオイルをかける。その周りに④の根菜のみを置く。
⑥180度に熱したオーブンで10分焼く。10分経ったら野菜をひっくり返してさらに10分。④のマッシュルームは小さくなりやすいので、この段階で投入する。
⑦焼き目がしっかりつくまで、5分くらい追加で焼き、火が通ればできあがり。少し焦げ目がつくぐらいがおいしい。
<菊地さんのワンポイントアドバイス>
・根菜サラダなどには、野菜の胴体部分をスライスして使い、こういったグリルには端っこを使うと、見栄えの印象も変わり、無駄がありません。また水平垂直にカットするのではなく、大きめの乱切りにするイメージでカットすると、ゴロゴロ感が増します。
PROFILE
- 菊地妙子(きくちたえこ)
- 美術大学を卒業後、新卒にてライフスタイル提案企業に入社。レストラン事業部へ配属となり、東京および富山にて店長業務やメニュー開発、生産地取材などに携わる。その後、都内の飲食店勤務を経て、株式会社CRAZY KITCHENに参画。現在は、プロデューサーとしてイベントやパーティの企画デザイン、ドリンクメニュー開発を行う。「かわいい、おいしい!など、その場を訪れた人のテンションが上がる瞬間に立ち会えることが幸せ」と、会場で話のきっかけになるようなコーディネートや内容を日々考案している。
- ホームページ
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【特集】「クリスマス」の新しいかたち。ホリデーガイド2020
いつもとはひと味違う雰囲気になりそうな2020年のホリデーシーズン。激動の1年だったからこそ、今年のクリスマスは心と身体をしっかり労わって、大切な人たちに想いを馳せる“やさしい時間”にしませんか? 自分に癒しのご褒美をあげたり、大切な人とおこもりステイを楽しんだり。離れた所にいる家族や友人とは一緒にパーティを楽しんだり、ギフトで想いを伝えたり。今年らしい“ニューノーマル”なホリデーの楽しみ方をご提案!
PHOTO/MANABU SANO WRITING/KIMIKO OHKATSU