令和最初の冬を迎える今年は、新時代にふさわしいホリデーの過ごし方を楽しみませんか? 街中が賑やかになるこのシーズンは、恋人としっとりと静かな時間を過ごしたいという人も多いはず。そこで今回は大の“ホテルフリーク”としても有名なトレンド評論家・牛窪恵さんに、静かにしっとり過ごせる森のリゾートホテルを教えてもらいました。都会の喧騒から離れ、森と緑のパワーに癒されるロマンティックデートをかなえて。
写真/星野リゾート リゾナーレ那須
恋人と過ごすホテルは「翌日も盛り上がれるか」を軸に探すのがコツ
「おひとりさま」「草食系男子」などの流行語を世に広めるなど、現代人のキモチを知り尽くしている、トレンド評論家の牛窪恵さん。「父親が忙しく休みがなかなか取れなかったので、幼いころから都内のラグジュアリーホテルでバカンスを過ごすことが多かった」と話す牛窪さんは、国内のラグジュアリーホテルはほとんど宿泊したことがあるほどのホテルフリーク。
そんな牛窪さんが、クリスマスにとくにおすすめというのが森の中のホテル。「森林はフィトンチッドという癒し成分を発するため、都会の喧騒から離れ、豊かな自然に囲まれた森のなかに身をおくと、心身ともにリラックスした時間が過ごせるんです」
牛窪さんによると、クリスマスに恋人と過ごすホテルを選ぶときに注意したいポイントは「翌日の朝、盛り上がるかどうか」だそう。「クリスマスって豪華なディナーを食べたり、部屋でプレゼント交換したりして夜は大抵盛り上がると思うんです。でも、次の日の朝盛り上がらないと、一気にさみしくなってしまいますよね。なので、朝の環境って大事。そういう意味では朝食がおいしいところがおすすめですね」
ホテル側にどう過ごしたいかを伝えるのもポイント
さらに、クリスマスを意識しずぎずに、“行く価値がある”と2人が納得できるようなホテルを選ぶこともポイントなのだそう。「たとえば客室がおしゃれ、夕陽がきれい、お食事がおいしい、メニューがヘルシー、アクティビティが充実している、といった付加価値が高いホテルの方が、より2人で楽しく過ごせそうです」と牛窪さん。
そして予約の際は「滞在理由やどう過ごしたいなど自分の気持ちを伝えることが大事」とも。「ネット予約の際には備考欄に書くなどして、どういう過ごし方をしたいかを伝えてホテルとコミュニケーションをとる。このひと手間だけでも、おもてなしが変わってくると思いますよ」
牛窪恵さんイチオシ!4万2千坪の森の中に佇むリゾートホテル
自然の恵みを堪能できるリゾートホテル「星野リゾート リゾナーレ那須(栃木・那須)」
牛窪さんイチオシの森のリゾートホテルは、東京から那須塩原まで電車で約60分、那須岳の山裾に広がる約138000㎡もの敷地を独占する日本初のアグリツーリズモリゾート「星野リゾート リゾナーレ那須」。
地域に根ざした農業の営みを観光で体験する「アグリツーリズモ」を楽しめるホテルで、四季が鮮やかに展開するリゾートエリアには、野菜やハーブに出会えるアグリガーデン、素材の旨みを感じるイタリア料理、眺めがすべて異なる客室、自然を遊び尽くすアクティビティ基地が揃う。
「11月、栃木県の那須に星野リゾートがオープンしたばかりのホテルです。那須岳の山裾にあって、ロケーションがとにかく抜群! 農業体験やカヤック、サイクリングなどアクティビティも豊富だから、カップルはもちろん、小さなお子さん連れの家族やご夫婦にもおすすめ」と牛窪さん。
また、「なんと言っても魅力的なのはお食事。敷地内にある畑の採れたて野菜を使ったお料理が、雄大な森を眺めながらいただけます。朝食は野菜のフレッシュな食感を堪能できるメニューがずらりと並んだビュッフェスタイル。朝から大満足できると思います。石窯を使って焼き上げる“ピッツァづくり体験”もとっても楽しそう!」と牛窪さん。
施設内の畑で採れた新鮮野菜を使って、素材のみずみずしさをダイレクトに感じられるよう創意工夫された料理の数々に、体も心も喜びそう!
秋は紅葉、冬は幻想的な雪景色など四季の移ろいを間近に感じられるのも素敵。「那須の豊かな自然に囲まれながらしっとりと過ごす時間は、「この子とずっと一緒にいたいな」と思わせるような、特別な気持ちにさせてくれると思いますよ」
雰囲気ある暖炉でのんびり過ごして。「ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ(神奈川・箱根)」
続いてのおすすめホテルは、日本有数の温泉地、箱根の強羅に位置するラグジュアリーホテル「ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ」。温泉はもちろんのこと、本格的なトリートメントが堪能できるスパもあり、日頃の疲れを癒しながら恋人とゆっくり過ごすのにぴったり。
「とくにお気に入りなのは“リビングルーム”と名づけられたラウンジです。暖炉があって、ゆらゆらとした灯を眺めながらシャンパンをいただいたり、オセロやチェスをしたりとのんびり遊んでくつろげます。うれしいのは、大浴場が温泉というところ。ラグジュアリーホテルで温泉がついているところってなかなかないので、そういう意味でも魅力的です」
「都心から1時間半で行けるアクセスのよさも、忙しいカップルにはおすすめな点。周りに美術館など観光スポットもたくさんあるから、翌日も楽しめますよ。朝食も評判で、新鮮野菜やふわふわなオムレツ、フレッシュオレンジジュースなど、質の高いビュッフェスタイルです!」
結婚気分も高まりそうな幻想的な場所。「旧軽井沢 ホテル 音羽ノ森(長野・軽井沢)」
自然に囲まれた閑静な別荘地、軽井沢に佇むクラシカルな雰囲気の「旧軽井沢 ホテル 音羽ノ森」。「旧三笠ホテル」をモチーフにした優雅な外観が印象的で、中世ヨーロッパにタイムスリップしたような空間が広がる。
「都心からアクセスがよく、観光スポットもたくさんあって次の日も楽しみやすいといえば、やっぱり軽井沢は外せませんよね。おすすめのこちらは軽井沢駅から徒歩12分と、車がなくても行きやすいリゾートホテルです。ヨーロッパの趣を醸し出す佇まい、クラシカルな調度品もロマンティックな気分にさせてくれますよ」
「また、カップルにぜひ訪れて欲しいのは、敷地内の『旧軽井沢礼拝堂』。英国国教会の流れを汲む正統挙式が執り行われる由緒ある教会で、美しいステンドグラスが厳かな気分にさせてくれます。結婚を考えているカップルにはとくにおすすめですね」
番外編!緑を感じるアーバンリゾートホテル「ホテル椿山荘東京(東京・目白)」
なかなか都心を離れられないという忙しいカップルにおすすめなのは、ラグジュアリーホテル「ホテル椿山荘東京」。東京メトロ有楽町線 「江戸川橋駅」より徒歩10分と、アクセスのよさも抜群ながら豊かな緑を感じられる庭園が広がる。
「恋人とゆっくり過ごしたいけど、休みがなかなか取れない、長期休暇がないから遠出できない、などという話はよく聞きます。そんなカップルにぜひおすすめしたいのが、都内のシティホテルです。忙しい毎日で疲れている時こそ、アーバンリゾート気分を味わえるシティホテルで1泊過ごして、パワーチャージをしてほしいなと思います」
「都内のシティホテルのなかでもとくにおすすめなのが、ホテル椿山荘東京です。私は結婚式もこちらのホテルで挙げたくらい、大好きなホテルです。明治時代から受け継がれている庭園には、四季折々の花が咲き、湧水の流れる音が聞こえます。その庭園をぼんやり眺めているだけで、季節の移り変わりを感じられるんです。ロビーラウンジ『ル・ジャルダン』はそんな庭園を眺めながら食事やお茶をいただけるので、座っているだけでも癒されちゃいます」
PROFILE
- 牛窪恵(うしくぼめぐみ)
- トレンド評論家/修士(MBA/経営管理学)。1968年、東京都生まれ。立教大学大学院・博士課程前期修了。大手出版社を経て、フリーライターとして独立。2001年、マーケティング会社・インフィニティを設立。『男が知らない「おひとりさま」マーケット』(日本経済新聞出版社)で注目され、「おひとりさま」は新語・流行語大賞に最終ノミネート。その後も取材・執筆や講演のほか、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)や「所さん!大変ですよ」(NHK総合)、「ウェークアップぷらす」(読売テレビ系・全国)などテレビ番組にレギュラー出演中。最新刊に『なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか?アマゾンに勝つ!日本企業のすごいマーケティング』(光文社/田中道昭氏と共著)がある。
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【書籍情報】「なぜ女はメルカリに、男はヤフオクに惹かれるのか?」田中道昭/牛窪 恵 共著(光文社新書)
メルカリやヤフオク、LINE、スタディサプリ、Oisix(オイシックス)、エアークローゼット、VAZ、セブン プレミアムゴールド、プチッと調味料など、人気商品やサービスが生まれた背景や秘策を、「4P・4C」「STP」といった マーケティングの基本から、旬のキーワードである「シェアリングエコノミー」をはじめ、 「サブスク(サブスクリプション)」「イノベーションとキャズム」「プライシング」「カスタマー・エクスペリエンス」等と共に 幅広く網羅。「いまさら聞けない」マーケティングの基本から考え方、仕事や日常生活に活かす手法・知恵等を、「おひとりさま」 や「草食系」など、社会学とマーケティングの接点となるキーワードを世に広めてきた牛窪恵氏と、『アマゾン銀行が誕生する日』(日経 BP社) がベストセラーになるなど、アマゾン分析の第一人者として知られる田中道昭氏がわかりやすく解説。
【特集】令和最初のホリデーを楽しみつくすヒント集!クリスマスガイド2019
聖なる夜を照らすイルミネーションや華やかなクリスマスディナー、心躍るギフト選び。華やかで幸せな気分に包まれるホリデーシーズンは、大切な人や家族と過ごす時間はもちろん、1人で過ごすひとときも、心豊かな時間を過ごしたいもの。今年は、クリスマスを迎える準備から令和元年の年末贅沢まで、“令和最初”の特別なホリデーをまるっとハッピーに過ごすためのヒント集2019をお届けします。
WRITING/KIMIKO OHKATSU