つながる旅のキーワード vol.016 ブランド蟹解禁!秋の味覚を味わいに金沢へ

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人気のスポットやグルメ、体験など、気になる旅のキーワードをピックアップ。そのキーワードを紐解いていくと、その土地のなにかと、誰かと縁をつなぐきっかけになるかも。

更新日:2016/10/24

女子旅定番の金沢で、加能ガニを味わおう

きたる11月6日はなんの日か知っていますか? 実は冬のごちそう、北陸で穫れる“ブランド蟹の解禁日”なんです。なかでも、女子旅定番の金沢では「加能ガニ」が有名で、それを目当てに訪れる人もいるほど! そこで「加賀能登食べる通信編集部」の編集長・羽喰さんにお話を伺い、加能ガニの基礎知識やおすすめの食べ方を紹介します。グルメ旅の参考にしてみてくださいね。

加能ガニって一体なに?

加能ガニ

Q. 金沢の名物でありながら、初めて「加能ガニ」を知った人もたくさんいるかと思います。基礎的なことを教えてください。

A. 一言でいうと「石川県で水揚げされるオスのズワイガニ」のことです。今から10年前に「加賀」と「能登」から一文字ずつ取って「加能ガニ」と名付けブランド化されました。 “青いタグ”が付けられて、タグの下にはそれぞれ水揚げされた港の名前が入っています。県内では、橋立港、続いて金沢港などが有名です。

漁期は年ごとに決められていますが、ここ数年は11月6日に解禁し、翌3月20日までとなっていますよ。加能ガニはブランドガニで、一杯5000円~1万円、2万という高値で店頭に並ぶことも珍しくありません。また値段は時期によっても違います。地元の人たちにとっては、めったに口にすることはできない、でも、待ちわびている冬のごちそうです。

実はオスの加能ガニよりもメスの方が人気!?

加能ガニ

Q. オスの加能ガニはもちろん、メスも人気だそうですが・・・

A. 実は地元では、オスよりもメスの方が人気。価格的にも味覚的にも、食卓にのぼるのはもっぱらこちらです。同じズワイガニでもメスのことを「香箱ガニ」と呼び、区別しているんですよ。「香る箱」・・・なんていいネーミングでしょうか。一杯数百円、立派なものでも2000~3000円くらいで、オスよりもリーズナブルです。ただ、最近は値段が高くなってきている気がします。

加能ガニと解禁日は一緒ですが、資源保護のために、今年も漁期は年末12月29日まで。こちらはたった2カ月足らずの貴重な冬の味覚です。

Q. いろいろとお話を聞いてみてますます食べてみたくなりました。実際にはどんな味、食感、魅力があるのでしょうか?

A. 「加能ガニ」はぎっしりと身がつまっていて、ふっくらしています。ぷりぷりっとした歯ごたえと、上品な甘みが特徴です。また甲羅にたっぷり詰まっているカニ味噌も濃厚ですよ。

通常は塩茹でしてあるものが販売されていることが多いのですが、茹で方によっておいしさが全然違うので、基本的には魚屋さんで茹でたものを買うのがベスト。生が手に入ればお刺身もいいですね。甘くて違った食感を楽しめますし、また、甘みとうまみがぎゅっと濃縮された焼きガニも絶品です。

香箱ガニの魅力は、なんといっても甲羅の外にあるプチプチの卵「外子(そとこ)」と、甲羅の中に味噌と一緒にあるしっとりとした未成熟の卵の「内子(うちこ)」です。濃厚な甘みとそれぞれの食感がたまりません。

カニを求めて、金沢の台所・近江町市場へ

近江町市場

Q. 観光で訪れた場合、やはり「近江町市場」でカニを購入するのがいいでしょうか?

A. そうですね。購入しやすいのは「近江町市場」だと思います。また金沢港の側にある「金沢いきいき魚市」もおすすめ。毎年11月下旬にはお得に購入できる「金沢いきいき魚市カニカニまつり」も開催されます。少し足を伸ばせるならば、橋立漁港に行ってみてはいかがでしょうか。漁港前には「マルヤ水産」があります。タイミングが合えば、軒先で大きな釜でカニを茹でているのを見ることかできます。カニを購入できるのはもちろん、併設された「割鮮しんとく」では、焼きガニやカニ刺しなども味わえます。

Q. 市場や漁港以外で、気軽に購入する方法はありますか?

A. 一般的なスーパーにも、地元の人たちの食卓用に、手頃な価格の加能ガニや香箱ガニが並ぶので、それを買うのもおすすめです。大きいものを選ぶというよりは、持ってみてずっしりと重いものを選ぶといいです。あと、甲羅に黒いカニビルの卵がついているものは見た目は悪いですが、おいしいですよ。

先ほど触れましたが、時期によって値段が違います。解禁日直後や、12月はお歳暮やお正月用にと求める人が多いので高値になりますし、時化が続いてもやはり高値に。私のおすすめは、年内ならば11月20日〜11月末頃。解禁も一段落し、年末の需要が始まる前のこの時期が狙い目です。もしくは、比較的値段が安定する年明けもおすすめです。

Q. 購入も楽しみですが、現地でカニグルメをいただきたいですね。羽喰さんのイチオシ料理はなんでしょうか?

A. この時期は、金沢でも色々なお店がカニを出します。特に待ち焦がれているのが、おでんの「かに面」。金沢はおでんも有名なのですが、香箱ガニの身を丁寧にむいて甲羅に全て盛り込んだおでんが「カニ面」です。だいたいどこのおでんやさんにもありますが、売り切れ必至なほどの人気。最近は観光客にも有名になりつつあり、私が行く頃には売り切れていて、なかなか食べることかできません。イタリアンでは「香箱蟹のパスタ」、スペイン料理では「香箱蟹のパエリア」も有名です。

観光もグルメも。秋冬だけの魅力を体験しに金沢へ

兼六園

この秋冬は、金沢ならではの加能ガニと香箱ガニを目当てに金沢を訪れるのもよさそう! グルメはもちろん、紅葉に染まる日本三名園のひとつ「兼六園」をお散歩したり、「金沢21世紀美術館」でアートなひとときを過ごしたり・・・金沢観光もあわせて楽しんで。

教えてくれたのは、羽喰亜紀子(はくい・あきこ)さん

教えてくれたのは、羽喰亜紀子(はくい・あきこ)さん

1972年、石川県生まれ。石川県在住。加賀能登食べる通信編集長。
県内の映像制作会社にディレクターとして勤務ののち、2011年に株式会社A3を設立。食分野の企画制作を得意とし、現在も料理番組などのディレクターを担当している。2015年5月、同社にて『加賀能登食べる通信』を創刊。

(c)石川県観光連盟
WRITING/EMI YAMASHITA

※記事は2016年10月24日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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