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いろいろなモノの値上げが続いているのはなぜ?家計の節約のポイントは?

更新日:2022/06/26

ニュースでもたびたび報道されている通り、物価上昇が目に付く今日この頃。買い物をしていてもさまざまな商品が値上げされているし、公共料金も高くなる一方でなんだかしんどい・・・。日本における物価上昇の理由と、そんな時期の家計の節約のポイントについて、ファイナンシャルプランナーの佐藤彰さんがわかりやすく解説。

2022年で値上がりする食料品は1万点以上!?

2022年で値上がりする食料品は1万点以上!?

そもそも、ものの値段が上がっているのはなぜ?

「一言でいえば、企業のあらゆるコストが跳ね上がっているからです。
国際的には、コロナ禍からの経済回復に伴う需要回復で、原材料価格やエネルギー価格が上昇しているからです。ロシアとウクライナで戦争が勃発し、さらにその傾向が強まっています。
国内的には、円安による輸入コストの増大です。外国では物価上昇に伴うインフレを抑制するために、政策金利を上げています。その結果、国内との金利差が目立つようになり、円が売られています」と、佐藤さん。

実際にどんなものの値段が上がっているの?

「生活に身近なもので特に目につくのは、食料品です。帝国データバンクの調査によると、2022年に値上げする食品がすでに1万品目を突破しているようです。他にも、日用品、光熱費、さらには鉄道各社も今後値上げを検討しており交通費にも影響が及びそうです。
一見すると、最近になって急に物価が上がったように思えますが、実際には昔から上がっていました。お菓子などで値段は変わっていないのに、量が減っている!と感じた経験はありませんか? このように、目にはつきにくい形で実質的には値上げが進んでいました。それが目に見える形になってきたのが最近の実情です」(佐藤さん)

今後も値上げは続くけれど、企業努力や方針で値上げしないところも

今後も値上げは続くけれど、企業努力や方針で値上げしないところも

これからも物価の上昇は続くの?

「今後もさらに値上げが続いていく可能性が高いです。日本は海外に比べて資源や電力などの企業向けの物価と消費者向けの物価のギャップが激しく、アメリカとは4倍のギャップがあるとの報道もあります。値上げしてもまだコストを十分に吸収できていない状況にあります」(佐藤さん)

そんな中、値下がりしているものやお店もあるとのこと。

「低価格を売りにしている衣料品や洋菓子店の中には、あえて値上げをしない方針を打ち出しているところもあります。また、アウトドア用品を取り扱うある企業は、コロナ禍で新しくスポーツに取り組む人が増えたことや密を避けたアクティビティが注目されていることから、戦略的に値上げをしない方針を打ち出しています。また、ある飲食店チェーンでは、店舗を居酒屋から焼肉店に業態変更を進めていることから最近まで逆に値下げをしていました。一方で、値上げを発表している会社であっても、全ての商品の値段を上げているとは限りません。企業もさまざまな努力をしているんです」(佐藤さん)

お買い物のちょっとした工夫が家計節約のコツ

お買い物のちょっとした工夫が家計節約のコツ

これからも続きそうな値上げ。そんな中で家計を節約するポイントは?

「食料品であれば、コスパのいいPB商品を買ってみるのがおすすめです。近年はPB商品のクオリティは高まっており、安いのに大手のメーカーのものと遜色のないものも増えています。
また、よく利用するお店があれば、そのお店のアプリに登録する、クーポンがないかチェックする、というのも1つの方法です。また、お買い物の際にポイントをうまく貯めて節約できないか、無理のない範囲内で検討してみてもいいでしょう。
さらに、一時的に安くなるタイミングを狙って、お得に買い物をすることもできます。全体としては値上げでも、バーゲンがなくなったわけではありません。例えば、今年の春には『新生活応援』ということで、セールを開催しているお店も結構ありました」(佐藤さん)

セール時期を上手に利用したりして、欲しいものは早めに買っておくというのもひとつの手。今後も値上げが続くと考えて、家計のやりくりを見つめ直すきっかけにしてみては。

教えてくれた人

佐藤彰(さとうあきら)さん

佐藤彰コーチングFP事務所代表。
ファイナンシャルプランナー。金融機関からの独立を経て情報提供する必要性を実感し、現在は金融商品や保険を販売しない独立系のFPとして活動している。

【マネー特集】働く女性のお金のハナシ

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先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。

※記事は2022年6月26日(日)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります