マスクによる肌荒れ・ニキビってなぜ起きる?原因や対策、予防法を美容皮膚科医が解説

マスクによる肌荒れ・ニキビってなぜ起きる?原因や対策、予防法を美容皮膚科医が解説

マスク必須の生活が続き、ニキビができやすくなった、毛穴や乾燥が気になる・・・など、今まで感じたことのない肌トラブルに悩んでいる人も多いはず。そこで、マスクによる肌荒れが起きる原因や素材別の選び方など自分でできる対策、美容クリニックでの治療法を「やさしい美容皮膚科・皮膚科秋葉原院」の院長・宇井千穂先生に聞きました。今すぐできるケアを取り入れ、マスクの下も美しい肌をキープしよう。

更新日:2021/10/07

マスクによる肌荒れとは?

起きるトラブル

■ニキビ
マスクを着用することによってできるニキビは、マスクの摩擦による肌への刺激が原因。こすれることで角質層が傷つき、肌のバリア機能を低下させてしまい、肌のバリア機能が低下すると外部刺激を受けやすくなり、角質が厚くなってニキビができる。また、マスク内は高温多湿のため、雑菌が増殖することもニキビの原因のひとつ。

■毛穴のつまり
マスクを外すとポツポツと目立つ毛穴。そんな毛穴のつまりも、マスク肌荒れの代表的なトラブルに数えられる。ニキビと同様、マスクが皮膚にこすれることにより、角質層が傷つき、肌のバリア機能が低下する。そうすると外からの刺激を受けやすくなり、角質層が厚くなってしまう。その結果、毛穴がつまりやすくなっていく。

■乾燥
着けているとしっとりとしているようにも感じられるけれど、実はマスク肌荒れのトラブルには乾燥もあげられる。吐く息や汗によって、マスクを着けているあいだはマスク内の湿度が高くなっている状態に。マスクを取ると、たまっていた湿気が急激に蒸発することで皮膚の水分まで一緒に奪い、肌の乾燥が一気に進んでしまう。

■かゆみ
マスクを着用することによって感じられるかゆみは、肌のバリア機能が低下することが原因。マスクによる摩擦で角質層が傷つくことや、外したときに乾燥が進むことによって、肌のバリア機能が低下する。そうすると肌が敏感になり、外からの刺激に弱くなってしまう。敏感肌の状態になると、肌はかゆみを感じやすくなる。

マスクによる肌荒れの原因

■ムレ
マスクの中は吐く息が充満し、季節問わず常に高温多湿の状態に。つまりマスクをつけていると、その中は一年中ムレた状態になっているということ。また、呼吸だけでなくそこに汗が加わるとさらにマスク内の環境は悪化。春から夏にかけての暑い季節やマスクをして運動をしているときなど汗をかきやすい状況下では、マスクの中がより高温多湿に。このムレた状態は雑菌が繁殖しやすい環境であり、雑菌が増えるとニキビなど肌荒れに繋がってしまう。

■乾燥
マスクを着けているあいだは、吐く息や汗によってマスクの中の湿度が高くなる。その状態でマスクを取ると、溜まっていた湿気が急激に蒸発。その際に皮膚の水分まで一緒に奪い、肌の乾燥が一気に進んでしまう。乾燥は肌のターンオーバーの乱れを引き起こし、そこから肌荒れに繋がっていく。マスクを外すときに肌が乾燥してしまうことをしっかり覚えておき、普段から保湿ケアを怠らないようにしよう。

■摩擦
マスクが皮膚にこすれることにより摩擦が生じて角質層が傷つくと、肌のバリア機能が低下して角質層が厚くなり、ニキビやくすみの原因に。また、肌のバリア機能が低下することにより肌が敏感になり、外部からの刺激に弱くなる。このように敏感肌の状態になると、乾燥やかゆみを感じやすくなっていく。その結果、さまざまな肌トラブルを招きやすくなってしまう。

マスクによる肌荒れのケア方法や対処法

素材やサイズの合ったマスク選びを。ムレ、暑さ、紫外線の季節に適したマスクとは

不織布のようなゴワゴワとした素材は、肌と摩擦が生じることにより角質層を傷つけ、肌バリア機能を低下させて肌荒れリスクを高めてしまう。そのため摩擦が少ないコットンやシルク素材などやさしい素材が肌にはおすすめ。また、サイズが合っていないと肌トラブルの原因にも。「顔のサイズにあったフィットする立体的な形のマスクがおすすめです」と宇井先生。マスク選びのときは素材とサイズ感をチェックしよう。

摩擦やムレが原因のひとつ。マスク下のニキビ“マスクネ”を予防、ケアするには?

マスク生活によってニキビなどの肌トラブルに悩む人が増え、最近は“マスク”と“アクネ菌”を合わせた“マスクネ”という新しい言葉も出てきている。「肌のバリア機能が低下すると外部刺激を受けやすくなり、角質が厚くなってニキビができます。また、マスク内は高温多湿のため、雑菌が増殖することもニキビの原因のひとつです」(宇井先生)。そんな、マスクが原因でできるニキビの予防や対策について伝授!

スキンケア選びに気を付けて。ゆらぎ肌におすすめの化粧水3選

肌のバリア機能をきちんと働かせるために必要なのは、十分な保湿。普段以上にしっかり保湿ケアをするのが大切なのだそう。「ヒリつきや赤みが出ているときは、アルコールや防腐剤・香料といった刺激になりやすい成分を含まないものを選び、スキンケアはとにかく低刺激を意識しましょう」と宇井先生。保湿力の高い化粧水で水分補給をしてから水分の蒸発を防ぐため乳液やクリームで蓋をするといいそう。守りのスキンケアを心がけて。

肌のベースアップをプロに委ねる。ゆらぎ肌を鎮めるフェイシャルエステ

日々のセルフケアでしっかりベースを整えるのはもちろん、たまにはプロの手にケアを委ねてみるのもおすすめの方法。摩擦の少ない超音波クレンジングで肌表面や毛穴の汚れをキレイに落とすコースや、もっちりフェイスに導く生コラーゲンを導入する贅沢なコースなど。プロによるスペシャルなケアで、美しい肌を手に入れよう。

マスクのときのメイク

描き方の動画も。印象を左右する、仕上がり別“眉メイク”4パターン

マスク着用が当たり前になった今、目もとのメイクの大切さを改めて感じている人は多いはず。なかでもワンパターン化しがちなアイブロウは描き方を変えるだけで、顔の印象がガラッと変わるもの。そこで、「抜け感・毛並み眉」、「ハンサム眉」、「コンサバ・オフィス系眉」、「カラー眉」の4種類の眉の描き方を、ヘアメイクアップアーティストがレクチャー。マンネリメイクにお悩みの人はぜひ挑戦してみて。

マスクをしていると気になるメイク崩れ!そんなマスク崩れを防ぐコスメ5選

マスクをしていると、皮脂や摩擦でメイクが崩れやすいことに悩む人も多いはず。どうすれば崩れにくくなるのかのポイントと、長時間メイク崩れを防ぐコスメをご紹介。涙や汗、皮脂、こすれに強く、1日中美しいラインをキープするアイライナーや、多孔質パウダー配合でメイク崩れの原因となる皮脂を抱え込んで防いでくれる化粧下地など、今すぐ手に入れたくなるコスメが勢ぞろい!

マスクによる肌荒れに関するQ&A

肌荒れしにくいマスクはありますか?

コットンやシルク素材など、摩擦が少なく肌にやさしい素材がよいと言われています。布製マスクでも、縫い目などが肌に刺激を与えてしまうこともあるので選ぶ際は気を付けましょう。不織布マスクは摩擦が生じて肌荒れに繋がることも。不織布マスクを使う場合は、同じ大きさの綿のガーゼを挟むと刺激が和らぎます。

また、サイズが合わない小さいマスクは摩擦を起こしやすくなるので要注意。顔のサイズに合った立体的な形のマスクがおすすめです。平面的な形だと凹凸のある顔にフィットせず、接触した部分に摩擦が起きて肌荒れリスクを高めてしまいます。

マスクのときファンデーションや日焼け止めは塗るべき?

ファンデーションや日焼け止めを塗ってもいいですが、マスクにファンデーションや化粧品が付着すると、細菌を寄せ集めやすくなります。また、マスクの着用で肌が荒れてしまういちばんの原因は、実は「乾燥」。

そこで、マスクを清潔に保ち、肌に負担になるものを減らしつつ十分に保湿することが大切になります。保湿力の高いコスメを使っていた人は、ライトなメイクに変えることで乾燥しやすくなることもあるので気を付けましょう。

マスクをし始めてから、特に口のまわりの肌荒れが目立ちます

肌のためを考えると、マスクをしないのがいちばんですが、今はなかなか難しい状況です。マスクを外すことで乾燥が進んでしまうため、保湿をしっかりしましょう。

多くの方が保湿の重要性を知っていると思いますが、見落としがちなのは保湿の回数です。朝晩の保湿で不十分に感じる場合は、日中に保湿を追加するといいです。ただし、1日5回以上の保湿は過刺激になってしまうのでご注意を。肌の状態に合わせて保湿の回数や保湿剤を変えるなどして、ご自身の生活に上手に取り入れてください。

お話をお伺いしたのは、宇井千穂先生

準ミス日本受賞・全日空客室乗務員・医学部卒業を経て、2019年に「やさしい美容皮膚科・皮膚科秋葉原院」を開院。アトピー性皮膚炎などの基礎疾患を持っていても、美容皮膚科の施術を受けられるようにと考え、悩みを持つすべての人に“やさしい”美容医療の提供をめざす。

WRITING/NOZOMI SUZUKI、ILLUSTRATION/HARUKA OSHIMA

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※記事は2021年10月7日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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