発酵食品と食物繊維の活用で、目指せ!シン・腸内美人

発酵食品と食物繊維の活用で、目指せ!シン・腸内美人

更新日:2022/10/18

美肌や健康につながるとして人気の「腸活」。そのポイントは、腸内の環境を整える腸内細菌のバランスを良くすることだそう。そこで役立つのが、発酵食品と食物繊維の食べ合わせ。この2つをうまく取り入れて、腸内環境を整えよう。

3つの腸内細菌をバランス良く保つのが腸活のポイント

腸内環境を整えるポイントとなるのは腸内細菌。ヒトの腸内には、およそ1000種類、100兆個もの細菌が生息していて、それらは悪玉菌、善玉菌、日和見(ひよりみ)菌の3つに大きく分かれている。

悪玉菌は3つの中で最も少ないけれど、たんぱく質や脂質が多い食事、不規則な生活、ストレス、便秘などが原因で大きく増えると、病気になりやすくなる。そんな悪玉菌の増殖を抑えたり、腸の運動を活発にしたり、食中毒や感染症を予防したりするのが善玉菌の主な役割。 日和見菌は、そのどちらでもなく、悪玉菌と善玉菌の様子を見て、優勢な方と同じ働きをする存在。

悪玉菌が増えても、善玉菌が増えすぎても、腸内環境は整わない。この3つの細菌が適切なバランスを保っておくことが、腸の健康にとって重要なポイント。

発酵食品を毎日食べて、善玉菌を摂取しよう

腸内細菌のなかでも善玉菌は、減りがちな菌なので、上手に増やすことが必要。善玉菌を増やす方法は大きく2つ。まずは、善玉菌を多く含む食品を食べて、直接摂取する方法。食品などに含まれる生きた善玉菌は「プロバイオティクス」とよばれ、摂取したり体に塗ったりすると、健康に良い影響があるそう。

プロバイオティクスは摂取後、腸内に一定期間存在するものの、住み着くことはないといわれるもの。そのため毎日続けて摂取し、腸に補充することが大切。プロバイオティクスは、ヨーグルト、乳酸菌飲料、納豆、漬物など、ビフィズス菌や乳酸菌を含む「発酵食品」に多く含まれる。これらの食品を毎日食べて、善玉菌を増やしていこう。


食物繊維を積極的に摂取して、腸内の善玉菌を増やそう

善玉菌を増やす2つめの方法は、善玉菌を増やす作用のある「プレバイオティクス」を摂取すること。先ほど紹介したプロバイオティクスが善玉菌そのものなのに対し、プレバイオティクスは、善玉菌が好むエサのようなもの。オリゴ糖や食物繊維がそれにあたるので、それらを多く含む食品を摂取することが必要。

特に食物繊維は、炭水化物の吸収を緩やかにし、血糖値の急激な上昇を防ぐなど、生活習慣病の予防にも役立つ強い味方。1日あたりの食物繊維の推奨摂取量は、18~64歳の男性で21g以上、女性で18g以上(※)と言われているけど、実際には不足していることが多いそう。食物繊維を多く含む、野菜類、海藻類、キノコ類、果物類、豆類 を意識して毎日の食生活に取り入れ、摂取量をアップしてみよう。

※ 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会 日本人の食事摂取基準(2020年版)

発酵食品と食物繊維の組み合わせがカギ

腸内環境を整えるには、プロバイオティクスで新しい、生きた善玉菌を摂取しつつ、もともと腸内に住んでいる善玉菌のエサとなるプレバイオティクスも摂取し、バランス良く腸内の善玉菌を育てていくことが大切。だから、善玉菌を直接摂取できる発酵食品と、善玉菌が好む食物繊維とをうまく組み合わせていくのがポイント。

プロバイオティクスとプレバイオティクスを組み合わせたものは「シンバイオティクス」とよばれ、それによって悪玉菌が減り、体に良い影響が現れたという研究結果も。
腸内細菌のバランスを整え、安定したよりよい腸内環境をつくるためにも、腸に良いとされる食品を摂取していこう。

教えてくれた人

今津嘉宏さん

芝大門いまづクリニック院長、藤田医科大学客員講師。
藤田保健衛生大学医学部卒業後に慶應義塾大学医学部外科学教室に入局。国立霞ヶ浦病院外科、東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センター等を経て現職。著書に『風邪予防、虚弱体質改善から始める 最強の免疫力』(ワニブックス)など多数。

WRITING/YAMAMOTO NAOE

※記事は2022年10月18日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります