女性の薄毛の原因とは?皮膚科の先生に聞いた女性の薄毛の予防や対策を紹介!

加齢とともに髪が抜け落ちて老けて見えてしまう、産後の抜け毛がひどくてアホ毛が目立つなど、髪の悩みをかかえる女性も多いのでは。そこで今回は、「やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院」の院長、宇井千穂先生に、女性の薄毛の原因や予防のための対策を教えていただきました。編集部おすすめのアイテムやQ&Aも紹介するので、薄毛で悩んでいる人はチェックしてみて。

更新日:2022/01/25

今回お話を聞いたのは・・・やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院 宇井千穂先生

1969年生まれ。1990年準ミス日本受賞。全日空客室乗務員を経て、北里大学医学部を卒業し、現在、皮膚科医、美容皮膚科医として、秋葉原駅近くにある「やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院」の院長を勤めている。皮膚科医としては、活性酸素とSODの研究による天然の治療薬を使い、アトピーを中心とした皮膚疾患を、美容皮膚科として美の研究も行い医療を提供している。web雑誌での連載やサプリメント、化粧品の監修など、多方面で活躍中。 病気を診るだけでなく、1人の人間として患者さんに携わっていける医師を目指している。先天性異常である18トリソミーやダウン症などの患者さんを取り巻く環境も考え、偏見をもたれやすい疾患に対しての活動も行う。

1.女性の薄毛の6タイプと原因とは

1-1.女性男性型脱毛症(FAGA)

女性の脱毛原因として一番多く認められるのが「女性男性型脱毛症(FAGA)」。この脱毛症は、女性の薄毛の半数ほどを占めるといわれている。50歳以降の閉経を迎える頃になると、エストロゲンという女性ホルモンが低下し、男性型ホルモンが優位になってしまうことが原因で、髪が抜け落ちたり、髪が柔らかくなったりして、分け目が目立つといった悩みが増えてくる。

この症状は、男性ホルモンが影響するため、男性型の脱毛症とよく似ている。

1-2.分娩(ぶんべん)後脱毛症

妊娠から出産後にかけて髪が抜け落ちるのが、「分娩型脱毛症」。通常時は、エストロゲンとプロエステロンという女性ホルモンは拮抗し合っているが、妊娠・出産によってそのバランスが崩れてしまうことが原因。

この脱毛症は一時的なものであり、出産後1~2年すると抜け毛がおさまり、元の状態へ戻ることがほとんど。

1-3.慢性びまん性休止期脱毛

頭髪が全体的に薄くなったように感じる人は、精神的ストレスや疲労、過度のダイエットなどが原因の「慢性びまん性休止期脱毛」の可能性が考えられる。

髪の毛には通常、「成長期・退行期・休止期」という一定のサイクルの毛周期がある。この中の成長が止まり、抜け落ちる準備をする休止期の状態の毛が多く存在することで、毛のボリューム感が少ないように感じてしまう。

1-4.脂漏性(しろうせい)脱毛症

脱毛だけでなく、頭皮に強いかゆみを感じ、フケが出る場合には「脂漏性脱毛症」の可能性も。皮膚の過剰な分泌によって菌が繁殖し、頭皮に脂漏性皮膚炎という炎症が起きてしまうのが原因とされることが多い。

加齢により、起こるともいわれているが、症状的にはアトピー性皮膚炎のように見られる場合もある。普段から頭皮を清潔な状態にしておくことで解消されることも多いが、改善されない場合は、医療機関での診察がおすすめ。

1-5.牽引性脱毛症・圧迫性脱毛症

ポニーテールなど、髪の毛をきつく結ぶヘアスタイルを頻繁に行うと、頭皮の同じ場所に強い負担がかり、血行不良につながる。こういった原因で起きるのが「牽引性脱毛症・圧迫性脱毛症」。

ケアとしては、ヘアゴム、ヘアピン、ウィッグなどの物理的な力が頭皮にかからないようにすることが大切。分け目を変える、髪を結ばないダウンスタイルを取り入れるなど、長い間同じヘアスタイルにしないようにしよう。

1-6.批糠(ひこう)性脱毛症

乾燥したフケが大量に出たり、頭皮にかゆみが出たりする「批糠性脱毛症」は、シャンプーのし過ぎで本来必要な潤いまで流してしまい、乾燥を補おうとして皮脂が多く産生されてしまうことが大きな原因。

結果フケなどの汚れや、毛穴から排出された老廃物が溜まって炎症が起き、脱毛につながってしまう。洗いすぎは乾燥につながり、フケも出やすくなるので注意したい。

2.【読者アンケート】薄毛で悩んでいる女性の事情

みんなは薄毛についてどんな悩みを抱えているの?取り入れている対策方法は?まずは巷の気になる事情を知るため、オズモール読者にアンケート調査を実施。(オズモール調べ:2021/4/1~2021/4/6、回答数823人)

Q.薄毛で悩んだことがある女性はどれくらいいる?

26%が薄毛に悩んだことがある

アンケートの結果、26%の女性が薄毛に悩んだことがあると回答。薄毛はどちらかというと男性に多いイメージがあるが、悩んでいる女性も少なくないよう。

Q.薄毛で困っている人の年代は?

40代~50代で悩んでいる人が多い

40代が最も多く35%、次いで50代が29%、30代が20%という結果に。40代は薄毛が深刻化し始める傾向があり、違いを感じやすい年代なのかもしれない。

Q.薄毛対策にどんなことをしている?

「育毛剤を使用する」が1位

女性のみにアンケートを行った結果、1位は「育毛剤を使用する」、2位は「バランスのよい食生活を心がける」、次いで「睡眠時間を長めにとる」だった。その他には「シャンプーを変える」や、とくに対策はないという意見も。

3.家庭でもできる女性の薄毛を予防するための対策

3-1.シャンプーなどのへアケアアイテムを変える

まず、自分の頭皮や髪に合ったシャンプーなどのヘアケアアイテムを使用することが大切。シャンプーごとに配合された洗浄成分や洗浄力が異なるため、自分に合っているかを一度使って試してみるのがおすすめ。万が一頭皮に合わなかった場合は、すぐに使用を中止して。

また薄毛予防には、髪や頭皮に負担をかけないようにシャンプーすることも大事。まずはシャンプーする前に、お湯だけでしっかりとすすぎ洗いをして、汚れを洗い流そう。

次に手のひらでシャンプーをしっかりと泡立ててから髪にのせる。女性の頭皮はデリケートなので、摩擦を与えないように、指の腹でやさしく洗い上げる。

すすぎ残しがないようにしっかりと洗い流し、髪を洗った後は十分に水分を拭き取って。濡れたままにすると、頭皮にもともと存在する雑菌が繁殖してしまうため、しっかり乾かすことが大事。

3-2.育毛剤を使用する

健やかな頭皮環境を保つ方法のひとつとして、育毛剤を取り入れるのもよい。育毛剤は髪を生やすものではないものの、頭皮の乾燥を防いだり、薄毛や抜け毛の予防のひとつとして使用するのはおすすめ。

シャンプーと同様に、頭皮に合わないものを使ってしまうとかぶれてしまうことも。実際に試して、自分に合った育毛剤を探してみて。

3-3.バランスのよい食生活を心がける

健康な体を保つことが、健やかな頭皮や髪を育てることにもつながる。タンパク質やビタミンBの摂取は効果的だが、特定の栄養に偏ることなく、バランスのよい食生活を心がけることが大切。

また、サプリメントを活用して足りない栄養素を補うことはよいが、あくまで食事バランスを整えることを基本に考えよう。

3-4.適切な睡眠時間を心がける

睡眠不足が原因で、薄毛につながってしまうことも。睡眠時間の適正量は人によって異なるため一概に正解はないが、一般的には7時間程度の人が多い。

昼間は活動し、夜はしっかりと睡眠時間を確保して、脳と体を休ませストレスをため込まないことを心がける。毎日の生活サイクルを整えることで、頭皮環境も整っていく。

3-5.タバコ・お酒を控える

タバコ・お酒を過剰に摂取することは、健康に悪いことはもちろん、頭皮や髪にとってもよくない環境。

とくにタバコは健康に有害となるので、控えるのがベター。基本、健康を害することは、頭皮や毛髪へも悪影響を与えてしまうので、喫煙している人は禁煙も検討してみて。

3-6.ストレスをためない

過度なストレスを慢性的に感じると、血流が悪くなり、髪まで栄養が行き渡りにくくなることも。その結果、円形脱毛症を含む一時的な抜け毛につながる可能性も考えられるので、なるべくストレスをため込まないようにすることが大切。

ストレス発散方法については、人それぞれ異なるので、運動したり趣味に没頭したり、自分に合ったやり方を見つけてみて。

4.編集部おすすめアイテム

アンファー

スカルプD ボーテ メディカルエストロジー スカルプセラム

80ml 7945円

おすすめポイント

・女性ホルモン「エチニルエストラジオール」をはじめ、3種類の有効成分配合
・30種の天然由来成分、「豆乳発酵液(ソイセラム)」配合
・6つの無添加

美しい黒髪を維持したいなら、スカルプDの育毛剤を要チェック。女性ホルモン成分「エチニルエストラジオール」や、頭皮環境を整える「グリチルリチン酸ジカリウム」など、3種類の育毛有効成分を配合している。

また、「アシタバ抽出液」「米抽出物加水分解液V」といった30種類の天然由来成分、「豆乳発酵液(ソイセラム)」を湿潤剤として配合している。

さらにシリコン、合成着色料、鉱物油など、6つの成分は無添加。同シリーズのシャンプーは育毛剤の浸透を妨げる汚れを洗浄するため、育毛剤とのライン使いがおすすめ。

資生堂

ザ ・ヘアケア アデノバイタル アドバンスト スカルプエッセンス

450ml 1391(Amazon)円

おすすめポイント

・独自の薬用有効成分「アデノシン」配合
・頭皮に潤いを与える保湿成分配合
・キューティクルも補修して、美しい髪へ

女性の抜け毛・薄毛の悩みをサポートする女性用薬用育毛剤。独自の薬用有効成分「アデノシン」がを配合し、健やかな髪と頭皮をめざせる。

また、アンズ果汁由来の保湿成分「APコンプレックス」や、「アシタバエキス」「ジプロピレングリコール」などを由来とした保湿成分「AGコンプレックスⅡ」などを配合。頭皮に潤いを与え、健やかに整える。

さらに、髪のキューティクルを補修する「オノニスエキス」を配合。頭皮だけでなく髪のケアもしたい人におすすめ。

5.女性の薄毛にまつわるQ&A

薄毛は遺伝するの?

遺伝の可能性は否定できないものの、ほかの要因も大いに考えられる。前述したように、生活習慣や食生活、睡眠時間が、影響する可能性もあるので、必ずしも遺伝だからと諦めないことが大切。

10代や20代の女性でも薄毛になってしまうことはある?

10代や20代などの若い世代でも、薄毛になってしまうことはある。ストレスや髪の結び方など、さまざまな原因が考えられるので、気になりだしたら早めのケアが重要。まずは基本のシャンプーの仕方やヘアケアアイテム、生活習慣などを見直してみて。

今回お話を聞いたのは・・・やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院 宇井千穂先生

1969年生まれ。1990年準ミス日本受賞。全日空客室乗務員を経て、北里大学医学部を卒業し、現在、皮膚科医、美容皮膚科医として、秋葉原駅近くにある「やさしい美容皮膚科・皮フ科 秋葉原院」の院長を勤めている。皮膚科医としては、活性酸素とSODの研究による天然の治療薬を使い、アトピーを中心とした皮膚疾患を、美容皮膚科として美の研究も行い医療を提供している。web雑誌での連載やサプリメント、化粧品の監修など、多方面で活躍中。 病気を診るだけでなく、1人の人間として患者さんに携わっていける医師を目指している。先天性異常である18トリソミーやダウン症などの患者さんを取り巻く環境も考え、偏見をもたれやすい疾患に対しての活動も行う。

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※記事は2022年1月25日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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