【福島県・会津エリア】ものづくりの町へ。素朴で愛しい織物の旅

【福島県・会津エリア】ものづくりの町へ。素朴で愛しい織物の旅

東京から新幹線と在来線で3時間。のんびりと電車で訪れるのは、ものづくりの町として発展した福島県西部に広がる会津エリア。なかでも注目は、古くから人々の生活を支え、彩ってきた会津木綿。現代の暮らしにも寄り添ってくれるアイテムを探しに出かけてみたい

更新日:2020/05/12

【STORY】ていねいな手仕事がつむぐ、会津木綿ものがたり

ストール5280円~は会津若松市の織元のほか、自社の生地でも展開。春の新色・ホワイト×グリーンなど季節商品も積極的に手がける

心地よく肌になじむ、時を超えて愛される会津木綿

日常を楽しくしてくれる逸品を探しに福島県の会津エリアの旅へ。城下町として栄えた会津若松を中心に、張り子、漆器など、さまざまな民芸品や工芸品が生み出されてきた。特に会津の風土と暮らしに強いつながりを感じさせてくれるのが、400年の歴史を持つ会津木綿。

代表の谷津拓郎さん(右)をはじめ、全スタッフでアイデアを出し合い商品を開発

綿100%の平織物は保温性と吸汗性にすぐれ、冬は極寒、夏は酷暑という会津に欠かせない存在に。主に農作業着や普段着に仕立てられ、1年中着用されていたとか。しかし、最盛期に30軒以上あった織元は時代の変化とともに減少。この状況を食い止め、会津木綿の知名度を高めたいと立ち上がったのが谷津拓郎さん。出身地の会津坂下町(あいづばんげまち)に、現代に合った会津木綿を提案するショップ+工房「IIE Lab.(イーラボ)」を設立した。

今年1月から全国の「中川政七商店」で販売が始まった自社ブランド「会津木綿 青㐂(あおき)製織所」のポーチ小1650円、トートバッグ小3080円

「まず地域に残った2軒の織元から生地を仕入れ、男女問わず使えるストールの製造を始めました。会津木綿の伝統的な縞模様は、色彩がさまざま。今のファッションにも取り入れやすく、若い世代にも受け入れてもらえると思ったんです。しかも会津木綿は厚手で丈夫。家庭用の洗濯機で気軽に洗えるし、長く使えます。洗って使うほどにやわらかさが増すので、育てる楽しみがあるんです」と谷津さん。数年前からは、廃業した町内の織元から譲り受けた約100年前の織機で、会津木綿の製造をスタート。

店内には会津木綿のストールを巻いた会津の郷土玩具・赤べこも

製造を担当するのは、谷津さんの活動に共感して東京から移住した千葉崇さんだ。「30年間動いていない織機だったので、最初の1台は修理だけで約1年半かかりました。織機の使い方は地元のおじいちゃんをはじめ、いろいろな方から教わりました。織物がどのように作られるかを伝えることも僕たちの役割です」自社で生地も製造することで、ストールのバリエーションも増加。パステルカラーやビビッドカラーといった現代風なものも揃う。「気になったストールはぜひ首に巻いてみて。実際に試してみると、意外な色が合うことも。模様と色の豊富さも会津木綿の魅力。お気に入りの1枚を探してください」と谷津さん。会津若松市の織元なども一緒に巡って、自分のスタイルに合う会津木綿を見つけよう。

IIE Lab.

幼稚園だった建物を活用した会津木綿のショップ兼工房。ショップには色とりどりのストールの ほか、衣服、バッグ、小物などさまざまな会津木綿のプロダクトを揃える。工房は見学可。

TEL.0242-23-7808 
住所/福島県河沼郡会津坂下町青木宮田205
営業時間/10:00~17:00 
定休日/日・祝 
アクセス/会津若松駅より坂下線坂下営業所行きバスで約35分、喜多方街道入り口下車、喜多方・坂下線喜多方駅 前行きバスに乗り換え約6分、青木下車徒歩5分、または会津坂下駅よりタクシーで約10分
※商品取扱店舗/会津ブランド館、スペース ア ルテマイスター、美工堂、福西惣兵衛商店ほか、県内14店舗

【SHOP】モダンに進化中!毎日を彩る縞模様を探して

地元出身の作家・Ducaの会津木綿を使ったテトラピアス/美工堂
会津木綿で作ったアトリエ「會空(あいくう)」のテディベア/山田木綿織元
バリエーション豊かな会津木綿にときめく/美工堂

【SAMPO】会津のレトロな町で、タイムトリップした気分に浸る

城下町・会津若松のシンボル/鶴ヶ城
まろやかな自家製あんが上品なあんみつ/cafe会津葵シルクロード文明館
大正期築の商家と蔵を利用したレトロな建物も/福西本店

福島県・会津エリア ACCESS, PLAN & MAP

福島県・会津エリア_日本のよりみち案内

ACCESS

東京駅より東北新幹線で約1時間20分、郡山駅下車。JR磐越西線快速に乗り換え1時間20分(快速は約1時間5分)、会津若松駅下車。市街地の周遊は会津若松駅または会津若松駅よりJR只見線で約3分の七日町駅から徒歩、バス、タクシーで。会津若松駅を発着、七日町駅前、鶴ヶ城入口などに停車する、まちなか周遊バス「ハイカラさん」「あかべぇ」(1日フリー乗車券1名600円)の利用も便利。会津坂下町へは、会津若松駅よりJR只見線で約35分、会津坂下駅下車、またはバスでアクセスを

TRAVEL PLAN

■1日目
09:00頃 東京駅を出発
12:00頃 会津若松駅に到着
12:30「料理旅館 田事」でランチ
14:00「美工堂」「山田木綿織元」でお買い物
16:00「cafe会津葵シルクロード文明館」でカフェタイム
18:30「Kaien Hostel & Cafe BAR」に宿泊

■2日目
08:00 宿を出発
08:30「會津壹番館」でモーニング
10:00「鶴ヶ城」を見学
11:30「満田屋」でランチ
13:00頃 会津若松駅より会津坂下駅へ
14:00「IIE Lab.」でお買い物&工房見学
16:40 会津坂下駅を出発
21:00頃 東京駅に到着

会津木綿のミニサイズハンカチをプレゼント

会津坂下町にある会津木綿の工房&ショップ「IIE Lab.」オリジナルの“てのひらハンカチ”を2名様にプレゼント。手のひらサイズのハンカチは、ポケットにすっきり収まり、バッグの中でもかさばらない大きさ。使い込むほどに風合いが増すから、手放せない逸品になるかも。プレゼント希望者は福島県会津エリアのアンケートに答えて応募を。カラーは編集部におまかせください。

PHOTO/MANABU SANO WRITING/MIE NAKAMURA(JAM SESSION)

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※記事は2020年5月12日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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