東京離島、船
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恋が生まれる!?船旅ダイアリー ~父島・母島編~

更新日:2019/07/30

竹芝客船ターミナルから南へ約1000km。固有種が多く生息する南の楽園・小笠原諸島には空港がないため、アクセスは定期船か観光船に乗って行く方法のみ! 今回は、片道24時間の定期船「おがさわら丸」で小笠原諸島・父島への船旅を体験してきた編集部Cが、長時間の航海ゆえに恋が芽生えるとうわさの船内の様子や、船での過ごし方を徹底レポート。船内探検やミニゲーム、星空観賞、船旅ごはんまで、お楽しみいっぱいの船旅をご紹介

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船旅をはじめる前に・・・

小笠原諸島への旅が決まったら、おがさわら丸のチケットを予約しよう。出航日の2カ月前から、小笠原海運のホームページor電話でチケット予約をすることができます。船室は2等和室から特等室まで、6つのタイプがあるので予算に合わせて選んでみて。特に夏休み期間はキャンセル待ちが出るほど人気なので、早めに予約するのがおすすめ。

■船旅の予算
小笠原海運が運航する大型客船「おがさわら丸」を利用。東京・竹芝客船ターミナルより24時間で小笠原諸島・父島に到着。料金は2等寝台の利用で大人1名54500円(往復)。
※料金は取材時2019年6月のものです。時期によって異なるので、詳細は公式HPでご確認ください

船旅を快適に過ごすためのアイテム

■必携品
・搭乗券引換書:乗船当日はチェックインカウンターで引換書を提出し、搭乗券を発行してもらう必要があります。忘れずに出力して持って行こう
・歯ブラシ・タオル類:船内での貸し出しはありません。船内売店での販売はありますが、持参するのが◎

■あると便利なもの
・酔い止め:海況によっては船が大きく揺れることも。船内では販売がないので、あらかじめ用意しておくといい
・本やオフラインで使えるアプリ:湾外に出ると(竹芝を出航3時間後~父島へ入港する約2時間前)電波が入らなくなるため、船旅を充実させるためのアイテムがあるとなおよし
・ビーチサンダルやスリッパ:船内では、船室への出入りが意外に多くなるので、旅行中に履く靴とは別に、脱ぎ履きしやすい靴があると便利です
・サコッシュなどの小型バッグ:貴重品ロッカーが用意されていますが、売店やレストランで現金が必要になる場面もちょこちょこ。移動中に大きなバッグを持ち歩くのも不便なので、携帯やお財布・ハンカチなどが入れられると◎
・カードゲーム:どうしても手持ち無沙汰になってしまったときの救世主! 初対面の乗客同士で遊ぶ姿もよくみられ、コミュニケーションのきっかけにも
・Suica:船内の売店で利用可能。船内ではチャージできないので乗船前にチャージしておこう

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画像提供/小笠原村観光局

【10:30】搭乗手続き&乗船/【11:00】出航!

いよいよ待ちに待った出航日。ゆりかもめの竹芝駅から徒歩1分の竹芝客船ターミナルで、まずはおがさわら丸の搭乗手続きを。搭乗手続き開始は9:30からですが、様子を見つつ少しゆっくりめに到着。チェックインカウンターで搭乗券引換書を提出して、搭乗券を発行してもらいます。

24時間もの船旅は初めてなので、万全を期すために酔い止め薬を飲んで船内へ。2016年に就航したばかりの3代目・おがさわら丸は広くてとってもきれい! さっそく船内探検をしたい気持ちを抑えて、出航したらサッと部屋に荷物を置き、外部デッキへ。デッキに出てみると、レインボーブリッジをくぐったり、海側から羽田空港の滑走路が見れたりと、いつもとはちがう角度から東京の景色を眺めることができますよ。

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【12:30】ラインナップ豊富な船上ごはんに舌つづみ

海風に吹かれながら東京の海景色を満喫したら、そろそろお腹が空いてきたので、船内レストラン「Chichi-jima(ちちじま)」へ。幅広い年齢層のゲストに満足してもらいたいという思いから、和洋20種類以上のさまざまなメニューが提供されています。カレーやラーメンなど、手軽に食べられるものはもちろん、ハンバーグやステーキなどの本格的なメニューも! スタッフの方におすすめを聞いて、記念すべき船旅1食目は、1番人気のオムライスをオーダーしてみました。

ここがポイント

常時提供されているメニューのほか、お刺身定食やタコライスといった、限定メニューも4~5種類ほど登場。悩んでしまったらレストランスタッフの方におすすめを尋ねてみよう!

DATA
船内レストラン Chichi-jima(ちちじま)
営業時間/11:15~14:00(13:30LO) 17:30~21:00(20:30LO) 翌7:00~10:00(9:30LO) 
※東京~父島航路の営業時間です。父島~東京航路は営業時間が異なります

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【14:30】船内レクチャー&外部デッキでひなたぼっこ

ランチを終えてまったり。東京湾内を出て、いよいよ携帯の電波が届かなくなってきました。これからなにをしようかな?と考えていると、レストランで“船内レクチャー”を行うとの船内放送が。おがさわら丸には島の解説員の方が乗船していて、小笠原諸島のなりたちや観光情報をわかりやすいスライドとともに教えてくれる、45分程度の船内レクチャー(※)というプログラムがあるのです。島に外来種を持ち込まないために気をつけるべきことなども知れるので、初めて渡航する場合は受けておくのがベター。

島のお役立ち情報をゲットし、父島旅へのモチベーションが上がったところで、ひなたぼっこがてらデッキに出て旅程のおさらいを。おがさわら丸には外部デッキと展望デッキがあり、チェアやテーブル、横になれるベンチも設置されています。読書をしたり、ぼーっと外を眺めたり、横になってお昼寝してみたりと、思い思いにスローな時間を過ごせるのが船旅の醍醐味ともいえますね。

※船内レクチャーが開催されない便もあります。詳細は小笠原ホエールウォッチング協会へお問い合わせください

ここがポイント

おがさわら丸には座ってのんびりできるスポットがいたるところに。乗客の中には小笠原旅のリピーターも多いので、隣り合わせになった方と自然に会話が生まれることもしばしば。ガイドブックには載っていない耳より情報をキャッチできるかも

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画像提供(右下)/小笠原村観光局

【夕方】船内探検に出発!

夜ごはんを食べるにはまだちょっと早いので、広い船内の散策へ。最初に向かった売店「ショップドルフィン」で、おがまるっとクイズ&スタンプラリー100円なるものを発見! 船内を見学しがてら、隠されたクイズの答えとスタンプを集めるミニゲームに挑戦してみることに。8層建ての船内をぐるりと巡ることができるので、船内探検にはもってこい! 途中で立ち寄った展望デッキでタイミングよく美しい夕日に遭遇。日没時間は案内所付近のボードに掲示されているので、事前にチェックしておくと◎。

ここがポイント

クイズ&スタンプラリーのほかにも謎解きゲームといった、船旅を盛り上げるための船内イベントがいくつか用意されています。4デッキの船内案内所付近にあるボードに掲示されているので、乗船したらまずはチェックを。クリアするとノベルティがもらえたりするのでチャレンジしよう

DATA
ショップドルフィン
営業時間/11:00~21:30 翌7:00~9:30 
※東京~父島航路の営業時間です。父島~東京航路は営業時間が異なります

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画像提供(右下)/小笠原村観光局

【20:30】ラウンジで1杯&満天の星空観賞

おがさわら丸名物のアップルパイで軽めの夕食を済ませた後、展望ラウンジ「Haha-jima(ははじま)」で大人の夜時間を。生ビールをはじめ、ワインやカクテルなど各種アルコールメニューを取り揃えるこちら。島ラムが効いた、パンチのある味わいの島カクテルは船内限定だから、ぜひオーダーしてみて。

すこしお酒を飲んで気分がよくなったところで窓の外に目をやると、あたりはもう真っ暗。もちろん周りにはなにもないので、デッキに出れば降り注ぐような満天の星空を見ることができます。展望デッキのベンチに横になって心ゆくまで星空を堪能しましょう。

ここがポイント

展望ラウンジはドリンク&フードの持ち込みもOK。隣のテーブルの方におすそわけをいただいたりすることもあり、店内は和気あいあいとした雰囲気です。知り合いができるチャンスなので、声をかけられたら遠慮なく輪に混ざってみよう

DATA
展望ラウンジ Haha-jima(ははじま)
営業時間/12:00~21:00(20:30LO) 翌7:00~10:00(9:30LO) 
※東京~父島航路の営業時間です。父島~東京航路は営業時間が異なります

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画像提供(上)/小笠原村観光局

【22:00】就寝

22時には外部デッキが閉鎖され、一部の船室エリアは消灯の時間を迎えます。シャワーを浴びて寝る準備をしたら客室へ向かいます。今回予約した2等寝台は、1部屋に2段ベッドがたくさん並ぶドミトリーのような客室。各ベッドにコンセントとベッドライトが備えつけられていて、カーテンを閉めるとプライベートな空間になるので快適に眠ることができますよ。明日からの父島旅にそなえて早めにおやすみなさい。

ここがポイント

2等和室・2等寝台・特2等寝台は22時に消灯されますが、シャワールームは24時間利用可能。部屋以外の船内は消灯されないのでご安心を

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【翌8:00】朝食/【9:00】イルカに遭遇できるかも!?自然解説に参加

翌朝7時、レストランの開店を告げる船内放送で起床。朝の支度を済ませて、レストランで朝食をいただきます。7時~9時30分の間はモーニングの提供時間。この日は、パンやスープ、目玉焼きにフルーツなど全6品の贅沢なしっかりモーニング1000円をチョイスしました。和食と洋食があり、その日の気分で選べるのが嬉しいポイントです。

朝食後は9時~10時頃まで、外部デッキで島の解説員の方による自然解説が開かれます。通り過ぎる島や生物についてレクチャーしてくれますよ。運がよければイルカやトビウオ、時季によってはザトウクジラに出会えることも!

※自然解説が開催されない便もあります。詳細は小笠原ホエールウォッチング協会へお問い合わせください

ここがポイント

一夜明けると、徐々に顔見知りが増えているのが船旅の不思議なところ。到着したら、島で一緒に遊ぼうと約束している人もいました。「あのときはどうも」なんて気軽にあいさつをしつつ、朝食を食べながら旅の情報交換をするのも楽しいですよ

【11:00】父島に到着!

朝食後、9時頃には小笠原諸島の最北端にある聟島(むこじま)列島を通過し、携帯の電波も届き始め、いよいよ父島の到着時刻が近づいてきます。荷物の整理をして下船に備えましょう。父島・二見港に到着したら、搭乗券を乗組員に渡していざ下船。24時間の船旅、おつかれさまでした!

航海時間が24時間と知り、時間がありあまってしまったらどうしよう・・・と不安でいっぱいだった乗船前。いざおがさわら丸に乗ってみると、広くてきれいな船内を歩きまわるだけでも楽しく、デッキから移ろいゆく海景色を眺めたり、船内イベントに参加したり、食事をとったり、ラウンジでお酒をいただいたりと、船内ではやることがいろいろあってむしろ休むひまがないくらい! 航海中は20時間くらい電波が届かないのですが、いつの間にかスマホを気にすることも忘れるのでデジタルデトックスにもなるし、時間つぶしアイテムがない分、勇気を出して乗客の方に話しかけるきっかけもできていい経験になりました。船はハイシーズンを除いて週に1便のみ、1回の航海は5泊6日が基本なので、長期休暇を活用して船の旅に出かけてみませんか?

PHOTO/MANABU SANO WRITING/CHIHIRO SUZUKI(OZmall)

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※記事は2019年7月30日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります