オズマガジン編集長のトリメキカメラさんぽ 2歩目

オズマガジン編集長の古川が、写真に撮ることで日常のトキメキを記録する「トリメキ」さんぽを始めました。「トリメキ」というのは、カメラマンの川島小鳥さんが日常のキラキラしたものやことを撮影するオズマガジンの連載でした。その「トリメキ」を小鳥さんから引き継いで復活させたのがこの連載。編集長は、愛機の「OLYMPUS PEN E-PL8」(ブラック)を片手に、今日はどこで「よりみち」をしているのでしょうか?

更新日:2017/08/22

潮の匂いに誘われて、路地を抜けて海へ

 こんにちは。オズマガジン編集長の古川です。僕が散歩をして、トキメキを感じたモノや景色を撮った写真をみなさんとシェアする連載「トリメキカメラ散歩」。2回目の今回は夏らしく「鵠沼海岸」を散歩してきました。

 前回雨の鎌倉を散歩したときに思ったのは、写真は難しいなぁということでした。いざ写真を撮ってみると、自分が思った以上に思った写真が撮れなかったのです。一方で#トリメキ でインスタグラムを検索してみると、僕なんかより投稿してくださっているみなさんの写真(投稿が1000を超えました。ありがとうございます)がほんとうに上手で、これは自分の写真を世の中に発表するのは気が引けるなぁと感じていました。

 でも「文章」と「いい文章」は似ているけれど別のモノのように、「写真」と「いい写真」だって別物です。そう考えたら、今までなんの練習も訓練もしてこなかった僕が、ある日突然「いい写真」を撮れるはずなんてないのです。

 では自分が「いい文章」を書くためになにをしているのかを考えたときに、僕が意識してしていることは「毎日なにかしらの文章を書く」ということでした。それならいい写真を撮ろうと思ったときにいちばん自分にフィットしたやり方は「毎日なにかしらの写真を撮る」ということなんじゃないかなと思いました。

 そのときふと思い出しました。カメラマンの川島小鳥さんは、いつ会っても肩からカメラを提げているのです。撮影じゃない日も、一緒にごはんを食べにいくだけの日も、必ずカメラを持っています。今まで意識したことはなかったけど、僕はあらためて「そういうことか」と思いました。

 と、いうことで(どういうことで?)、今僕のカバンには毎日「PEN」が入っています。機能性はもちろんですが、少しアナログ感のある黒いボディーがデザインとしてもお気に入りです。ストラップはモデルのKIKIさんからプレゼントしていただいたもの、ケースは岡山県の倉敷にある倉敷帆布の四角いカメラケース(ポーチ)を使っています。自分の身につけている物や持っているものを、自分で選んで、気持ちがいいものにすること。それは毎日を上機嫌にする、いちばん簡単な魔法です。

 毎日「PEN」がカバンの中に入っているようになると、うまい下手を悩んでいるよりも、だんだん日常を撮ることの楽しさの方が勝ってきました。それから写真のテクニカルな部分は学びや経験がモノをいいますが、どの部分を切り取ってどの部分をフレームに入れるのか、入れないのか? ということは、学びや経験よりも、その人の感性がストレートに出るものだということも少しずつ実感としてわかってきました。
 急に上手な写真は撮れないかもしれないけれど、自分らしい場面を撮ることはできるかもしれない。次第に僕はそう思えるようになりました。小説だって詩だって一緒です。その人がどこを見ているのか? そこにその人の個性が出る。つくづく、写真というのは文章と似ていると思います。

いつもの写真がぐっとセンチメンタルに

 鵠沼海岸の駅を降りると、もう海の匂いがしてきます。小さな商店街を抜けるとそこはもう海の入口。短い夏を惜しむように子供たちが僕を追い越していきました。僕は埼玉県の海のない町で育ったので、海に続く道というのはいくつになってもドキドキします。

 浜辺に出ると江ノ島がすぐ近くに見えてきました。そしていつのまにか出来ていた海の家から、楽しげなポップソングが聞こえてきます。浜辺では多くの人が思い思いのことをしていて、空ではトンビが海水浴客の食べ物を狙っていました。どこからどう見ても夏です。

 雲の多いどいんよりとした日でした。カメラを構えて数枚撮ってみるも、どうにも明るさが足りないし、夏の海の楽しい気分がいまひとつ表現できていないような気がしました。
 そこで、PENの人気の機能であるアートフィルターのヴィンテージをセレクトしてモニターを見てみると(効果を確認しながら撮れるんです!)、どこかノスタルジックな夏の景色が目の前に広がっています。
 まだまだ使いこなすには時間がかかりそうですが、このアートフィルター、かなりのバリエーションが選択できて、撮るシーンに分けて使いこなせると、なかなか面白い写真が撮れそうです。

過ぎゆく夏の思い出を1枚にとじ込める

 サザンの古い歌が流れる海の家でラーメンを食べて(海からあがって食べるラーメンってどうしてあんなにおいしいのでしょう)、疲れた体を休めていると、今年初めて「あぁ夏だなぁ」という感情が体中を巡っていきました。
 この気持ちともう少し一緒にいたくて追加でかき氷を。夏らしいことはできるときにしておかないと、毎日はあっという間に過ぎてしまいますからね。
 カウンターで削ってもらった氷を受け取ったら、シロップは好きなものを好きなだけかけ放題だと言うじゃないですか。こういうときにこうやって全色かけちゃったりするのって性格ですかね。絶対1種類か、せめて2種類くらいの方がおいしいですよね。でもいいのです。
 カメラを絞り優先(Aモード)にして、奥の暗い部分をぼかしてパチリ。なかなか味のある写真が撮れました。

 夏っぽい写真が撮れた(気がする)ところで、今日も時間切れです。散歩ばかりして生きていられたらいいですけど、そうもいきませんね。夏も短いから愛おしいのであって、ちゃんと季節があることもやっぱり素敵なことですから。

 さて、次はどこを散歩しましょうか。「PEN」がカバンに入っているだけで、日常がこんなにも豊かになる。それはほんとうに素晴らしい発見でした。また次回お会いしましょう。あなたが日常で撮影した写真も #トリメキ でぜひ投稿してみてくださいね。

みなさんの #トリメキ 投稿。今月の4枚

左上:@megzougram、右上:@boulogne2、左下:@14_kazu、右下:@miki_tea8406

「みなさんの日常の中のトキメキを写真にして、#トリメキ をつけて投稿してください」と呼びかけたところ、本当にたくさんのすばらしい写真が集まりました。どうもありがとうございます。みなさん本当に写真が上手で僕なんて当然足元にも及びませんし、編集部でもセレクトが難しいほどの力作が揃いました。今回選ばせていただいた4名の方にはプレゼントをお送りさせていただきます。僕もがんばります。

 みなさんも日常の中で撮影した #トリメキ写真を、インスタグラムでぜひアップしてみてください。#トリメキ をつけて投稿していただければと思います。引き続き投稿いただいた中から毎月4名の方の写真を編集部で選ばせていただき、こちらのページで紹介させていただきますね。紹介された方には、写真が楽しくなるグッズをプレゼント。11月の最終回はカメラもご用意しています。オリンパスの公式インスタグラムsweetphoto_olympusもフォローしてみてください。オリンパスのカメラで撮影された写真が投稿されています! 

僕が写真の参考にしているブログです

 オリンパスのカメラを持って世界を旅する「女性旅グラファー」の素敵な写真がアップされているこのブログは、写真の勉強にもなるのでよくチェックしています。独特の味のある優しい色味が特徴的な作品がアップされています。それからあらためて、いい写真というのは、伝えたいことがはっきりしているから画角が決まっているなあということがいつも思うこと。僕ももっともっと勉強していい写真が撮りたい。そう思わせてくれるブログです。魅力的な文章で素敵な旅先もたくさん紹介されているので、カメラを持って旅に出たくなりますよ。

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※記事は2017年8月22日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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