スタイルのある輝く女性・岸紅子さんの「Be Happy」ストーリー

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これから先どうしよう・・・30歳を前に一度は考えるこれからのこと。20代で華々しいキャリアを築きながら、体を壊してスローダウンを余儀なくされた岸紅子さん。どんな30代を過ごし“ホリスティック美容家”としての今に繋がったのか。これから30代を謳歌する女性たちにとって、道しるべとなるようなヒントをうかがいました。

更新日:2017/10/03

心の赴くまま、本当にしたいことへ舵きりを!
/ホリスティック美容家の岸紅子さん

心の赴くまま、本当にしたいことへ舵きりを!/ホリスティック美容家の岸紅子さん

立ち止まったら見えた、本当にしたいこと

「仕事を始めたのは早くて。18才からライターや読者モデルをして、23才で美容のマーケティング会社を起業しました。面白かったし、求められるのも嬉しくて、ひたすら働いてましたね(笑)」。ろくに食べず寝ず、徹夜明けの撮影や、1日100個のコスメを試して書くようなこともざらだった。連載を何本も抱え、ビューティ雑誌『MAQUIA』の表紙も飾りと、忙しさがピークを迎えた頃、突然体が悲鳴をあげる。「咳が止まらなくなり、夜中も発作で起きるようになったんです。病院に行ったら、ストレス性の喘息と診断されて。ステロイドの吸入剤でやり過ごしていたものの、次第に、手が震えたり動悸がするように。「さすがに命に関わるかも、と不安になって。ある日、発作で仕事に穴を開けてしまったんです。このままじゃ信用もなにもかも失う・・・と目の前が真っ暗でした」。

そんな時、ご主人からプロポーズされたそう。「弱っていたし、迷いなく(笑)。スローダウンするいい機会かなと。子供も欲しいし」。ちょっぴり気持ちが明るくなった。その矢先、ブライダルチェックで子宮頸がんと子宮内膜症が発覚する。「まさか!ですよね。今思えば、体温は35度台だったし、生理痛もひどかったりと予兆はあったんですが」。子宮頸がんは円錐手術をし、子宮内膜症はさらに重くてホルモン治療を1年半も続けた。その間、副作用による更年期症状にも悩まされる。「自分の不摂生が招いたとはいえ、この時期は本当にツラかったです」と岸さん。

緩和するために、漢方、アロマ、ハーブ、あらゆる自然療法を試みたそう。そのかいあってか、少しずつ免疫がアップ。体温も上がり、ついに妊娠もかなった。「心身とも救われた気がしました。これをきっかけに、外側ばかりにフォーカスするのではなく、内側からの“ホリスティック(統合的)”な美容を広めるのがミッションと考えるようになったんです」。

立ち止まったら見えた、本当にしたいこと

ツラい経験も糧に。行動力で想いをカタチに

心と体にいやおうなく向き合わされた30代前半。病気で仕事をセーブしている間に、本当は何がしたいのか、これから何十年先、子供を産み育てながらできることは?と、とことん考えたそう。「現代は、ライフスタイルの変化で女性特有の病気を患う人が増えていますよね。仕事をしながらこれらに向き合うのは相当きつい、というのが実体験であったからこそ、早くから体や心に向き合うことの大切さを伝える必要があると思ったんです」。

岸さんは悩んだ末、NPOの立ち上げを決意する。「難しいことだけど挑戦する価値がある。人生100年時代、ここで失敗したらまたやればいいと自分を奮い立たせました」。妊娠中にじっくりと構想を練り、それまで勉強して得た知識を集約してテキストに。2010年、健康と心と美とのつながりを体系的に学べる「ホリスティックビューティ検定」をスタートさせる。すると、編集者やライターなど美容や食を専門とする人から子育て中のママ、働く女子まで受講希望者が殺到。ホリージョ(ホリスティック女子)が続々と育成され、緩やかに、だけど着実に岸さんの想いは広がっていった。

「30代は苦しいこともたくさんあったけど、それを価値に変換できたんじゃないかな」と岸さん。「転んでもただでは起きない、みたいな(笑)。女性はたくましいから、どんなことも次に活かしていける。だからみなさんも色んな経験をして、味わい尽くして、自分だけの掛け替えのない価値に変換してほしいです」。

NPOを立ちあげ、初めて「ホリスティックビューティ検定」講座を開催したときの様子
NPOを立ちあげ、初めて「ホリスティックビューティ検定」講座を開催したときの様子

幸せになる習慣!“アロマ”と“未来年表”

自分らしくハッピーに生きるため、岸さんが習慣にしているのが“1日1回いい香り&目を閉じて深呼吸”。「現代は、感情や感性にフタをして、損得や効率を優先させなければならないことが多いですよね。それは脳にはとってもストレスなんです。自律神経を乱し、頭と心にズレを生じさせる原因になる。嗅覚(香り)の刺激は、感情や感性を司る“大脳辺縁”にダイレクトにつながっているから、そういったストレスを癒す力が高いんです」と岸さん。習慣にすることで心身が統合されやすくなり、自分の本音にも向き合いやすくなるそう。

また、30歳というターニングポイントでぜひ取り組んで欲しいのが“未来年表”作り。「子宮内膜症になって強く思ったのは、もっと早く言って教えてほしかった、ということ。もし自分が女性ホルモンのことを知っていたら…10年後をちゃんと意識していたら・・・とすごく悔いたんです。だから、みなさんにはこれから先自分と周りの大切な人たちがどうなるのかを想像してみてほしい。すると、色んなことが見えてきます。このくらいの時に出産し、これくらいの出世度が欲しい、持ち家は?親の介護は? 未来を見ながら地に足をつけ、今なにが必要かバックデートして考えてみて。想像しないと引き寄せられないから」。

岸さん著『Life is Beauty 幸せなキレイのつくり方』(PHP文庫)
岸さん著『Life is Beauty 幸せなキレイのつくり方』(PHP文庫)

【岸紅子さんのキーアイテム】
先輩女性のリアルヒストリーが詰まった1冊

「30代前半は、人生がとてもしんどかった」という岸さん。気づいたらキャリア以外なにもない・・・という人が周りにも多かったそう。そういう自分たちの指標になるものを、と作ったのが同書『Life is Beauty 幸せなキレイのつくり方』(PHP文庫)。岸さんが慕うアラフィフ女性7名に20~30代の過ごし方をインタビューしたもの。「登場人物が本当に逸材ばかり。別れたり、くっついたり、子供を5人産んでみたり(笑)。色々だけど共通するものもたくさんあって。女性として、自分らしく生きればそれでいいんだ!と元気が湧いてきます」

岸紅子さん

Profile
ホリスティック美容家・ホリスティックビューティ協会代表理事/岸紅子さん

慶応大学在学中に美容ライターを始め、卒業後にマーケティング会社を設立。美容アナリストとしても活躍する。その後、自身の病などの経験をもとに、美容家としていち早くホリスティックビューティのメッセージを発信。2006年にNPO法人日本ホリスティックビューティ協会(HBA)を設立し、多数の美容・健康・医療関係者とともに女性の心と体のセルフマネジメントを啓蒙する。

Information

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大好評のうちに終了したイベント「ホリスティックビューティライフ2017 美は知性~セルフプロデュース力を手に入れよう~」。第3回目となる今回は、ワークショップやセミナーのほか、オーガニックコスメやカラダが喜ぶ飲食ブースなどが登場。美しく健康になりたい女性は要チェック。

WRITING/KANO NUMATA PHOTO/YUKO CHIBA
衣装/CH CAROLINA HERRERA(CH Carolina Herrera銀座店 TEL.03-6274-6957)

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※記事は2017年10月3日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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