OZ発、関東プチトリップ vol.011 アートなニュースの宝庫・TOKYO

【毎週土曜日 16:00更新】
日々ロケハンに出かけたり、個人的に旅をしたりしているOZの編集部にとっては、毎日が新しい発見や出会いに満ちた小さな旅。ページには載らない裏話やエピソードをお届け。今回はオズマガジン編集部Iが、最新号のアート特集から、東京取材の裏話を紹介。

更新日:2016/09/17

全国で、東京で、アートが盛り上がっています

皆さんこんにちは。いま、日本全国でアートが盛り上がっていますね! オズマガジン最新号はそんな大盛り上がりのアートを大特集です。10月から始まる秋会期が待ちきれない瀬戸内国際芸術祭をはじめ、北は北海道から南は鹿児島まで。アートに詳しくなくても楽しめるイベントやアートな街への旅をご紹介しています。

秋の連休が楽しみだけど、なかなか旅行に行く時間は取れないかも・・・という方、大丈夫です。実は東京にも今年はアートなニュースがたくさんあるんです! 今年オープンした小さな街のギャラリーや連日行列のミュージアム、世界遺産登録された美術館に、この秋オープンの最新美術館まで。

今回はそんなニュースとともに、東京で楽しめるアートなおさんぽスポットを集めた「東京アートさんぽ」のコーナーから特に注目のスポットや、取材・リサーチ中にしたアートな体験をお届けします。

(c)Peanuts

(c)Peanuts

かわいすぎるミュージアムで癒されて

まず撮影させていただいたのは、六本木に今年オープンした「スヌーピーミュージアム」。
撮影は閉館後に行いました。閉館後のミュージアムに入るのは、なんだかいけないことをしてるみたいでドキドキ。映画みたいにスヌーピーが動き出す!・・・なんてことはもちろんありませんが、とても貴重な経験をさせていただきました。

この写真はメインとも言える「3Dピーナッツ」。4コマのコミック画をなんと4452枚使って作られたモザイク画なんです。入場者に配られるチケットにも印刷されていて、一部は同じ絵柄が使われていることがあるそう。同じものを見つけようと隅々まで探していく人もいるそうですが、没頭すると閉館しちゃうので、見つけたらラッキー!くらいにしておくのが賢明です。なにせ4452枚ですから・・・

個人的に絶対体験して欲しいのは、ある柱を触ること。実はミュージアム内に、スヌーピーの触り心地を体感できる柱があるんです! もふもふふわふわ・・・ああ、柱がこんなにもかわいく思える日が来るなんて・・・誰もいないのをいいことに、思い切り抱きつかせていただきました。ごめんなさい。しかし、この体験のおかげでスヌーピーミュージアムをおすすめするときに必ず話すお気に入りポイントになったのでした。

(c)Peanuts

(c)Peanuts

祝・世界遺産登録!国立西洋美術館

今年7月に、都内初の世界文化遺産に登録された国立西洋美術館。建築物としても注目されていて、作品はもちろん建物を見ているのも楽しい美術館です。

10月から開催される「クラーナハ展―500年後の誘惑」は、ドイツを代表する芸術家ルカス・クラーナハの日本初となる大回顧展。この展示会に反応したのは、アートが大好きな編集Sでした。なんでも、大学の卒業論文でこのクラーナハについて調べたそうで、「この展示は絶対行きたい!」と鼻息を荒くしております。

(というわけで、ここからはSにバトンタッチ)

ご紹介に預かりました、クラーナハ大好き編集Sが彼の魅力を紹介させていただきます! 
まずクラーナハって誰? という人も多いと思いますが、実はみなさんも一度は彼の絵を見ているはずなんです。世界史で「宗教改革」って習ったの覚えていませんか? その指導者ルター。教科書に必ず出てくる彼の肖像画を描いたのが、このクラーナハ。彼は宮廷画家に任命されたほど当時ドイツで人気の画家で、時の人であるルターとも親交があったのだそう。

そしてなんといっても彼の絵の最大の魅力は、イラストちっくな女性の描き方! 当時芸術の都・イタリアではいかにリアルに(そして立体的に)描くかが追求されていましたが、クラーナハはそんなのお構いなしに我が道を突き進んでいるところがおもしろいんです。アイラインをキュッと引いたようなキリリとした目元、意味深な微笑み・・・。「小悪魔系」な表情にノックアウトです。

また、彼の描く女性は手足が長くすらりとしていて、500年経った現代の美の基準とマッチしている点も見逃せません。と、まだまだ彼の魅力は語り尽くせませんが、生で観る彼の絵は色も鮮やかでとっても美しいので、(とくに青の使い方が素晴らしい!)ぜひみなさんも世界遺産となった美術館とともにクラーナハ作品も楽しんでくださいね。

祝・世界遺産登録!国立西洋美術館

オフィス?呑み屋街?不思議が不思議を呼ぶ中野ブロードウェイへ

もうひとつ驚いたのが、中野ブロードウェイにある「Office Zingaro Yokocho」。入口と思われる扉の周りには「ようこそ」「完全会員制」などの貼り紙があり、フロアマップには呑み屋らしき名前がずらり。昔懐かしい呑み屋街のようなこの場所が、なんとオフィスだというのです。

ここは村上隆さんが率いるカイカイキキというアート作品制作やアーティスト・マネジメントをされている会社のオフィス。「ようこそ」と書いてあるけど入ってもいいのか・・・会員にならないと入れないのか・・・と周りをうろうろしていると、スタッフの方が出てきたので意を決して話し掛けてみることに。貼り紙などはすべて意味はなく、完全なるオフィスのため関係者以外は入ることができないとの回答が・・・。

呑み屋のようなスペースも、打ち合わせや作業のためスペースで、お仕事をするための場所だそうなのです。会員にもなれないし、お酒も飲めないけれど、素敵なアートを生むための遊び心あふれるオフィスでした。知らずに周りをうろついていた私はさぞ怪しい人だったことでしょう・・・。

見学などはできないということですが、外からその外観を見ることはOKとのこと。横丁の中では皆さん真面目にお仕事されているので、迷惑にならないようにちらっと覗いてみてはいかがでしょうか。

ブロードウェイ内にカイカイキキさんが運営するギャラリーやカフェがあり、そちらはもちろん利用OK。ほかにもおもしろいものが満載のブロードウェイでお買い物を楽しみつつ、展示や食事にも訪れるブロードウェイめぐりも楽しいかもしれませんね。

中野ブロードウェイへ

とにもかくにも、アートでわくわくしましょう!

東京ではほかにも、下北沢や代官山、天王洲など全9エリアでアートなニュースと周辺おさんぽスポットを紹介しています。遠出は難しいという人は、参考にしてみてくださいね。この秋冬に行われる展覧会もまとめていますよ~。

遠出をしたいという人も、近場で楽しみたいという人も、ぜひオズマガジンを手に取ってもらえたら嬉しいです。「すごい!」「なにこれ!?」「よくわかんないけどおもしろい!」・・・そんなわくわくする気持ちさえあれば、アートはきっと、とても楽しいものになると思います。全国でも東京でも、アートでいい1日を。

とにもかくにも、アートでわくわくしましょう!

OZmagazine 10月号「わくわくするアート旅」特集

オズマガジン

発売日/2016年9月12日(月)
価格/640円
販売場所/全国の書店、コンビニエンスストア、駅売店などで発売中

※記事は2016年9月17日(土)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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