関東 日帰り 出会い旅 Vol.010 /自転車でめぐるご近所旅(神奈川県茅ヶ崎市)【後編】

関東 日帰り 出会い旅 Vol.008

【毎週土曜 6:00 更新】
東京から90分以内の日帰り圏内。その円を広げてみると、そこにはとても豊かな自然や、新鮮な景色が広がっています。身近なようでまだ知らない「関東の田舎」で、地元を愛するみなさんと触れ合いながらの、楽しい週末旅はいかが? 今回はのんびりリズムが心地よい神奈川・茅ヶ崎の後編。旅人は編集者/プランニングディレクターの磯木淳寛さん!

更新日:2016/10/03

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■出向いた町/神奈川県茅ヶ崎市

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新宿駅から電車で約70分。東京や横浜のベッドタウンであり、週末になると都内からのサーファーがビーチに集う、マリンスポーツで有名な町。しかし、海だけでなく、実は里山も充実していることはあまり知られていない。自然に恵まれた自由な町の雰囲気が引力となって、個性的な人たちが多数住むエリアでもある。

■会いに行った人/池田美砂子(いけだみさこ)さん

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大好きな茅ヶ崎でサーフィンやランニング、ヨガをしながらゆっくりと毎日を楽しむひとりの娘のお母さん。また「文章を通して、社会にワクワクを生み出し、自分の人生を肯定できる人を増やす」ために、 日々文章を書き続けているフリーライター。湘南地域のwebサイトでの執筆も手がけており、地域の人や情報に精通。

潮風を感じる海沿いのサイクリング

茅ヶ崎の町をレンタサイクルで巡る。いつも乗っている自転車なのに、旅先ではなぜか新鮮なのがすごく不思議です。茅ヶ崎編前半に続いて、後半では、潮風に誘われて海に向かいました。

池田さん:せっかく茅ヶ崎まで来てもらったので、海までサイクリングしましょうか。自転車ならそんなに遠くないですし。

磯木:やっぱり海は見ておかないとですね!

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池田さん:ここが、茅ヶ崎が輩出したサザンオールスターズにちなんで名付けられた“サザンビーチ”です。私も毎週家族でサーフィンしに来ています!

磯木:こんなに近くに海があるなんて、都心のサーファーに羨ましがられそう。あの、“C”のモニュメントは?

池田さん:サザンビーチのシンボルで、Cの右側に切れ目に人が立つと、円(縁)になる縁結びの名所です。結構人気があるスポットですね。

磯木:アルファベットのCは茅ヶ崎の頭文字なんですね。海の陽射しが眩しくてきれいです。ところでそろそろちょっとどこかで休みません?

池田さん:そうしましょうか。今日は満月なので、月に一回だけ開催されている“満月バー”に行きましょう。

磯木:月に一回だけ!それは楽しみです!

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17時過ぎでしたが、すでに何組ものお客さんがほろ酔いの様子。

月に一度、満月の日だけオープンする『満月・宮酒ワインバー』

池田さん:着きました!ここが『満月・宮酒ワインバー』の会場です。

磯木:住宅街の中を通っていたと思ったら突然開放的な空間が開けてびっくりしました。ここはどういうところ?

池田さん:ここは『リベンデル』という場所で、会員制の貸し農園兼イベントスペースなんです。私も農園の会員で娘と一緒にちょくちょく通ってますよ。彼がここの代表の熊澤弘之さんです。

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熊澤さん:どうも、こんにちは!茅ヶ崎って今でこそ海のイメージが強いけど、つい数十年前までは田畑がたくさん広がっていたんですよ。『リベンデル』では、ここで育てた大豆から味噌と醤油を作ったり、お米作りや塩づくりもしています。

磯木:すごい、なんでも作っちゃうんですね。みんなで一緒にやったらすごく楽しそう。この建物は?

熊澤:祖父が遺した土地で数年前までは廃屋でしたが、9ヶ月かけてきれいに直して池を掘ったり、“次世代に有益な場を残そう”というテーマで、誰でも気軽に集えるような場所として作り替えました。母屋の方では随時、フラやヨガ教室、ママたちが主催するマーケットを開催しています。

磯木:みんなが思い思いに楽しめる場所なんですね。今日もその一環として『満月・宮酒ワインバー』が開催されているわけだ。

熊澤:そうです。たまには外で月を眺めながらワインやビールもいいもんですよ。料理も毎月この地域のお店が入れ替わりで出してくれていますし、冬は焚き火を囲んだりと、季節ごとに楽しんでもらえるようにちょっとづつ工夫しています。

磯木:いいなあ、こんな場所。ぼくんちの近所にも欲しいくらいです。そろそろ我慢できませんね…。料理とお酒を頂きます!

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夜が更けるにつれて、やがて席は満席に。ワインだけでなく、ビールや料理も地元のものが使われていて、どれもおいしい。

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旅を終えて

まるで旅というよりも、地元の日常に紛れ込んでしまったような1日だった。それはおそらく、自転車で回ったこともひとつの理由だし、『リベンデル』でお酒を媒介にして地元の方と話したことも理由だろう。海に入らなくても、穏やかな波のような感触を感じられる、ほどよく肩の力の抜けた町。思い思いに生きている人たちとの交流は、帰り道、じんわりと「楽しかったな」と思わされた。

【関東日帰り出会い旅 at 神奈川県茅ケ崎市】今回出会った場所と人

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・ディスカバ チャリ太
茅ヶ崎市内10ヵ所以上の商店で貸し出し中/1回300円


・リベンデル
茅ヶ崎市矢畑183
農園の会員は随時募集中/各種イベントやワークショップも随時開催中。
問い合わせ:080-2243-3564

・満月・宮酒ワインバー
毎月満月の夜にリベンデルを会場として開催中。

■著者/磯木淳寛(いそき あつひろ)さん

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食と地域を耕す編集者/プランニングディレクター
自然と共生する価値観と地域の可能性をテーマに雑誌媒体などに取材・執筆・企画。2013年から現場に身を投じるべく、海と里山のある千葉県いすみ市に在住。地域の営みを観察し未来をつくる書き手を増やすための合宿型ライター・イン・レジデンス「ローカルライト-地域の物語を編む4日間」を主宰し、全国で開催。石巻復興まちづくり情報交流館コンテンツ編集デスク。季刊自然栽培「見えないものを見る」連載中。近刊予定として『房総いすみ~地方で実現する生き方としての小商い(仮題)』(2016年初秋発刊予定)。

※記事は2016年10月3日(月)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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