旅の目的にしたい イベント・祭り・フェス 「札幌国際芸術祭」にアートな旅へ出かけよう

東京で旅を感じるイベント

365日の中で、この日だけしか見られない景色、会えない人、体験できないことが日本中にはたくさん。旅の目的にする価値のある、イベントやお祭り、フェスをご紹介。

更新日:2017/07/29

旅をしながら芸術に触れる。札幌の街がアートに染まる57日間

旅の目的にしたいイベント
札幌芸術の森

北海道屈指の観光都市・札幌は、時計台や赤レンガ(北海道庁旧本庁舎)の観光はもちろん新鮮な山海の幸やショッピングも楽しめ、少し足を伸ばせば北海道ならではの大自然を満喫できる人気の旅行先。そんな札幌を舞台に、2017年8月6日(日)から10月1日(日)の間、「札幌国際芸術祭2017」が開催される。3年に1度、札幌市内各所で開催される芸術の祭典で、2回目となる今回は、NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」のテーマの作曲で知られる音楽家の大友良英をゲストディレクターに迎え、「芸術祭ってなんだ?」をテーマに100組を超すアーティストが参加! 最先端の技術を活用したものから懐かしさを感じる作品まで、市内各所で公開される。緑に囲まれた広大な敷地を有する札幌芸術の森やモエレ沼公園、都市の活気と歴史か?同居するまちなかエリアなど、会場を巡るだけで札幌の魅力を体験できるはず。

旅の目的にしたいイベント
モエレ沼公園

今回、大友が「はじまりの地」と位置づけたモエレ沼公園はぜひ訪れたい会場のひとつ。世界的な彫刻家イサム・ノグチが基本設計を行い、「公園全体をひとつの彫刻作品」としている。189ヘクタールにおよぶ広大な敷地に、石狩平野を囲む山脈を一望できるモエレ山や、最大25mまで吹き上がる「海の噴水」などが配置され、自然とアートが融合した美しい景観を楽しめる。
こちらでは、ノグチのインスピレーションに満ちた場(=Playscape)が、今を生きる作家のインスピレーションによって新たに再生(=Replay)される「RE/PLAY/SCAPE」と題した展覧会を開催。屋内空間では大友良英+青山泰知+伊藤隆之による100台以上の中古レコードプレーヤーを使用した作品≪without records≫の新作発表も。松井紫朗によるバルーン状の彫刻作品や、かつてモエレ沼公園が不燃ゴミの最終処分場であったという歴史に焦点を当てた伊藤隆介によるジオラマの映像作品などがコラボレーションしていく。新しい創造の舞台となるモエレ沼公園に訪れてみて。

旅の目的にしたいイベント
大風呂敷プロジェクト 撮影:山岸清之進

また、布を集めて縫い合わせ、パッチワーク状の大風呂敷をつくって広げる「大風呂敷プロジェクト」にも注目。このプロジェクトは、「市民と一緒につくる芸術祭」を象徴するものなのだそう。もともと、震災後の福島で行われたフェスティバルから始まり、日本各地へ広がっている大風呂敷プロジェクトを、今年の「札幌国際芸術祭2017」では過去最大規模で展開。出現するカラフルな大風呂敷は、びっくりするほどの大きさで、広げれば一瞬にして目の前の景色がハレの場に変身。会期中は、大風呂敷が常設で市内各所に掲示されるほか、オープニングやクロージング、マレウレウ祭りをはじめ、さまざまなイベントの機会に大風呂敷を広げて盛り上げる。

旅の目的にしたいイベント
大漁居酒屋てっちゃん 撮影:藤倉 翼

今まで、芸術とは直接的に関わりがないとされてきたものが展示されるのも「札幌国際芸術祭2017」のおもしろさのひとつ。「札幌の三至宝 アートはこれを超えられるか!」と題した企画では、1994年6月に開館した「レトロスペース坂会館(本館)」や、20年の歳月をかけて店内を様々なモノで埋め尽くした「大漁居酒屋てっちゃん」、2010年に閉館した北海道秘宝館にあった蝋人形「春子」の写真などが登場する。

そのほか、「札幌国際芸術祭2017」では、見るたびに形を変える作品や即興でつくられる作品も。会期中、何度でも有料会場に入場可能なパスポートで訪れれば、鑑賞するたびに新しい発見があるはず。北海道で芸術に触れるアートな旅をしよう。

札幌国際芸術祭2017

旅の目的にしたいイベント

開催日/2017年8月6日(日)~10月1日(日)
主な会場/札幌芸術の森、モエレ沼公園、まちなかエリア、円山エリア、札幌資料館、JRタワープラニスホール、札幌大通地下ギャラリー 500m美術館ほか
パスポート料金(当日券)/一般2200円、札幌市民・北海道民 1800円、高校・大学生 800円
※中学生以下は無料です(一部会場を除く)
※障がいのある方および介助される方1名は無料です(会場窓口で障害者手帳などを提示)
※代金お支払い後の変更、払い戻し、再発行はいたしかねます
※一部会場では別に料金が必要となります
問い合わせ/TEL. 011-211-2314(札幌国際芸術祭実行委員会 事務局)
札幌市中央区北1条西2丁目

<各イベント詳細>
■「RE/PLAY/SCAPE」
時間/10:00~17:00、土曜・8月11日(金・祝)・9月17日(日)10:00~19:00
休館日/9月9日(土)
会場/モエレ沼公園
■「NEW LIFE:リプレイのない展覧会」
時間/9:45~17:30(最終入場17:00)、9月1日(金)以降9:45~17:00(最終入場16:30)
休館日/無休
会場/札幌芸術の森
美術館(クリスチャン・マークレー、刀根康尚、鈴木昭男)、 野外美術館(藤田陽介、鈴木昭男)、工芸館(EY?)、 有島武郎旧邸(鈴木昭男)
■大風呂敷プロジェクト
時間/各会場に準ずる
会場/JRタワーコンコースほか市内各所に展示。SIAF2017のイベント会場にも随時登場
■札幌の三至宝 アートはこれを超えられるか!
開催場所/北専プラザ佐野ビル 地下1階
時間/13:00~20:00
休館日/月曜 ※8月7日(月)、9月18日(月・祝)は開館

WRITING/NOZOMI SUZUKI

※記事は2017年7月29日(土)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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