マネー特集TOPへ

漠然としたお金の不安に備える方法って?30代独身女性を例にFPが解説

更新日:2021/08/22

仕事はひと通り覚えたし、貯金も少しはできた。いまのところ結婚や出産の予定もないけれど、別に一生独身でいようと決めたわけじゃない。どんな風にお金や将来への漠然とした不安を乗り越えたらいいの? そんな30代独身女性を例に、漠然としたお金の不安に備える方法について、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんにわかりやすく解説してもらいました。

老後は必ずやってくる。老後資金の運用を始めよう

老後は必ずやってくる。老後資金の運用を始めよう

30代にとってまだまだ老後なんて遠い話。ついついお金について考えることを先送りしてしまったり、ライフプランが未定だから、とりあえず貯蓄しておけばいいかと思っている人も多いのでは? 
「結婚してもしなくても、子供がいてもいなくても、必ず老後はやってきます。ライフプランが立たないからとすべてを貯蓄するのではなく、ライフイベントに備えるお金と老後資金にお金を色分けしてみましょう。
例えば、すでに500万円の預貯金があるのなら、半分の250万円は結婚や出産、住宅購入などのライフイベント資金としていつでも使いやすい預貯金にしておき、残りの250万円については老後資金と考えて、iDeCo(イデコ)やNISA(ニーサ)などの非課税投資口座で運用するというイメージです」(氏家さん)

どうして老後資金は運用したほうがよいの?
「老後資金は投資先を分散して、時間をかけて複利運用することで、元本割れのリスクを抑え、増えることに期待しやすくなります。現在の貯蓄額がまだそれほどない人は、まずは貯蓄を300万円ほど確保して、その後は投資にもお金を振り分けて積立投資を始めてください。こうした準備をしておけば、これから先どんなライフスタイルになったとしても、老後を前にあせらなくてすむでしょう」と氏家さん。

そもそも300万円の貯蓄まで遠い人は?なにから手をつければいい?

そもそも300万円の貯蓄まで遠い人は?なにから手をつければいい?

とはいえ、300万円の貯蓄はハードルが高いと思う人もいるはず。
「今からあと何年間で300万円を貯めるか、そのために毎月いくらずつ貯蓄をするのか、目標を具体的に設定しましょう。

ポイントは、いつまでに300万円を貯めたいのか、期限を先に区切ることです。例えば、今の貯蓄額が50万円なら、300万円まではあと250万円必要で、これをあと5年間で貯めようと思ったら、1年あたり50万円貯めることになります。これは、毎月4.2万円×12カ月、もしくはボーナスのある人なら毎月3万円×12カ月+ボーナス月7万円上乗せ×年2回、という形でもいいでしょう」と氏家さん。

目標を具体的に設定することで、計画を立てられる状態に。では貯蓄をするためには、なにから始めればいい?
「貯蓄をするためには、固定費の見直しから始めます。家賃や水道光熱費、通信費、保険料、習い事代、各種サブスクなど、クレジットカードの利用明細などを見て引き落とされているものをひとつずつ確認しながら無駄を探していきます。

続いて、日々の変動費にも注目します。外食費、食費、おやつ代、洋服代、コスメ代、交通費、エンタメ代、カフェ代など細かく見ていって、無駄が多そうな項目があったら、1カ月の予算を設定し、予算内で納めるように支出を記録していきます。

積立額が大きい場合、かなり大きな見直しが必要になる場合もあります。節約だけでは厳しいなら、副業で稼ぐなど収入を増やす道も選択肢に入ります」(氏家さん)

気合を入れて目の前の仕事に取り組む

気合を入れて目の前の仕事に取り組む

また目の前の仕事にしっかり取り組むことも大切だと氏家さん。
「今後、結婚や出産をすると仮定した場合、残業できない状況や、自己投資などには時間を割きにくい状況になる可能性もあります。自分の時間を100%自分のために使えるのは独身生活の特権です。
しっかりとしたアウトプットできる能力を今のうちに身につけておけば、お金で時間を買うこともしやすくなります。これから先どんなライフスタイルになっても怖くはないでしょう」と氏家さん。

ライフプランが決まっていないからこそ、将来の自分のために今がんばってみることも大切だということ。

「もしもなんとなく仕事をしているな、と感じる人がいたら、いま一度、気合を入れて仕事に取り組みなおしましょう。仕事に役立つ勉強を始める、社内外のネットワークを意識的に構築するなど、できることはたくさんあります。

いまの仕事にどうしてもそこまで本気で向き合う気になれないというのであれば、転職も選択肢に入るかもしれません。本気で打ち込める仕事を求めて、準備を始めましょう」(氏家さん)

教えてくれた人

氏家祥美(うじいえよしみ)さん

ハートマネー代表。
ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。家計の見直し相談や講演活動を通じて、お金の基礎知識を伝えている。お金だけじゃない『幸福度の高い家計づくり』を総合的にサポートしている。zoomなどを使ったオンラインでの家計相談も受付中。

【マネー特集】働く女性のお金のハナシ

【マネー特集】働く女性のお金のハナシ

先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。

※記事は2021年8月22日(日)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります