横浜・八景島シーパラダイス

【イルカのトレーナーに取材】イルカたちに教わった新しい日常の笑顔の秘訣とは

更新日:2021/02/18

多くの変化があった2020年。緊急事態宣言に伴い、一定期間の休館を余儀なくされた水族館。その裏には、働くスタッフのさまざまな想いがあったはず・・・。そこで、イルカのパフォーマンスが見どころのひとつでもある「マクセルアクアパーク品川」と「横浜・八景島シーパラダイス」のイルカのトレーナーに話を聞きました。無邪気なイルカの魅力と、トレーナーたちの前向きな姿に、パワーをもらって!

横浜・八景島シーパラダイス
パフォーマンスを披露した後はバックヤードで大好きなアジやイワシをあげ、たくさん褒めるのが日課。「通じ合っているように見えても、イルカと人間は周波数が違うため、こちらの声は聴こえません。でも気持ちが伝わる気がして、つい話しかけてしまいます」(横浜・八景島シーパラダイス/トレーナー松原さん)

無邪気に遊ぶイルカにきっと誰もが思わず笑顔に

旺盛な好奇心と高い知能で知られ、トレーナーとの息の合ったコミュニケーションやジャンプの際の流線型の美しい姿など、イルカの魅力はたくさん。

多くの変化があった2020年。春の緊急事態宣言に伴う影響は水族館も例外ではなく「マクセルアクアパーク品川」と「横浜・八景島シーパラダイス」は、2月末から3カ月の間の休館を決めた。しかしその間もイルカたちとのコミュニケーションは欠かさず取っていたそう。なぜなら、イルカにとってトレーニングは遊びの延長だから。たとえ観客がいなくてもジャンプをし、なでてもらったり、声を出したり、いつだって楽しいことを探している生きものなのだ。同時にそのトレーニングは健康管理の一環でもある。

横浜・八景島シーパラダイス
上/さまざまな声色を持ち、海のカナリアとも呼ばれるシロイルカ(別名:ベルーガ)。パフォーマンス序盤にプールからひょっこり顔を出す愛嬌たっぷりのシーマ。下/約4mの大きな体で水吹きを披露。

「休館時は勤務時間の大半をイルカとの触れ合いに充てることができ、イルカの体調や小さな変化など、より観察に時間をかけました。でも心配よりも、イルカたちに励まされるばかりでした」と話すのは、アクアパーク品川でイルカトレーナーを務める木村さん。

「いつまで休館なのだろう・・・ともどかしさを感じることもありましたが、イルカたちはいつもと変わらず『おはよう、遊ぼうよ!』と毎朝、迎えてくれる。そんな無邪気な姿の前で、自然とこちらもスイッチが切り替わっていました。イルカはかわいいですが、こちらの迷いや不安に寄り添ってくれるなんてことはなくて、むしろ今日の松原さんノリ悪~いと避けられてしまうんです(笑)」とシーパラダイスの松原トレーナーも続く。

コロナ禍により未曾有の事態にある今、私たち人間の多くは、あふれる情報に振り回され、変化する日常への対応や長引く状況に疲れているけれど、イルカには、よくも悪くも関係のないこと。そんな彼らに励まされ、休館中、シーパラダイスは無観客でイルカショーをSNS配信する試みを実施。遠方のお客様からも「イルカたちの元気な姿が見られて嬉しい」と、大きな反響があったという。

マクセルアクアパーク品川
音・光・映像と生きものの融合をコンセプトに、四季折々のデジタルアートで彩る。新しい生活様式に合わせたドルフィンパフォーマンスはイルカの新しい魅力を教えてくれる。昼夜でまったく異なるパフォーマンスを実施(マクセルアクアパーク品川)

また、アクアパーク品川では、大声で話すことが難しい現状に合わせた新しいパフォーマンスの形を模索。BGMやMCのない静けさの中で、普段聞き流してしまう水しぶきの音や、イルカたちの鳴き声が楽しめる趣向など、新たなイルカの魅力が発見できるプログラムを実施し、好評を得ている。

休館を経た現在「お客様の手拍子や温かいまなざしの中でパフォーマンスできる幸せをかみ締め、改めて大好きなイルカと触れ合える今の仕事に感謝しています」(木村さん)、「お客様がいてくださる、そのあたりまえのありがたさを知った今、新しい気持ちで毎日が楽しいです」(松原さん)と、輝くような笑顔で話すふたり。

笑ったような表情でいつも変わらず泰然と存在するイルカと、それに呼応するように歩み始めた前向きなトレーナーの姿は、窮屈に縮みこまった私たちを笑顔に導き、やさしいエネルギーで満たしてくれる。

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※オズマガジン2021年3月号「癒しのどうぶつ」記事を一部転載 
※掲載店舗などの情報は、取材時と変更になっている場合もございますので、ご了承ください

マクセル アクアパーク 品川
屋内型ショープールを持つ水族館。音・光・映像と生きものの融合をコンセプトに、四季折々のデジタルアートで彩る。新しい生活様式に合わせたドルフィンパフォーマンスはイルカの新しい魅力を教えてくれる。昼夜でまったく異なるパフォーマンスを実施。
電話番号/0354211111
住所/東京都港区高輪4-10-30(品川プリンスホテル内)
営業時間/状況により変動するため公式HPを確認
定休日/なし
料金/2300円
アクセス/品川駅より徒歩5分
横浜・八景島シーパラダイス
テーマの異なる4つの水族館をメインに、さまざまなアトラクション、レストラン、ショップ、ホテルを併設する複合型レジャー施設。水族館のスター、シロイルカを筆頭に、カマイルカ、バンドウイルカ、オキゴンドウの息の合ったパフォーマンスは必見。
電話番号/0457888888
住所/神奈川県横浜市金沢区八景島 横浜・八景島シーパラダイス
営業時間/10:00~16:30(16:00最終入館)※施設により異なる
定休日/なし
生きものの種類数/約700種
OPEN/1993年
料金/3000円~
アクセス/八景島駅より徒歩10分、横浜駅やみなとみらい地区よりリムジンバスが運行

オズマガジン2021年3月号は「癒しのどうぶつ」特集

オズマガジン2021年3月号は「癒しのどうぶつ」特集

変化や悩みが尽きなかったこの1年、どんなときも私たちに癒しと笑いをくれたのが「どうぶつ」たちでした。モフモフ、ぬくぬく愛らしい姿はもちろん、本能的に生きる彼らの姿は、私たちの日々に学びや気付きを与えてくれます。工夫が凝らされた動物園や水族館、触れ合いカフェには、大人も楽しめる見どころもたっぷり。ご期待ください!

※新型コロナウイルスの国内状況により、店舗・施設の営業時間の短縮や臨時休業、座席数の変更などがある場合がございます。最新の情報は、各店舗・施設にご確認ください

発売日/2021年2月12日(金) 価格/800円

PHOTO/AYUMI OOSAKI、WRITING/YOSHIE NAKAMURA(JAM SESSION)

※記事は2021年2月18日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります