編集部の「いい1日」リポート

アートなお出かけ~コスパ重視の松本旅~

更新日:2018/06/08

この連載では、編集部員が見つけた「いい1日」のヒントをご紹介していきます。お休みの日は昼過ぎまで寝てしまう「休日スロースターター」として、いつもは夕方から楽しめるアートスポットをご紹介しているスドウですが、今回は特別編。早朝5時30分に起きて長野県は松本に出かけてきました。

こちらが心奪われたYAYOI ちゃんのラズベリーケーキ(ドリンク付き)800円。美術館併設のレストラン「ビストロ サンルーム」でいただけます。夕方には売り切れることもあるそうなので、早めの来館がオススメ。

時は金なりだけど、旅は予算も大事です

こんにちは。美術館・展覧会鑑賞が趣味のスドウです。今回は日帰りアート旅として松本にお出かけしてきました。

きっかけは、現在発売中の「日帰りの旅」特集で紹介されていた松本ページ。

現在松本美術館では草間彌生さんの大規模個展「草間彌生 ALL ABOUT MY LOVE 私の愛のすべて」が開催されており、街全体でかなり盛り上がりを見せています。

アート好きとしてはこれだけでも十分行く価値アリなのですが、美術館併設のレストランで提供されているというデザートを見た瞬間、そのかわいさにくぎ付け!

今しか見ることのできないアート作品に、今しか食べることのできないかわいすぎるデザート。

「もうこれは行くしかない!」と思い立ったのでありました。

松本は特急あずさに乗れば新宿駅から2時間40分と、日帰りでも十分楽しめる場所。

ですが、あずさは片道6900円。イコール往復14000円は、ちょっぴり高くも感じてしまいます。

どうにかお得に楽しめないものかと調べてみると、朝に新宿を出て午前中に松本に到着する高速バスを発見。

こちらは片道で約3500円! 乗車時間は約3時間20分と、電車よりも50分ほど余分にかかりますが、電車の半額で行けるのは魅力的・・・。

ものは試しと、行きは8時発11時15分着、帰りは20時松本発、23時新宿着という高速バスを予約しました。

(写真上)「この渋滞も満喫してやる!」と、途中で寄ったPAで山梨名物ブドウジュースを購入してちょっといい気分 (写真下)今回の松本訪問でどうしても訪れたかった、翁堂さんのたぬきケーキ320円。ほかにもパンダやコアラ、ワンコなどさまざまな動物が!

滞在8時間で松本はこんなに楽しめます

いよいよ当日、お天気にも恵まれて意気揚々とバスタ新宿を出発。

うたた寝から目覚めると、なんだか様子がおかしい・・・。

当日は晴天の土曜日ということで都内は大渋滞。2時間近く経ってもまだ都内を出れていませんでした。

渋滞の可能性、まったく頭に入っていなかった・・・。

結局、松本に到着したのは1時間15分遅れの12時30分。

少しでも長く滞在したい日帰り旅行者としては痛恨のミスですが、時間<お小遣いを選んだのだから仕方がない。

帰りのバスまでの約8時間、公民館で借りたレンタサイクルを駆使し、気ままに、ときに貪欲に観光スタート。

行列のできる信州そば店でのランチからはじまり、老舗和洋菓子店の動物ケーキに癒され、街中に展示されている草間さんの作品巡り、人気コンフィチュール店でおみやげ探し、お楽しみのYAYOIちゃんケーキに素晴らしい展覧会鑑賞(後ほど詳しくご紹介)、〆はブックカフェ「栞日」でバスの時間ギリギリまでお酒を片手にのんびり・・・。

どうでしょう、かなり充実していますよね。

もちろん、もっと時間があれば立ち寄りたかったカフェや雑貨店はたくさんありますが、今回のメイン目的が草間さんの展覧会鑑賞であると思えば十分。

交通費が浮いたから~とおみやげもたっぷり購入でき、結果私としては高速バスでの日帰り旅に大満足できました。

帰りのバスは渋滞もなくスムーズに到着することができたので、行きは電車、帰りは高速バスという選択肢もアリかもしれません。

(写真上)エネルギーに満ちた野外彫刻作品、《幻の華》 (写真下)水玉に侵食されたマネキンが並ぶ《水玉強迫》と自動販売機

いざ、草間ワールドにたっぷり浸れる美術館へ

たくさんのよりみちを経て、この日の目的地である松本美術館に到着したのは16時半。

普段は17時閉館のところ、土曜日だけは19時まで開館しているということで、あえてこの時間を選びました。

美術館前に展示されている常設の野外彫刻、《幻の華》は何度も本で見ていましたが、実物は予想以上に大きく迫力があり、その力強さに大感動。

ほかにも水玉に彩られた美術館の外観や自動販売機、中庭にどどーんと鎮座する大きな南瓜など・・・。

美術館に入る前から見どころがたくさんあり、早くもワクワクが止まりませんでした。

念願のYAYOIちゃんのラズベリーケーキとも感動の対面を果たし、いざ美術館内へ向かいます。

(写真上)真っ暗なミラールームの中でシャンデリアがきらめく幻想的なインスタレーション作品《傷みのシャンデリア》※こちらの作品は本来写真撮影はできないので、オズマガジン掲載の写真を使用しています (写真下)最新作「わが永遠の魂」シリーズ。生や平和、愛をテーマにした作品が展示室をぐるりと囲みます

アートの素晴らしさに浸れる作品がいっぱい

今回の展覧会ではインスタレーション作品も多く、特に合わせ鏡を使った作品は妖しく幻想的で、時間を忘れて見入ってしまいました。

くるくると回るシャンデリアや水玉柄のソフトスカルプチャー、南瓜などが無限に続いていく様は非日常感がたっぷり。

こういった、現実にはあり得ない景色や空間を作り出し、唯一無二の体験させてくれるところこそ、アートの素晴らしいところだなぁと実感しました。

また、高さ4メートル近い巨大な画面に無数の水玉が描かれた作品群も圧巻。

「水玉をひたすら描くだけなら私もできそう」と思うかもしれませんが、いざ目の前にすると、そんな気持ちは吹き飛びます。

気が遠くなるほどたくさんの水玉を、画面にみっちりと、そしてどこか不思議なリズムと調和をもって描くなんて、私にはきっと一生できません。

草間さんの芸術に対する底知れない情熱を感じ、鳥肌が立った瞬間でした。

また、草間さんの最新作である「わが永遠の魂」シリーズ(こちらは撮影OK)も広い展示室の一面に展示されていました。

昨年六本木で開催していた展覧会でも同シリーズはたくさん展示されていたのですが、今回は閉館間近だったため、ほぼ貸し切り状態。

まるで作品をひとり占めしているような、なんとも贅沢な時間を過ごすことができました。

(写真上)限定色のお洋服を着た新・YAYOIちゃんプラッシュ(松本限定版)1296円、トートバッグ758円、缶バッジ540円、展示作品《鏡の通路》のクリアファイル432円。写真には写っていませんが、ほかに図録とポストカードも購入 (写真下)美術館のエントランスには4メートルもの巨大な作品《ヤヨイちゃん》と《トコトン》が

目力ありすぎなキーホルダーをおみやげに

展覧会後のお楽しみ、ミュージアムショップもアート旅では見逃せません。

今回のいちばんのお目当ては、大人気で一時欠品していたという「新・YAYOIちゃんプラッシュ」! カバンに着ければ目立ち度120%な、草間さんのキーホルダーです。

展覧会限定のトートバッグやポストカード、クリアファイルなどのほか、メモ帳やグラス、傘などさまざまな草間さんグッズがずらり。

実は、松本パルコにも図録や展覧会グッズを購入できるポップアップショップがオープンしており、こちらは20時までお買い物をすることができます。

閉館ギリギリまで展示を見て、時間を気にせずパルコのショップでゆっくりグッズを選ぶという方法もオススメです。


アートの楽しさ、素晴らしさを感じられる草間さんの展覧会は、7月22日まで。

少しでも気になった方は、ぜひ思い切って足を運んでみてください。

想像以上の素晴らしいアート体験が待っています。

今日もここまでお読みいただきありがとうございます。

それでは、今日もいい1日を。

草間彌生 ALL ABOUT MY LOVE 私の愛のすべて

期間:2018年3月3日(土)~7月22日(日)
場所:松本市美術館

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※記事は2018年6月8日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります