「アートな町へ」特集のサイドストーリーその2

このページでは、毎号のオズマガジン制作の編集後記のような、こぼれ話のような、誌面に載せきれなかったサイドストーリーを編集部員が少しずつご紹介しています。今回は、横浜&東京のページを担当したスドウが見どころをお届けします。

更新日:2017/08/23

3年ぶりにお目見え!
横浜トリエンナーレが開幕

世界的に有名な中国人アーティスト、アイ・ウェイ・ウェイの作品で飾られた横浜美術館の柱と外壁。美術館前の噴水が涼しげで、とても気持ちいい場所です
アイ・ウェイ・ウェイ(艾未未) ≪安全な通行≫2016年 ≪Reframe≫2016年 ヨコハマトリエンナーレ2017展示風景(横浜美術館)(C)Ai Weiwei Studio

8月10日に発売した「アートな街」特集では、富山や京都、神戸、松本、十和田など、全国のアートな町をたくさん紹介しています。美術館巡りが趣味な私は、次はどの町へ出かけようかなぁとページをめくるたびワクワクしてしまいます。

「行ってみたいけど、富山や十和田はちょっぴり遠い・・・」と思った方にオススメしたいのが、「アートタウンさんぽ」ページです。こちらでは、注目の日帰りアートスポットとして、横浜と六本木を大特集しています。

なんといっても、横浜では現在、「ヨコハマトリエンナーレ2017 島と星座とガラパゴス」が開催中。横浜トリエンナーレのメイン会場は、みなとみらい駅すぐの横浜美術館。今回は開催2週間前の美術館にお邪魔し、既に完成していたアイ・ウェイ・ウェイの作品を見学&撮影させてもらいました。

上の写真、美術館の柱をオレンジや赤、青の物体が覆っています。このカラフルな物体の正体は、救命胴衣。ギリシャのレスボス島にたどり着いた難民が実際に着用していた救命胴衣800個が、巨大な美術館の柱にびっしりと巻き付けられているのです。

難民がヨーロッパ各地になだれ込んでいるというニュースはもちろん知っているし、その問題は今現在も解決せず、悪化していることも私は知っています。ですが、800個の救命胴衣を目の前にしたとき、初めてこの問題を「心」でとらえたような気がしました。

この救命胴衣を着けてギリシャにたどり着いた人はどんな気持ちだったのだろう。今はどこでどのように暮らしているのだろう・・・。人生の転機をともにした救命胴衣は、今世界で確かに起こっている「現実」を教えてくれました。

思いもよらない感情が湧きあがる。
だからアートはおもしろい!

「ヨコハマトリエンナーレ2017 島と星座とガラパゴス」の作品紹介ページ。注目は、右上のカラフルなポーラー・ベア! イタリアの女性アーティストによる作品で、会場にはピンクやマリンブルーのポーラー・ベアも

アートのおもしろさは、今まで気にも留めていなかったコトや、自分でも知らなかった感情に気付かせてくれるところだと思います。

アイ・ウェイ・ウェイの作品のように社会問題へ目を向けるきっかけになったり、色彩の美しさにハッとさせられたり、その「気付き」は作品によってさまざまです。

いい作品に出会ったときは必ず、自分の中の世界がちょっぴり広がるような感覚があって、それがとても新鮮で嬉しいから、私はアート鑑賞が好きなのだろうなぁと思います。

ですが、アートはちょっぴり難しいものが多いのも事実。横浜トリエンナーレの紹介ページは、作品の意味や意図がひと目でわかるよう、Q&A方式で作品を解説しています。作品解説を読んでから作品を鑑賞すれば、よりアートが身近に、おもしろく感じられるはずですよ。

都内でアートさんぽするなら
六本木に行かなくちゃ

国立新美術館に展示されているスラシー・クソンウォンの作品。がらんとした空間を埋め尽くす糸の山! 靴を脱いでこの糸の中から金のネックレスを探します
スラシー・クソンウォン ≪黄金の亡霊(どうして私はあなたがいるところにいないのか)≫ 2017年

そして、横浜に続きもうひとつ。日帰りできるアートな町として注目したいのが六本木! 日本を代表する美術館、森美術館と国立新美術館が初めて共同開催する展覧会「ASEAN設立50周年 サンシャワー 東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」が開催中。こちらはなんと、共通チケット1800円で森美術館と国立新美術館の2館を鑑賞できる、見応えたっぷり&お得な展覧会です!

今回2館で展示されるのは、そのタイトルにもある通りインドネシアやタイ、マレーシアなどの東南アジアの現代アート作品。実はアジアの現代アートは今アート界でとても注目されています。

歴史に翻弄されてきた国々が多いため、自国のアイデンティティや戦争の歴史などをテーマにしたメッセージ性の強い作品が多いです。そう聞くと少し難しそうに感じますが、東南アジアらしいカラフルな色遣いや力強さを秘めた作品は、文句なくおもしろく、そのパワーに圧倒されます!

私がいちばんワクワクした作品は、スラシー・クソンウォンの≪黄金の亡霊(どうして私はあなたがいるところにいないのか)≫。この作品は、会場内を埋め尽くす糸の中に隠された黄金のネックレスを探し出すという体験型アート。見付けたネックレスはそのまま持ち帰ることができるそう!(残念ながら私は見付けることができませんでした・・・)

ほかにも、石や焚き木など「日常に必要なさそうなもの」ばかりを実際に販売する≪必需品の店≫という作品や、さまざまな人の家族写真で壁を埋め尽くした作品など、(いい意味で)「なんだこれ!」とワクワクする作品とたくさん出会うことができました。

横浜・野毛で68年続く老舗洋食店「洋食キムラ」。ハンバーグセット1320円は編集部全員の大好物! ふっくらとしたお肉がたまりません

アート好きの血が騒ぎ、ついついアートの紹介に熱が入ってしまいましたが、誌面では鑑賞後に立ち寄りたいカフェやランチなどの立ちよりスポットもたくさん紹介しています。

皆さんも、ぜひアートな日帰りお出かけをしてみてはいかがでしょうか。どうぞ楽しい夏をお過ごしくださいね。

OZmagazine 9月号「アートな町へ」特集

OZmagazine 9月号「アートな町へ」特集

発売日/2017年8月10日(木)
価格/593円+税
販売場所/全国の書店、コンビニエンスストア、駅売店などで発売中

雑誌OZmagazineは、日々の小さなよりみち推奨中。今日を少し楽しくする、よりみちのきっかけを配信していきます。

  • LINEで送る
※記事は2017年8月23日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

TOP