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2021年夏のボーナスは期待薄?あてにしないで家計を守るポイントについてFPがわかりやすく解説

更新日:2021/06/13

もうすぐ夏のボーナスの時期。ただコロナ禍でボーナスカットや減額など、あまり景気のいい話は聞こえてこないのが現状。ボーナスをあてにできない場合、どのように家計を守っていけばいいの? そこで、ボーナス支給時の注意点や、家計管理のコツなどを、ファイナンシャルプランナーの佐藤さんに聞いてみました。

今年の夏もボーナスは減少の見込み

今年の夏もボーナスは減少の見込み

2021年夏ボーナス支給はどうなりそう?
「民間のシンクタンク各社の予想では、2021年夏はボーナス支給額、支給対象者ともに減少する見込みです。その理由は、新型コロナウィルス感染症による企業業績悪化の影響がボーナス支給に反映されるためです。やはり、外出自粛に伴う国内消費の冷え込みが直撃しているようです」と佐藤さん。

ボーナスをもらう人はどんなことにお金を使っているの?
「2020年冬のボーナスに関する消費者の意識調査では、ボーナスの使い道で一番多かったのが、貯金・預金(全体の約38%)で、2019年度と比べて大きな差はありませんでした。しかし、貯金・預金の用途詳細については、『収入の変化への備え』が、2019年が全体の約27%なのに対して、2020年は約40%という結果で、大差がついています」(佐藤さん)
なかなか先の見通しが立たないなか、生活防衛意識が高まっているよう。

ボーナス支給金額が下がるとき、どんなことに気をつけたらいい?

ボーナス支給金額が下がるとき、どんなことに気をつけたらいい?

現状、家計をボーナスに頼っている人は見直すチャンスと、佐藤さん。
「今年の支給額が下がるのはもちろん、経済の先行きも不透明で、来年以降のボーナスがどれくらいの金額になるかも予想がつきにくく、大手企業でもボーナス支給ゼロの企業も出てきています。また、年俸制など、給与体系そのものが変化して、ボーナス自体がなくなるケースも考えられます。

これから大きな出費(自動車、住宅購入、子供の教育費など)がある方は、ボーナス支給を前提としたマネープランは極力避けましょう。
すでにローンを抱えている方は、ボーナスに返済を頼りすぎていないか、チェックしてみることをおすすめします。例えば、住宅ローンをボーナス返済に頼っている場合は、その比率を下げる、または、毎月返済に変更することが考えられますし、教育費であれば、奨学金の利用を検討してみてもよいかもしれません」

ボーナスに頼らない家計管理が、これから特に大事になってくるよう。

収入が減ってしまう時期の家計管理のポイントは?

収入が減ってしまう時期の家計管理のポイントは?

とはいえ、ボーナスが減少すると生活が苦しくなってしまう場合も。そんなときはどこから見直せばいいの?
「家計の収支を見直すときの方向性としては、ふたつあります。
ひとつは支出削減です。収入を短期間でアップさせるのは大変ですが、支出削減であれば、比較的早期に効果が見込めます。支出の見直しでは、まずは光熱費や通信費など、固定費で無駄な支出がないか確認してみると、手を付けやすいでしょう。もちろん、やみくもに支出削減をすると苦しくなるので、使う部分はちゃんと使うようにすることも意識をしてみてください。

もうひとつは収入アップです。ここは短期間で効果は出にくいので、長期的な戦略です。テレワーク実施等で、自由に使える時間が増えた人もいるかと思いますが、その時間をスキルアップ等の学びの時間にしてみるのもよいでしょう」(佐藤さん)

家計が急速に悪化して本当に困ったら、制度を利用したり自治体にヘルプを!

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もし失業したり収入が急減して、家計管理だけでは対応できそうにない場合はどうしたらいい?
「その場合に検討できる方法は、主にふたつあり、まずは、現状の各種支払いの猶予を依頼することです。
例えば、住宅ローンの返済が困難な状況であれば、返済期限が到来する前に銀行に相談することで、返済を猶予できる場合があります。また、電気、ガス、水道、携帯電話等の公共料金に関しても、支払先に申し出をすれば、猶予される場合があります。また、個人事業主の方であれば、国民年金、国民健康保険料の支払い猶予を自治体に相談することも可能です。

もうひとつは、コロナ特別貸付(緊急小口資金、総合支援資金)の利用です。緊急小口資金は、一時的に生活費が必要な人に、一度に最大20万円を貸し出す制度で、総合支援資金は、失業して暮らしを立て直したい人に、最大60万円を3回まで貸す制度です。
利用期間は令和3年6月末までだったのですが、緊急事態宣言の長期化に伴い8月末までに延長されました。雇用情勢悪化も受け、利用される方が増えているようです。相談や申込みの窓口は、お住まいの区市町村にある社会福祉協議会になりますので、急場をしのぐ資金が必要な方は連絡してみてください」

また、家計改善相談員に相談することも可能だと佐藤さん。
「全国の自治体等にて、家計改善相談員への無料相談ができます。上記のような公的なサポート制度も、一人ひとりの状況に応じて、教えてもらうことができますし、それ以外にも、自分では思い至らなかった家計改善方法などの指導を受けることもできるので、検討してみてください」

教えてくれた人

佐藤彰(さとうあきら)さん

佐藤彰コーチングFP事務所代表。
ファイナンシャルプランナー。金融機関からの独立を経て情報提供する必要性を実感し、現在は金融商品や保険を販売しない独立系のFPとして活動している。

【マネー特集】働く女性のお金のハナシ

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先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。

※記事は2021年6月13日(日)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります