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【ケガや病気で働けなくなったときどうなるの?】もらえるお金と制度についてFPが解説

更新日:2020/03/20

急な病気やケガで長期間働けなくなったとき、心配になるのが収入のこと。働き方と働けなくなった原因によって、利用できる制度が異なるって本当? 公的制度で足りない分はどうすればいい? ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんに聞いてみました。

病気やケガで働けなくなったときの公的保障「傷病手当金」

病気やケガで働けなくなったときの公的保障「傷病手当金」

病気やケガの療養で働けない間は、健康保険からお金がもらえるって本当?
「傷病手当金として標準報酬日額の3分の2の金額を、休業4日目から最長1年6ヶ月の間で、休んだ日数に応じて受け取ることができます。ただし、会社から給料が支払われている日は対象外となるため、有給休暇取得中については傷病手当金をもらうことができません」と氏家さん。

誰でもこの制度を利用できるの?
「傷病手当金を利用できるのは、会社員や公務員など、健康保険組合や協会けんぽに加入している人たちです。派遣社員でも健康保険制度に加入していて雇用期間などの一定要件を満たしていれば、対象になります。自営業者やフリーランスなど、国民健康保険の加入者には、残念ながら傷病手当金の制度がありません」(氏家さん)

働けなくなったときに備える「就業不能保険」

働けなくなったときに備える「就業不能保険」

働けなくなったときに傷病手当金がもらえたとしても、金額はそれまでの平均賃金の3分の2となるため、収入の3分の1が減ってしまう。ましてや、傷病手当金の制度が無い自営業者やフリーランスにとっては、働けないことが大きなリスクに。

「そんな働けないリスクに備えたい、というときに加入する民間保険が『就業不能保険』です。多くの就業不能保険では、働けなくなって一定期間(60日や180日など)を免責期間としています。免責期間を超えて働けない状態が続いた場合に、毎月一定額を受け取ることができます」(氏家さん)

勤務中や通勤途中の病気やケガは労災で全額補償に

勤務中や通勤途中の病気やケガは労災で全額補償に

ほかにケガや病気で働けなかった場合の補償制度はあるの?
「仕事中にケガをした、職場環境や仕事内容が原因で病気になった、通勤途中で事故にあった、といったケース等では、労災保険が利用できます。
労災保険とは、勤務中や通勤途中の病気やケガを補償する社会保険です。事業主や会社役員などは対象外ですが、正社員、派遣社員、パート・アルバイトなどの働き方を問わず、労働者が加入することになっています」と氏家さん。

労災事故と認められるとどうなるの?
「労災事故の場合、労災病院で必要な治療を受けられるほか、労災病院以外で治療を受けた場合にも治療費の全額が労災保険から支払われます。また、治療等で働けないあいだには、その生活保障として、給与基礎日額の80%の休業(補償)給付が受けられます」(氏家さん)

教えてくれた人

氏家祥美(うじいえよしみ)さん

ハートマネー代表。
ファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。家計の見直し相談や講演活動を通じて、お金の基礎知識を伝えている。お金だけじゃない『幸福度の高い家計づくり』を総合的にサポートしている。

【マネー特集】働く女性のお金のハナシ

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先行き不透明な時代、多様化するライフスタイル。お金に関して、漠然とした不安は感じるけれど、分からないことだらけ。みんなどうしてるの? 気になるけれど、聞きづらい。情報も多すぎて、どれが私に合っている話なのか、見分けもつかない。そこでOZmallが女性たちに、これから先も“私らしく”過ごしていくために必要なお金の新常識を提案します。

※記事は2020年3月20日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります