氷見HOUSEHOLD

漁師町の美味に包まれる日常を楽しめる宿「HOUSEHOLD」_02_山と海、富山の2つのまちやどへ

更新日:2022/02/20

町をひとつの宿とみたてて、町とつながる宿泊施設が「まちやど」です。今回は、能登半島の付け根、富山湾に面した漁師町・氷見へ。海辺の小さなまちやど「HOUSEHOLD」を入口に町で暮らしてみると、いつもの旅とは違う出会いがいっぱいの旅に。

左上/白い壁とアンティークな家具で統一された、居心地のいい1階の喫茶&キッチンで笹倉さんが出迎えてくれる 左下/エントランスに差し込む朝の光も美しい 右上/入口には勝手口のサインが 右下/宿を出たらすぐ目の前は富山湾の美しい海。レトロなビルの中は白を基調にした居心地のいい空間

ありのままの町の日常を
食を通じて味わう

富山湾に面した海辺の町・氷見。駅から海沿いを歩いていくと、海岸のほど近くに古いビルが見えてきます。ここ「HOUSEHOLD」は、もともと呉服店だった4階建てのビルをリノベーションした1日2組限定の小さな宿。切り盛りするのは、東京から氷見へ移り住んだ笹倉慎也さんと奈津美さん夫妻です。

翌朝は早起きして屋上へ。オレンジ色に輝く朝日に心洗われる

今から6年前、慎也さんの転職を機に氷見へ越してきたふたり。氷見と言えば富山湾越しに見える立山連峰や寒ブリが有名ですが、そうしたガイドブックに載っている情報以上にふたりの心をとらえたものがあります。それは氷見で暮らす人々の温かさと、立山連峰に昇る朝日の美しさでした。

宿泊者全員で囲む朝食も楽しい「笹倉家の朝食」。氷見のおいしいものがずらり並ぶ

それに加えて、ふたりが感激したのが四季折々の海と里山の恵みです。「HOUSEHOLD」でゲストに振る舞う朝食には、ふたりが氷見で見つけたとっておきの食材が盛り込まれています。旬の魚をたっぷり使った味噌汁に、特製のゴマだれやいしるポン酢で味わう地場野菜の蒸籠蒸し。近隣の豆腐店「さがのや」特製のがんもどき。素材のおいしさを活かしたおかずの数々に、炊きたての氷見産米が進みます。

この日の夕食は、笹倉さんとの買い物ツアーで訪れた「姿屋鮮魚店」で購入した新鮮なノドグロをアクアパッツアに。東京ではまずあり得ない贅沢な夕食に、お腹も心も満たされて 

一方で、あえて夕食を提供しないのは、食を通じて町の営みを感じてほしいから。代わりに地元の人が通うおいしいお店を紹介したり、氷見の旬の食材を買って1階のキッチンで料理することをおすすめしています。

夕食の食材を求めて、慎也さんと買い物ツアーへ。「姿屋鮮魚店」、豆腐屋「さがのや」、ローカルスーパーなどを巡ります

ときには買い物ツアーと称し、ゲストを町の食料品店へ案内することも。なかでも慎也さんがいつも味噌汁用のアラを買っている「姿屋鮮魚店」には東京では出会えない珍しい魚も多く、氷見の海の豊かさに驚く人も多いそう。

笹倉夫妻も行きつけの「亀寿し」。大将おすすめのつまみや握りが次々と登場し、氷見の旬の美味を心ゆくまで楽しめる。この日、満場一致でおいしかったのは、とろけるメジマグロでした。ブリだけじゃない、氷見の美味の奥深さ!

「僕たちも感動した氷見の日常をみなさんと共有したいんです。観光名所を巡ったり、名物料理を食べたりする旅も楽しいとは思いますが、せっかくなら住人気分で、この町の暮らしをゆっくりと感じてほしくて」

左/亀寿しでは、大将と氷見のこと、魚のことなど話ながら盛り上がります 右上・下/HOUSEHOLDすぐのうどん屋「みきさん」の自家製うどんは地元で長く愛される味。人気は丼とのセット

 そうした想いは、「勝手口」から始まる旅という「HOUSEHOLD」のキャッチフレーズにも表れています。台所に直接つながる勝手口とはつまり、この町の飾らない営みへの入口。スーパーで食材を買って料理をしたり、銭湯で汗を流したり、海沿いの道を散歩したり・・・。そんなささやかな幸せを繰り返すうちに、いつの間にか、この町がもうひとつの居場所になっていくのです。

氷見のまちやど「HOUSEHOLD」

海辺に建つ4階建てのビルを改装した1日2組限定の宿。「食」を通じて町の営みを感じてほしいと宿泊者専用のキッチンを備え、ゲストが自ら手に入れた食材を使って料理を楽しむことができる

DATA

ハウスホールド 
TEL.非公開 
住所/富山県氷見市南大町26-10 
宿泊料金/Inn 1泊1名10450円~ ( 平日1室2名利用の場合/朝食付き)

●東京からのアクセス/東京駅より富山駅まで130分、乗り換えて高岡駅経由氷見駅まで46分、宿まで徒歩7分

PHOTO/MASAHIRO SHIMAZAKI WRITING/NAOKO OGAWA
※メトロミニッツ2022年3月号特集「まちやどステイケーション」より転載

※記事は2022年2月20日(日)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります