ローカルモーニング YORKSHIRE FARM

ビル群の中の畑で見つけた豊かな朝_ローカルモーニング~朝の景色

更新日:2021/10/20

ローカルの日常を訪ねる「ステイケーション」。滞在中に出会える、その町ならではの朝の風景をフォトグラファー嶋崎征弘さんの一枚の写真と文でお届けします。今号は兵庫県神戸市の六甲アイランド内にある「シェラトンファーム」を訪ねてきました。この町ならではの気持ちいい朝の風景、ぜひみなさんもご体験ください

六甲アイランドのアーバンファーミングなる朝

神戸を訪れるのも三度目。初回は大雨、二度目は快晴、そして今回は天気予報を覆し、見事な初秋の青空に。今回向かう六甲アイランドは、晴れの街といった印象。

目的地のシェラトンファームは、六甲アイランドのほぼ真ん中にあるらしいが、その気配はまったく感じられない。モール1階から続くコンクリートの螺旋スロープをぐるぐると50mほど上がると、予想よりはるかに大きな屋上ファームが広がっていた。見渡せば六甲山、高層ビル群、広い空、六甲ライナーと、アーバンファーミングを具現化したような天空の畑。その朝だけでも、キュウリ、ナス、シソやバジルなどの香草、スイカ、まくわ瓜など、春から始まった畑とは思えないような、多種の野菜が青々と育っていた。

徒歩圏内に住むご近所の方々が、16区画ある畑のほとんどを利用している。出勤前や帰宅途中のちょっとした時間で、コンビニエンスに手入れや収穫ができるのも、このロケーションならでは。ほどよい距離感で、地域の交流の場所としても機能している。
畑のお隣、シェラトンホテルのシェフたちも、地元の野菜に注目しているとのこと。収穫した野菜がホテルのお皿に並ぶ日も、そう遠くないかもしれない。

今回訪れたスポット:シェラトンファーム

神戸市が推進する都市部で農業に触れる機会を生み出すアーバンファーミング。その一環として誕生した都市型貸し農園の第1号。利用者は地元の農家のレクチャーを受けながら、農作物を栽培。地域の新たなコミュニティとしても注目されている。

TEL.078-857-7039 (神戸ベイシェラトン ホテル&タワーズ シェラトンファーム係)

ローカルモーニング 鎌倉あの朝

写真と文 嶋崎征弘

フォトグラファー、長崎県佐世保市生まれ。西澤崇氏に師事後、2014年に独立。本誌をはじめ、雑誌、広告などで活躍中

PHOTO&TEXT/MASAHIRO SHIMAZAKI
※メトロミニッツ2021年10月号「ローカルモーニング」より転載 

※記事は2021年10月20日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります