民藝、オズモール、沖縄県・読谷村、Sモールグラス

ビールがおいしい!五感で楽しむ琉球ガラス/沖縄県・読谷村「Sモールグラス」

更新日:2021/08/21

ローカルに暮らすあの人が教えてくれる、町で生まれた手仕事もの(=民藝ちゃん)の話。今回は沖縄県・読谷村で生まれた「Sモールグラス」を紹介。ファクトリーブランド「CIOTA」のデザイナー兼ディレクターを務める荒澤正和さんが、民藝ちゃんにまつわるローカルの物語をご紹介。荒澤さんがビールの楽しみ方に目覚めた、愛してやまない琉球ガラスに注目です。

新しい価値観をくれる素敵な琉球ガラス

根拠は説明できないけど、僕は物事の根底にある大切なこととも言える真理を大切にしたい。お酒はそのひとつである。例えば、ビールを素敵なグラスで呑むとき、そのグラスが高級な湯呑み茶碗だった場合、本当においしくビールを呑むことができるだろうか。どんなグラスで呑んだってビールはビールだし、味は変わらない。しかし、答えはNOと言いたい。根拠は説明できないが、ビールに合うグラスで呑むからこそさらにおいしく呑める、それが僕にとっての真理なのだ。

そしてこの琉球ガラスこそ、そんなグラスなのだ。お酒は最高である。お酒には何度も人生を助けられた。僕はとりわけビールが大好きなのだが、このグラスが、ビールは五感で感じるとよりいっそう楽しめるということを私に教えてくれた。ビールの匂い、味。ここまでなら普通のグラスでも楽しめるが、このグラスの醍醐味はここからだ。グラスの重厚さからくる形状からなのか、ビールを注いだときの波立つような音。琉球ガラス独特の味わい深い色彩。飲み口の近くに何層にも重なった畝は、触れれば唇を敏感にさせ、ビールの美味しさをさらに際立たせる、なんとも言えない感触・・・。

このグラスこそ、僕の五感に訴えかけては、「ビールは最高だ、そして人生は最高だ」と知らしめてくれるグラスなのである。

民藝ちゃんDATA

■教えてくれた人/荒澤正和さん
ファクトリーブランド「CIOTA」のデザイナー兼ディレクター。デザイナーとして20年間で5社8ブランドに携わる。その後、岡山県の縫製工場にて「CIOTA」を立ち上げる

■作った人/琉球ガラス ガラス工房清天
住所/沖縄県中頭郡読谷村座喜味162
営業時間/9:00~18:30
定休日/日 

■買えるところ/うつわのわ田
TEL.090-6654-1492
住所/東京都世田谷区豪徳寺1-49-2
営業時間/11:00~18:00
定休日/水

PHOTO/MANABU SANO TEXT/MASAKAZU ARASAWA
※メトロミニッツ2021年9月号「わたしの町の民藝ちゃん」より転載

※記事は2021年8月21日(土)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります