【和を取り入れた暮らし5選】茶道や盆栽、食文化、伝統芸能。今改めて、日本人が大切にしてきた和文化に触れて、心豊かな人生を
変わろう、なりたい自分に

【和を取り入れた暮らし5選】茶道や盆栽、食文化、伝統芸能。今改めて、日本人が大切にしてきた和文化に触れて、心豊かな人生を

更新日:2020/07/17

大きな変化を感じる今こそ、自分自身とじっくり向き合って、日常を少し変えてみませんか? 書道や茶道、食文化、伝統芸能・・・古くから愛され守られ続ける日本の文化は、日々忙しくて忘れがちな“大切なこと”に気付かせてくれる。今改めて、日本人が大切にしてきた和の文化に触れ、上品な仕草や身のこなし方、和の心を身につけて、日々をより心豊かに美しく生きてみませんか?

奥深さの虜に!日本文化をたしなみ、“美意識”や“所作”を身につけよう

奥深さの虜に!日本文化をたしなみ、“美意識”や“所作”を身につけよう

海外からしばしば賞賛される日本の礼儀作法。相手を思いやるこころや謙虚さ、季節や時の流れを感じ、自然に感謝し敬うこころなど。わたしたち日本人でも、そういう人に出会うと惚れ惚れする。せっかく日本人として生まれたんだから、そういうよさを身につけたいけれど感覚的なものだから・・・。そこでおすすめなのが、日本の伝統芸能や文化をたしなむこと。

歌舞伎や日本舞踊、日本料理、花道、茶道、書道など、いにしえの人々が受け継いできた日本文化の中には、美意識や礼儀作法などがつまっている。しかも、プロセスを大事にしていて、日々稽古を行うことで、自己の精神的、また肉体的な鍛錬がなされていくという考え方があるため、お稽古をしていく中で自然と美しい所作や思いやりのこころ、「無常」「もののあはれ」「わびさび」「かわいい」といった日本人の美意識が身につくというからうれしい。そこで日本文化をたしなむのにおすすめの芸能や習い事をご紹介。日々忙しくて忘れがちな“大切なこと”に気付かせてくれると同時に、思いがけず、探究心が花開くかも。

日本の風土で育まれた“美徳”に触れる

映画や舞台が好きなら「日本演劇」に注目を。主人公などの登場人物を通して、自分も恋して、笑って! 歴史上の人物が生きた時代の背景や出来事を追体験し、日本人の美意識に触れてみよう。

日本演劇には、能楽、文楽、歌舞伎などがあるけれど、なかでもおすすめが、江戸時代に生まれ町人たちによって育てられ親しまれてきた一大エンターテインメント「歌舞伎」。長い時間をかけて鍛錬された演技、絢爛たる衣装、豪華な大道具、生演奏などからなる総合芸術で、役者さんの身のこなしや衣装の美しさ、舞踊や舞台セット、メイクなど、どこをとっても魅力たっぷり。粋や義理人情、恋愛模様などがつまったドラマチックな作品は、1度観たらハマること間違いなし。まずは難しいことを考えず、「かっこいい」「きれい」など純粋に感じてみよう。日本の風土に根差した美徳の伝統がストーリーの中にたっぷりつまっていて、楽しんでいるうちにいつのまにか日本の“美意識”を理解できてしまうかも!?

初心者も愉しい!自宅で観られる「歌舞伎」予習コンテンツ3選

「いきなり舞台を観てもわからないかも・・・」そんな人のために自宅で観れる歌舞伎の“予習コンテンツ3選”をご紹介。どれも初心者でもわかりやすく歌舞伎を紹介しているので、事前に見ておけば舞台がもっと楽しめるはず。

まず注目したいのが、映画に舞台にと幅広く活躍中の歌舞伎役者・尾上右近さんの公演。今なら期間限定で自主公演「研の會」の映像を公開していて、第1弾は、昨年9月に上演された「猿翁十種の内 酔奴」。澤瀉屋のお家芸である「酔奴」は、怒り、泣き、笑いの三人上戸を踊り分けていて、ひと言もしゃべらず、愛嬌(あいきょう)やしゃれを踊りで演じきる姿には驚き! 文楽座との共演も見どころ。
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続いておすすめしたいのが、日本舞踊家・宗家藤間流藤間勘十郎さんの舞台。約400年の歴史がある“日本舞踊”は、歌舞伎の舞踊をはじめとする舞台で表現される舞踊のことで、古代から現代に至る日本の芸能の集大成とも言われている。こちらもYoutubeチャンネルで自身の舞台映像を中心に配信しているのでおうちでも予習可能。宗家藤間流は、歌舞伎発祥から現在までの約300年の歴史の中で、日本舞踊だけでなく“歌舞伎舞踊振付師”として先人からの口伝をもとに役者さんたちと数々の名舞台を作り上げてきた。その八代目の名跡を受け継ぐ宗家の舞台は、所作の美しさだけではなく、振付師としての視点からも緻密に計算された見せどころがいっぱい。宗家自らが開設する副音声付きで、舞台鑑賞をさらに楽しめること間違いなし!
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それでもまだハードルが高い・・・という人におすすめなのが、OZ編集部による「はじめてのエンタメガイド by OZmall」で毎週水曜17:00に公開している「恋する歌舞伎」。歌舞伎を身近に感じられるよう、小難しそうなストーリーを現代風にアレンジした連載記事。思わず笑ってしまうカマタミワさんの超訳イラストと、歌舞伎ライターの関亜弓さんの分かりやすい解説のおかげで歌舞伎の名演目が漫画を読むような感覚でストンと落ちてくる。これを舞台で観たら、果たして!?とドキドキ。全話一気見したくなる面白さ。ここで気になった作品の舞台にいくのもありかも。
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おいしくいただき、四季を愛でる。日本人のソウルフード“和食”

炊きたての銀シャリに、お出汁を感じるお味噌汁。酢の物。焼き物・・・。かわいい豆皿や民芸調の趣ある器などの和食器も素敵で、食べ慣れた「和食」が日々の食卓に並ぶと心が落ち着く。

そんな日本独自の食文化「和食」は、南北に長く、海、山、里と変化に富んだ自然から多彩な食材が手に入るのと、日本人の自然を敬い、その恵みに感謝する心から育まれた。自然をうらまう心は、いつしか食事の作法やしきたりを生み、恵みに感謝する心が食材を無駄にしない保存食などの知恵を生み出したのだそう。

季節の移ろいを味覚で感じられるのも和食の醍醐味。旬の食材で季節感を愉しんだり、正月や年中行事では自然の恵みである「食」を分け合い、食卓を囲む家族や近所との絆を深めてきたり・・・。和食は、ただの料理ではなく、日本人の内面的なベースとして日々の暮らしの中に溶け込んでいるもの。

一方で、一汁三菜を基本とする「和食」は、栄養バランスがいいのも魅力。旨みの多い出汁や発酵食品を上手に使い、動物性の食材ではなく魚が中心の料理は、減塩効果なども期待できてヘルシー! カラダにいい食事が心身を健やかに導いてくれる。旬の食材でつくるシンプルな和食で心まで豊かに満たそう。

美しい所作や礼儀作法を茶道から学ぼう!

美しい所作や礼儀作法を茶道から学ぼう!

立ち振る舞いの美しさは、女性として一生の財産になる。そんな優雅な所作を身につけたい人は「茶道」のお稽古に注目してみて。

茶道は、「おもてなしの心」や、「わびさび」の精神を大切にしている日本古来の芸道。茶室という非日常の空間で丁寧に点ててもらったお茶を味わいながら、無駄のない美しい所作を身に付けられる。掛け軸や花などの茶室を彩る装飾品、お客にふるまう料理やお菓子などを通して日本の豊かな季節を感じられるのもいい。それらによって日本の洗練された美意識を身につけられたり、自分の心が整えられたり、日々を丁寧に暮らしたいという気持ちも育んでくれる。お茶の味を引き立てるお茶菓子などもいただけるので、食いしん坊な人にもおすすめ。茶道のお作法を通し、礼儀作法や感性を磨こう。

緑のアート!季節を感じる、鉢の上の美しい世界

緑のアート!季節を感じる、鉢の上の美しい世界

お部屋にちょこっとあるだけで心を癒してくれるグリーン。観葉植物を飾ったり、多肉に凝っている人なども多いはず。そんなグリーン好きにおすすめの日本文化といえば「盆栽」。

もともと中国大陸で生まれ、平安時代に日本に伝来したと言われる盆栽は、自然の草木を鉢に植え、枝を整えて、丁寧に手をかけて育てていき、理想の形を作りあげていくというもの。手のひらほどの小さな鉢の上の美しい世界を感じて、季節の移ろいや自然の風景を楽しむという、とっても奥が深い世界。しかも、完成形というものがなく、日々樹々と向き合うことで自然を感じ、季節を感じることが目的という。小さなお花ひとつに愛おしさを感じられる、そんな余裕や潤いを与えてくれそう。

字も心もキレイに!書道を通して内面と向きあおう

字も心もキレイに!書道を通して内面と向きあおう

ふとしたときに目にする直筆の文字。漢字や仮名が流暢な筆文字で書かれているのを見ると、余裕や品格が感じられて憧れちゃう。そんな人におすすめが「書道」のお稽古。

書道は、毛筆を使って文字を書き、そこに個性を出しながら自分を表現する芸術のひとつ。日本独特の「わびさび」を通じ、相手を思いやる儀礼を学びながら、自分と向き合うということの大切さも重ねて学べるのだそう。自分らしさを文字で表現することが求められるため、内面と向き合う習慣がつくのもうれしい。選ぶ文字、余白、墨の色の濃淡など、まるでアートのような感覚で文字を書くのを楽しめる。また、続けることで、姿勢がよくなったり、集中力が高められるといううれしい効果も。墨の香りに心が落ち着き、多忙な中で、自分と向き合える大事なひとときになりそう。

こちらもチェック!オンラインでできる和のお稽古3選

習い事としてチャレンジしたい、実店舗もあるけどオンラインでも楽しめる和のお稽古をピックアップしてご紹介。お稽古を通して、直感的な感性を磨いたり、美しいものを愛でたり。今改めて、美しい和の伝統文化に触れて、心が潤う幸せな日々を楽しもう。

【特集】変わろう、なりたい自分に

変わろう、なりたい自分に

大きな変化を感じる今こそ、自分自身とじっくり向き合って、日常を少し変えてみませんか? 自分にとって“心地のいいもの”を選んだり、カラダにいいことをしたり、感性を高める努力をしてみたり。ほんの小さな心がけを習慣にするだけで、日々の暮らしがぐっと豊かなものに変わるはず。これからも自分らしく幸せな日々を過ごすために、今が変わるとき。そのきっかけとなるようなアイデア集をお届けします。

WRITING/KANO NUMATA

※記事は2020年7月17日(金)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります