気になる肩こりや首の不調。ツボ押しや気功体操で手軽に解消
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気になる肩こりや首の不調。ツボ押しや気功体操で手軽に解消

更新日:2020/09/03

在宅勤務が増え、通勤など移動などで体を動かす機会も減り、朝から晩までデスクワークで、肩こりや首の痛み、頭痛などを感じるようになったという声も多数。そんなとき、自分でできるケアや予防法ってないの? 長いPC作業などによって起こりがちな、肩や首周りの不調を手軽にケアできる方法を、表参道 鍼灸マッサージ治療室「自然なからだ」院長の手塚幸忠先生に伺いました。

肩こりは肩甲骨周りをほぐして血流改善を

長時間PC作業するようになって、肩こりが気になる、腕こりがひどくなった、という人が増えているよう。
「キーボードをたたくために腕や手を動かしますよね。腕は肩とつながっているので、長時間作業していると当然肩にも影響が出てきます。特に自宅だと、机やいすの高さが合っていないために、腕が少し浮いたような状態や、不自然な姿勢でキーボードをたたいている人が多い。このような状態でキーボードをたたいている人は、肩で腕をずっと支えているので、特にこりがひどくなります」と手塚先生。

それでは肩こりや腕こりを軽減する方法は?
「肩こりは、肩甲骨周りが固まってしまうと特につらく感じるので、肩甲骨周りをほぐしてあげるといいでしょう。『スワイショウ』という気功体操は、腕を前後に振ることで肩甲骨周りが柔らかくなり、肩周辺の血流がよくなります」(手塚先生)

【スワイショウのやり方】
1.まっすぐ立ち、足を肩幅くらいに開く。腕は自然におろす
2.腕を前に上げてから、後ろに振り下ろす。そのまま、遠心力を使って、前後に腕をブラブラさせる

力は使わず、遠心力でブラブラと揺らすのがポイント。力を抜いてやってみよう。

ガチガチになりがちな首もケアしたい!簡単ツボ押しでつらさを軽減

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肩や腕のほかにも、こりや痛みが気になるという声が多いのが、首周り。
「PC作業は首を前傾させがちですが、前傾させると頭を支えるために首に大きな負荷がかかります。首の角度がまっすぐのときでも首の筋肉は4~6kgの重さを支えています。首を15度前傾させただけで首には12kgもの負荷がかかり、30度前傾させると、18kgもの負荷がかかることに。これでは首が疲労するのも当然ですよね」と手塚先生。
また、画面を目で追って動かす際には、無意識に首の筋肉も動いているため、目と一緒に首もさらに疲れてしまうのだそう。

それでは、つらい首周辺のこりを楽にする方法ってあるの?
「首の後ろから耳の後ろまでのエリアに並ぶ3つのツボ『天柱(てんちゅう)』、『完骨(かんこつ)』、『風池(ふうち)』は、首こりや肩こりにとても効果があるツボです」(手塚先生)
「天柱(てんちゅう)」は首の後ろにある太い筋肉の外側、頭蓋骨の下のくぼみにあるツボ。「完骨(かんこつ)」は耳の後ろにある出っ張った骨の先端あたりで、押すと気持ちいい箇所にあるツボ。「風池(ふうち)」は「天柱」と「完骨」の真ん中ぐらいの位置にする。後頭部の神経と関係が深いこの3つのツボは、首こりのほか肩こり、疲れ目、眼精疲労、頭痛などにも効果があるそう。疲れを感じたら押してみて、PC作業の疲れをサポートしてみては?

【首の3つのツボの押し方】
1.天柱→風池→完骨の順に、指の腹で押す
2.痛いと感じるツボがあれば、そのツボを押しながら、頭をぐるりと5回まわす

押すときに、反対側の目の方向に向かって押すと気持ちいいはず。痛いツボが複数あれば、それぞれに行ってOK。

床に座ってのPC作業は腰への負担大!視線がやや下向きになる高さに画面をセットしよう

床に座ってのPC作業は腰への負担大!視線がやや下向きになる高さに画面をセットしよう

そのほかにも、長時間のPC作業で出る不調ってあるの?
「テレワークなどで家で仕事をしている人を治療すると、以前よりも腰痛がひどくなっている人は多いですね。デスクがなくて、床に座ってちゃぶ台のような低い机でPCを使っている人も多くいます。すると腰を前傾してしまうので、腰に負担がかかりやすいのです。腰周辺が疲労して硬くなると、下半身への血流も悪くなるので、下半身や足の冷えなども増えてきます」と手塚先生。

それでは、腰痛を予防するのは、どんなことに気を付ければいいの?
「どんなPC環境がいいのかについては、前回の記事をご覧ください。この姿勢が基本ですが、腰への負担を考えると椅子の背もたれにクッションなどを入れ、腰を後ろに10°ほど傾けて座るといいでしょう」(手塚先生)
また、手ごろなデスクがない場合には、立って作業するのもひとつの手。低めのタンスにPCをおいて作業するなど、視線がやや下向きになる高さにモニター画面がくるよう置くのもおすすめ。

「お風呂に入ることも全身の巡りをよくしてくれます。巡りのよい身体はこりや疲れがたまりにくくしてくれるので、シャワーでなくお風呂にゆっくり浸かるのもおすすめです。こりを放置せずにセルフケアして、巡りのよい身体を保つようにしましょう」(手塚先生)

教えてくれた人

手塚幸忠さん

鍼灸師、あんまマッサージ指圧師、表参道鍼灸マッサージ治療室「自然なからだ」院長。東洋医学を通じて、薬に頼らない「自然なからだ」を目指す生き方を指導。ストレスを減らし、自律神経を整えることで、めぐりのよい身体でいる方法を、ブログや雑誌などで幅広く紹介している。

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WRITING/HIROKO KUROKI

※記事は2020年9月3日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります