セルフチェック付き!生理痛と関連の高い3つの婦人科疾患とは
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セルフチェック付き!生理痛と関連の高い3つの婦人科疾患とは

更新日:2020/09/03

初経の時期が早くなったり出産回数が減ったことから、現代女性の生理・月経の回数は昔に比べて400回も増えているという。そのぶん子宮や卵巣への負担は増え、婦人科疾患のリスクも高まっているのだそう。激しい生理痛や生理の際の違和感は、病気の早期発見につながるケースもあるから、生理痛・月経痛と関連の高い3種の婦人科疾患について知っておこう。

子宮内膜症とは?気になる症状も

子宮内膜症とは?気になる症状も

子宮内膜症とは、本来は子宮の内側にしか存在しないはずの子宮内膜組織が、卵巣や腹膜といった子宮以外の場所で増殖や剥離を繰り返す病気。重たい生理痛や不妊を引き起こすほか、月経過多や不正出血、貧血による倦怠感なども見られる。不妊につながっているケースは約半数と非常に高いので、妊娠を希望している人は特に注意しておきたい。子宮内膜症患者の約7割が月経時以外にも下腹部に痛みを感じているそうで、性交時や排便時の痛みなども高頻度で発生するのが特徴。

子宮全体が大きくなる?子宮腺筋症とは

子宮全体が大きくなる?子宮腺筋症とは

子宮腺筋症とは、子宮の内壁が分厚くなって子宮全体が大きくなり、生理痛がひどくなったり、出血量が増えたりする病気のこと。子宮全体が大きくなりすぎると子宮全摘が必要になるケースもあるけれど、悪性のがんではないので、自覚症状がなかったり症状が軽度の場合には無理に対処する必要はない。ただし子宮腺筋症の人は、子宮筋腫や子宮内膜症、不妊症を合併していることもしばしばなので、定期的に様子を見ることが大切。

どんな診察をするの?痛みはないの?

4人に1人が持っていると言われる子宮筋腫とは

子宮筋腫は、子宮の壁(筋層)にできる良性の腫瘍のこと。じつは子宮筋腫はめずらしいものではなく、生理のある女性の4人に1人は子宮筋腫を持っているともいわれる。こちらもがん(悪性腫瘍)ではないけれど、腫瘍ができる位置によっては妊娠しにくくなることも。また、腫瘍が大きくなったり個数が増えたりすると、生理痛が重くなったり、内蔵を圧迫して痛みが出たりするほか、経血の量が増えて貧血を起こしやすくなる。治療としては、内服薬で一時的に腫瘍を小さくしてから手術で摘出する方法がとられる。

セルフチェックをしてみよう

子宮内膜症・子宮腺筋症・子宮筋腫のいずれかの婦人科疾患を抱えている場合、生理痛や下腹部の痛みなどにサインが現れているケースが多い。以下の項目に当てはまるものがあるかチェックしてみて。

■生理痛が毎月どんどんひどくなっている
■市販の鎮痛剤・痛み止めが効かない、用量を超えてしまう
■痛みがひどく、毎回のように寝込んでしまう
■経血が異常に増えた
■経血にレバー状の大きな塊がたくさん混じる
■生理が終わった後も腰や下腹部に痛みがある
■排便時に生理痛のような痛みを感じる
■セックスの時に痛みを感じるようになった
■妊娠を希望しているのに、なかなか授からない

婦人科疾患の対応方法は、年齢や妊娠希望の有無などに合わせてさまざま。いずれにしても発見は早いに越したことはないので、生理痛で気になることがある場合や、妊娠を希望しているのになかなか子供ができないなどの場合は、早めに婦人科を受診しよう。

教えてくれた人

佐々木明香さん

後楽園ウィメンズクリニック院長、日本産婦人科学会専門医。東邦大学医学部を卒業後、慶應義塾大学産婦人科学教室に入局。女性のライフステージに沿った快適な生活をサポートしたいと、生まれ育った文京区で2017年に「後楽園ウィメンズクリニック」を新規開院する。
「大学病院などで研鑽を積んできたことを生かし、思春期から老年期までの女性特有のお悩みに、ピルや漢方などを用いて対応しながら、定期的な自己管理のお手伝いをさせていただくようなクリニックをめざしています」。

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WRITING/ATSUKO HABU

※記事は2020年9月3日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります