女性ホルモンが乱れやすい秋。食生活を工夫して、うつやPMS症状などを和らげよう
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女性ホルモンが乱れやすい秋。食生活を工夫して、うつやPMS症状などを和らげよう

更新日:2020/09/03

秋は夏の間に乱れた栄養バランスや自律神経のバランスの影響で、女性ホルモンのバランスを崩しやすい季節なんだそう。女性ホルモンの乱れによってどんな不調がでるの? そして、どんなものを食生活に取り入れたら、不調を和らげることができるの? ホルモン療法やアンチエイジング治療でも著名な、クリニックシュアー銀座院長・飛田砂織さんに伺いました。

女性ホルモンのバランスが崩れやすい秋口。イライラや気分の落ち込みを感じる人は要注意!?

女性ホルモンのバランスが崩れやすい秋口。イライラや気分の落ち込みを感じる人は要注意!?

涼しく過ごしやすい季節になったはずなのに、どうも気分が落ち着かない、という人も多いのでは?
「夏の疲れなどで自律神経が乱れることから、女性ホルモンのバランスが崩れる人が多い季節です。また、涼しくなって夜が長くなるので、つい夜更かししやすくなるのも原因のひとつ。イライラや気分の落ち込み、眠れないなどを感じる人は、食事や睡眠などに気遣って、ホルモンバランスを整えるようにしたいですね」と飛田さん。まずは深く、十分な時間の睡眠をとることは大切だとか。睡眠中に成長ホルモンが出て体を修復し、自律神経のバランスを整えてくれるので、この時期、ぐっすり眠れるようにすることが大切だ。

「また、季節性感情障害(SAD)という症状もあります。秋から冬にかけて気分が落ち込み、イライラやだるさなどがでることも。20代からみられるので、要注意です」(飛田さん)。この症状の場合、冬眠前の動物のように、昼過ぎになるとチョコレートなどの甘いものや、パンやパスタ、ご飯などの炭水化物が猛烈に食べたくなり、食べすぎてしまうこともあるとか。疲れて何もしたくなくなるのに、食欲が増進するので急激に太ってしまう例も。単に秋だから太りやすいのかな・・・と看過しないようにしたい。

うつ症状や生理痛には、オメガ3脂肪酸を摂るのもおすすめ。ビタミンB6もしっかり補給しよう

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では、どんなことを心がけたらいいの?
「自律神経を整えるためには、早めに夕食をとり、カフェインは午後早めまでにして、ぐっすり眠れるようにすることが有効です。また女性ホルモンのバランスが乱れることによって、PMS(月経前症候群)が悪化することもあり、さらに気分の落ち込みや生理痛、頭痛、肌荒れなどの症状がおこることも」と飛田さん。

「オメガ3の不飽和脂肪酸には、抗炎症作用があり、気分の落ち込みや生理痛にも効果が期待できます」。オメガ3脂肪酸は、代表的なものにEPAやDHAなどがあり、サバやイワシ、マグロ、カキなど魚介類に多い。またナッツ類にも多く含まれ、クルミなどにも多く含まれる。症状を感じる人は、これらの食品を意識して食べるようにするのもおすすめ。
「また、ビタミンB6は、神経伝達物質であるドーパミン、セロトニン、アドレナリンなどに作用し、バランスをとるように促してくれます。カツオやマグロ、豚肉や鶏ササミなどに比較的多く含まれますので、これらも意識して食べるようにするのもいいですね」(飛田さん)。

つらいPMSには、炭水化物や乳製品を控えめに。植物由来の食品をベースにした「地中海食」もおすすめ

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働く女性には、PMS症状に悩む人は多い。食生活ではどんなことに気を付ければいいの?
「PMSの症状がある人は、精製した砂糖や炭水化物、乳製品の摂取量が多い傾向があります。それらを控えめにするほか、この季節はカフェインやアルコール、脂肪の多い食事をなるべく避けるようにしましょう。野菜など食物繊維の多いものを摂るようにすることによって、エストロゲンの過多を防ぎ、PMSの症状を和らげることができます」と飛田さん。

また、忙しい毎日のなかできちんと食事が取れない状態が続くと、体内で少しずつ炎症反応が続いてPMS症状が起こってくることも。炎症が続くとPMSが悪化し、肌荒れなども発生してしまうんだとか。「そんな人には、ギリシャなどで伝統的に食べられている『地中海食』もおすすめです。野菜や果物、全粒粉の穀物、豆、ナッツなどの植物由来の食べ物を基本にした食事です」(飛田さん)。
バターの代わりにオリーブオイルをメインにし、塩分や化学調味料も控えて、その分ハーブやスパイスを使って風味付けする食事のスタイルだそう。どれも身近にある食材なので、気軽に取り入れることができそうなのもうれしい。病気じゃないし・・・と我慢してしまいがちな、ホルモンバランスの乱れによる気分の落ち込みやPMS症状。食材に少しだけ気遣ってみることで、元気を回復するサポートにしてみては?

教えてくれた人

飛田砂織さん

クリニックシュアー銀座(美容皮膚科・アンチエイジング治療)院長。東京大学等で救急医として従事。救急での重症患者への治療経験から、病気にならないための予防医学の大切さに気付く。2015年クリニックを設立、ナチュラルホルモン補充療法や点滴療法・サプリメント療法などを組み合わせ、健やかに美しくなる最新のアンチエイジング医学を実践。

【特集】プチ不調や身体の悩みを解消!すこやかなココロとカラダへ

毎日がんばる働く女性にプチ不調や悩みはつきもの。そこでみんなが気になる健康法やグッズ、食材やドリンク、悩みの解決法やメカニズム、取り入れたい習慣などを専門家やプロのお話しとともにご紹介。自分のココロとカラダに向き合って、健やかに私らしく。オズモールはそんな“働く女性の保健室”のような存在をめざします

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WRITING/HIROKO KUROKI

※記事は2020年9月3日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります