肌の乾燥、便秘、冷えは貧血予備軍の可能性も。東洋医学で血めぐり美人になろう
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肌の乾燥、便秘、冷えは貧血予備軍の可能性も。東洋医学で血めぐり美人になろう

更新日:2020/09/03

立ちくらみ、めまい、疲れやすいなどの症状を伴う貧血。東洋医学では気(き=エネルギー)と血(けつ=血液)の不足と考えて、この2つを補うことで対処している。その具体的な方法を、薬剤師で国際中医師の山口りりこさんがアドバイス。

肌の乾燥や便秘が気になる人は、貧血予防をしたほうがいいかも?

肌の乾燥や便秘が気になる人は、貧血予防をしたほうがいいかも?

一般的に知られている西洋医学的な「血液」の役割とは、全身に酸素や栄養を運ぶこと。しかし東洋医学の「血」はそれらに加えて、体に潤いを与える、温める、心を安定させるといった役割もあると考えている。そのため、血が不足すると肌や目が乾燥する、便秘(腸の乾燥)、冷え、不眠、不安感などの症状を伴うのだそう。
「貧血と診断されていない、立ちくらみやめまいなどの貧血症状を感じていない人でも、こうした症状を感じる場合は貧血予備軍の可能性があります。食事などから血を補って、貧血予防をしておくといいでしょう。また、月経時は誰もが血の不足状態になりやすいため、血を補う食事を取ることが鉄則だと考えてください」(山口さん)

もちもちの栗おこわなど秋の味覚で気と血を補おう

もちもちの栗おこわなど秋の味覚で気と血を補おう

血を補う代表的な食材は、ニンジン、ホウレンソウ、小松菜、ヒジキ、鶏肉、赤身魚(サケなど)、レバー、プルーン、レーズン、イチジク、ナッツ類、黒米など。ヒジキとニンジンと鶏肉を煮物にする、ホウレンソウのおひたしにニンジンとピーナッツをプラスするなど、組み合わせて取るとさらに効果的。
また、血が不足している場合、気も同時に不足していることが多い。キノコ類、ヤマイモ、栗などの気を補う効果のある食材も、プラスしてみて。
「黒米を入れた栗おこわは、気と血を両方補う料理。もちもちした食感で、おいしくいただけます。栗には体を温める作用もあるので、これからの寒い時期には特におすすめです。また、サケとキノコを味噌汁やお鍋の具材にして一緒にいただくのも、気と血を両方補えるのでいいですね」(山口さん)

東洋のスーパーフード・ナツメをおやつやお茶に

東洋のスーパーフード・ナツメをおやつやお茶に

こうした食材に加えて、さらにおすすめしたいのがナツメ。赤く甘みのある果実で、乾燥したものが市販されている。ナツメは漢方薬の原料にも使用されている食材で、血を補う効果が高いスーパーフードなのだそう。
「月経前日から月経が終わるまでナツメをおやつ代わりに食べると、貧血予防になります」(山口さん)
さらに、夜寝る前にナツメ茶を飲むのも効果的。血は寝ている間に体内で作られるものなので、寝る前にナツメを取ると血の補給に大いに役立つ。また、リラックス作用もあることから、安眠も期待できるのだとか。
「ナツメを2つにちぎってマグカップに入れ、お湯を注ぎ、少し蒸らせばナツメ茶のできあがり。ほんのりと甘く、寝る前に飲むと体が温まり、精神的にも落ち着いて安眠を促します」(山口さん)

貧血症状が気になる人だけでなく、女性なら誰しもが実践しておきたい血の補給。体が潤い、美容にもつながるので、毎日の食事に上手に取り入れて。

教えてくれた人

山口りりこさん

薬剤師、国際中医師、国際薬膳師。銀座の薬膳レストラン「kampo’s」プロデューサー。星薬科大学にて薬剤師免許を取得し、遼寧中医薬大学にて国際中医師、国際薬膳師を取得。漢方薬局勤務をへて、現在は薬膳レストランの監修をメインに商品開発やエステのメニュー監修などに携わっている。監修する手帳『月・薬膳・ヨガでどんどんきれいになる! 月美容手帳2019』(エイアンドエフ)がロフト銀座店ほか全国書店で発売。

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WRITING/TOMOKO OTSUBO

※記事は2020年9月3日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります