間違ったケアで症状が悪化することも。デリケートゾーンの正しいお手入れ法
保健室トップへ

間違ったケアで症状が悪化することも。デリケートゾーンの正しいお手入れ法

更新日:2023/09/19

ニオイやかゆみ、黒ずみ、毛の濃さ・・・、人には相談しにくい体の悩みといえば、デリケートゾーンの悩み。誰かと比べにくい部位でもあるため、もんもんと1人で悩み続けているという人もいるのでは? デリケートゾーンの症状やケアに詳しい婦人科医の上田弥生さんに対策を教えてもらった。

ニオイや黒ずみ、毛の濃さに悩む人が多数
2018年12月 オズモール調べ 1268人中悩みがあると回答した410人

ニオイや黒ずみ、毛の濃さに悩む人が多数

デリケートゾーンの悩みの中でも、最も多かったのが「ニオイ」の悩み。「30代になっておりもののニオイがきつくなってきた気がする」「トイレに行ったときに自分のニオイが気になる」「ニオイが気になってエッチに集中できない」といった声のほか、月経前後、排卵日など、時期によって気になるという人も。

次に「黒ずみ・色」「毛の濃さ」「かゆみ」「おりものの量が多い」「ムレ」の順に多かった。毛の濃さや黒ずみに関して目立ったのが「人と比べられないので、不安」という声。毛の濃さは脱毛すれば解決しそうだけど、脱毛するのが「怖い」「恥ずかしい」といった人も。

正しいケアでニオイは軽くなる

正しいケアでニオイは軽くなる

そもそもデリケートゾーンは、常在菌の影響で多少酸っぱいニオイがするもの。ただし、なかには病気が原因となってニオイが発生することも。
「ニオイの原因として多いのが、腟内細菌のバランスが崩れて起きる細菌性腟炎。イカの燻製のようなニオイがするといわれ、かゆみを伴うこともあります」(上田さん)
自然に治ることもあるけれど、気になる場合は婦人科を受診して。一般的には抗菌薬による治療によって数日で治るそう。

また、体質が原因になることも。汗腺の1つであるアポクリン腺の数が多い「ワキガ」タイプの人は、デリケートゾーンも同様にニオイがきつくなる「スソワキガ」であるケースが少なくないのだとか。ワキガと同じように治療も可能だけど、程度が軽ければ正しいケアでニオイが気にならなくなることも。
「毛があることによってニオイが広がりやすくなるので、脱毛や毛を短くすることはニオイケアにつながります。脱毛に抵抗がある人は、デリケートゾーン専用の除毛器やスキばさみを利用して、毛の量を減らすのがおすすめです」(上田さん)
汗ばむ時季は市販のデリケートゾーン用ウェットシートをトイレのときなどに使用して、こまめに拭くのも手。より手ごろな値段で買える赤ちゃん用のお尻ふきシートもおすすめだそう。

日本人女性は黒ずんでいるのが当たり前!?

日本人女性は黒ずんでいるのが当たり前!?

黒ずみに関しては、誤解も多いそう。
「黒ずみを心配して受診する方を診察すると、ほとんどの場合、普通の色です。そもそも日本人は乳頭と同じようにデリケートゾーンもほかの部分より色が濃いことが多いのです。人とは比べにくいので、動画や写真に写っている女性と比べることもあるかもしれませんが、その場合加工している可能性がありますよ」(上田さん)

また、間違ったケアでさらに色を濃くしまっているケースも。例えばニオイやかゆみを気にして洗うときにこすりすぎたり、乾燥して皮膚がしぼんだりしていると、色が濃く見えやすいのだそう。乾燥はかゆみの原因になるほか、外陰炎、カンジダ、細菌性腟炎などの炎症も起こりやすくなる。
「デリケートゾーンの皮膚は顔と同じように考えて。洗浄力が弱いソープを使って、やさしく洗い、トイレでもやさしく拭くこと。専用のソープもおすすめです。洗ったあとは保湿オイルなどでケアしましょう。腟内に入っても安心な無添加の専用オイルが適しています」
デリケートゾーンのお悩みは間違ったケアによるものも多いので、まずは自分のケア法を見直してみて。

教えてくれた人

上田弥生さん

産婦人科医。不妊治療、一般婦人科治療に携わりながら、デリケートゾーンのアンチエイジング治療とワキガ・多汗症の治療に携わる。はるねクリニック銀座、天現寺ソラリアクリニックなど複数のクリニックで診療を行う。漢方やアロマをとり入れたセルフケア法にも詳しい。著書に『オトナ女子のためのスメらない手帖』(主婦の友社)。

【特集】わたしの保健室2023Autumn開催中!

秋は夏疲れなどで自律神経が乱れることから、女性ホルモンのバランスが崩れやすい季節。イライラや眠れないなどプチ不調を感じても我慢したり後回しにしたり・・・。そんな女性にとって気軽に通える“保健室”のような存在をオズモールはめざします。

ただいま【わたしの保健室2023Autumn】を開催中。「女性ホルモンとからだケア習慣」をテーマに、美髪に導くヘアケアから、なかなか人に聞けないフェムケア、今すぐマネしたい著名人の習慣まで、セルフケアやプロのケアを紹介中!

こちらもおすすめ。ヘルスケアNEWS&TOPICS

WRITING/AKIKO NAKADERA

※記事は2023年9月19日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります