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Q.なにもやる気がせず家から出るのもおっくうなとき、どうすればいいの?

更新日:2020/09/03

人に相談しにくいデリケートなお悩みについて、医師や歯科医など専門家からの的確なアドバイスを聞いていく「夜の保健室」。今回はなにもやる気が出ないときの対処法について、臨床心理士の山本さんに聞いてみました。

なにもやる気がせず家から出るのもおっくうなとき、どうすればいいの?

心理学でストレスをケアする認知行動学療法では、気分や感情というものが、否定的な思考によって生まれてくると説明している。つまり、「~をしなくては」「~するべきだ」という義務感や、「もうダメだ」などの悲観的な考えが浮かんだことによってモチベーションが低下し、すべてがおっくうに感じてしまったということ。ネガティブな感情にとらわれず、感情を安定させるためには、一方的な「べき思考」から離れることが大切。ものごとを柔軟かつ多面的に考えるようにしよう。

また、自律神経の仕組みを明らかにしたある理論によると、強いストレスによって神経が強く覚醒した後は、その反動でやる気がなくなりおっくうさに襲われる「低覚醒」という状態に陥ることがあるそう。反動が大きい場合には、体を動かさないことで身を守ろうという本能的な働きが起き、思考や感情がマヒした状態になる。五月病や燃え尽き症候群といった言葉を思い出すとイメージしやすい。

そんな状態に陥ってしまったとき、自律神経の低下状態から脱するためには心身の覚醒度をニュートラルにする必要があるそう。安心できる環境に身を置き、自分がリラックスできる方法で心身を穏やかに落ち着けて。

教えてくれた人

山本貢司さん

田園調布カウンセリングオフィス所長。臨床心理士、公認心理師。銀行を退職後、横浜国立大学大学院にて臨床心理学を修め、脳神経外科・心療内科にて心理カウンセリングを担当する。2007年に臨床心理士を取得。脳神経外科・心療内科の非常勤として数年間勤務した後、2013年に田園調布カウンセリングオフィスを開設。心理学専門書の翻訳協力多数。

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WRITING/ATSUKO HABU

※記事は2020年9月3日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります