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歯の黄ばみや口臭。毎日のオーラルケアのお悩み&疑問を解消

更新日:2020/09/03

人に相談しにくいデリケートなお悩みについて、医師や歯科医など専門家からの的確なアドバイスを聞いていく「夜の保健室」の総集編。今回は、歯の黄ばみや口臭といったお口にまつわるお悩みについて、歯科医の大岡先生に取材を実施。真っ白に輝く歯をうらやましく感じたり、自分の口臭が周りの人を不快にさせていないか心配しているならぜひ参考にしてみて。

歯の黄ばみは加齢でも進行するって本当?NG習慣や黄ばみの対策を教えて!

Q.歯の黄ばみは加齢でも進行するって本当?NG習慣や黄ばみの対策を教えて!

毎日休まず働く歯は、加齢による変化で亀裂が入ったり、だんだんと摩耗していくもの。そして亀裂の箇所が部分的に変色したり、細かいキズに食品の色が沈着して歯の変色が起こり、全体的に黄色くくすんだようになっていくそう。

食品による着色としては、コーヒー、紅茶、チョコレート、赤ワイン、カレーなどは特に注意が必要。みんなが大好きなものばかりだけれど、頻繁に飲食していると、長期的にみて歯の黄ばみを加速させることに。

歯の白さをキープしている人は、そういった色素の強い食べ物をできるだけ控えていたり、食べた後すぐに口をゆすいだりして工夫しているのだとか。また、歯の表層の着色は、歯医者さんで超音波を使ったクリーニングしてもらうことでかなりキレイに落とすことができるそう。毎日の歯磨きに加えて、定期的に歯のクリーニングに通うのも大切。クリーニングで改善しない場合はホワイトニングを検討して。

一方、歯の内部まで深く変色してしまっている場合は、虫歯などの可能性もあり、変色の原因によって対処方法が異なる。歯の変色が気になっている人は、行きつけの歯医者さんに相談してみよう。

朝起きたときの口のネバネバ。寝起きの不快感は一生つきまとう?

Q.朝起きたときの口のネバネバ。寝起きの不快感は一生つきまとう?

起床時の口のネバネバ感は、じつはまったく気にならないという人もいる。違いは、寝る前の歯ブラシが上手にできているかどうか。

「起床時のお口のネバネバ感。これはまさに虫歯や歯周病の原因となるお口の汚れが病原菌により発酵している状態にあると考えてください」と大岡先生。兆単位で口の中に存在している細菌は、唾液が少なくなる就寝中に増加するもの。そして、食べカスや歯垢といった細菌のエサとなる汚れがあると細菌が爆発的に増殖し、さまざまな老廃物を出していく。それがネバネバの原因であり、虫歯や歯周病、口臭など悪化させる原因にもなるのだそう。

対策として何よりも重要なのは、寝る前にかならず歯ブラシをすること。シンプルだけれど、ただすればよいわけではないからご注意を。汚れのたまりやすい歯と歯肉の境界線に歯ブラシが入るように角度を工夫しながら、やさしく丁寧に当てるように意識して。歯ブラシをした後、歯にザラザラが残っていたらやり直し。舌で触れた際、ツルツル感とともに歯の凹凸を実感できるかどうかを目安にしよう。適切に汚れが取れていれば、起床時のネバネバ感はなくなるはず!

歯磨きしているのに口臭が気になる・・・どうすればいい?

Q.歯磨きしているのに口臭が気になる・・・どうすればいい?

「口臭の原因としては、全身の病気が関連しているものもありますが、多いのはやはり歯周病由来です」と、大岡先生。歯周病の対策には、日頃のお手入れを効果的に行うことと、定期的に歯科医院で歯のクリーニングを行うことの2本立て。でも、とくに大切なのは日頃のお手入れの状態なのだそう。
「歯磨き」という言葉から歯の表面を磨き上げるイメージが先行しがちだけれど、歯周病予防には歯肉(歯ぐき)の「ブラッシング」も適切に行うことが肝心。歯の白い部分をいくらキレイに磨いても、歯周病への予防効果はほとんどゼロというから驚き。

丁寧に歯磨きをしているのに口臭が気になるという人は、歯ブラシを入れる場所が少しズレている可能性が大。歯の表面を磨くだけでなく、歯肉のブラッシングもあわせて行って。歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの間に当て、やさしい圧で細かく動かしていくのがおすすめ。

歯ブラシは、電動と手動どちらがしっかり磨けるの?それぞれの特徴とは

Q.歯ブラシは、電動と手動どちらがしっかり磨けるの?それぞれの特徴とは

電動歯ブラシの特性は超高速の微振動で、短時間でお口のケアを終えられるのが売り。1分間で2~3万回振動させるというのは、人の手では絶対に成しえないこと。また、各メーカーがアピールしているとおり、歯の汚れを除去する能力は確かだそう。

ただし手動の歯ブラシで効果的にブラッシングを行うことができれば、もっと理想的に清掃ができるというのが先生の談。メーカーの推奨方法で電動歯ブラシを使用する場合、歯の一面あたり数秒間に1000回以上の振動を受けることになり、歯や歯肉への負担が大きくなりすぎる可能性があるのだとか。一方で手動の歯ブラシは力のコントロールがしやすく、磨き過ぎを防げるメリットがある。

一般的にも、電動歯ブラシを歯に当てるときの強さについては注意が必要といわれているけれど、どんなにやさしく歯ブラシを持っても、長期的な連続使用を続けるうちに歯が削られたり、歯肉が傷ついたりするリスクがあることは覚えておいた方がよさそう。電動歯ブラシと手動歯ブラシ、それぞれの得手不得手をきちんと把握して上手く使い分けてみて。

教えてくれた人

大岡洋さん

大岡歯科医院院長。1997年 東京歯科大学卒業。2002年ハーバード大学歯学部・公衆衛生学部大学院(予防歯科学専攻)修了、日本人歯科医師として初めて予防歯科で理学修士を取得。現在、東京歯科大学非常勤講師、および国際歯科学士会(ICD)の理事を務める。著書に『「歯みがき」するから歯は抜ける』(現代書林)。

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WRITING/ATSUKO HABU

※記事は2020年9月3日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります