たくさん飲んだのに翌朝スッキリ!?二日酔い予防の秘策とは?
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たくさん飲んだのに翌朝スッキリ!?二日酔い予防の秘策とは?

更新日:2020/09/03

これからのシーズン、忘年会やクリスマスなどイベント続きでお酒を飲む機会が増えるもの。楽しいと、ついお酒が進んでしまい、翌朝頭痛やだるさに悩まされて後悔する・・・なんてことも。そこで二日酔いに悩まされずにすむ秘策を公認スポーツ栄養士の鈴木志保子さんに教えてもらおう。

約6割の人が二日酔いを経験。三日酔いの経験者も
(2018年11月 オズモール調べ 1191人)

約6割の人が二日酔いを経験。三日酔いの経験者も

オズモールのアンケートによると、二日酔いに「よくなる」「時々なる」合わせて約6割の人が二日酔いの経験があるという結果に。二日酔いの影響で「朝出勤するときの電車がつらかった」「大事な予定をキャンセルすることになった」という声が目立った。「二日酔いのまま1日過ごし、そのまま次の飲み会に突入したら体調がよくなった」(ちょさん/30代・会社員)、「二日酔いどころか3日目も酔っている感じがあって2、3カ月まったくお酒を飲めなかった」(ライムさん/30代・会社員)、「朝二日酔いで起きてリビングに行ったら、母親から『お父さんの臭いがする』と言われた」(Hinahinaさん/40代・会社員)なんていう人も。
二日酔いになって一時は後悔しても、体調が戻ると忘れてまた飲んでしまう。そこで二日酔い予防のための対策として「飲みすぎない」「2杯までなど、あらかじめ飲む量を決めておく」「自分のペースを保って飲む」などお酒の量を自制する派と「飲む前にウコンなどのサプリメントを飲む」「ちゃんぽんしない」「水も一緒に飲む」「空きっ腹で飲まない」といった自分なりの工夫をしている派がいた。

二日酔いの主な原因はアルコールによって発生した有害物質

二日酔いの主な原因はアルコールによって発生した有害物質

二日酔いの大きな原因は、アルコールを飲みすぎたことによって有害物質であるアセトアルデヒドが、体内に過剰に発生すること。アルコールは肝臓でアセトアルデヒドに分解され、さらに酵素の働きによって分解されて無害になる。1時間で分解できるアルコールの量は、女性の場合約6.5g、男性の場合は約9g。ビール500ml缶(アルコール含有量20g)の場合、アルコールが分解されるのに女性は約3~4時間かかることになる。体質的にお酒が弱い人はもっと長い時間がかかることも。つまり深夜までお酒を飲み続けていれば、翌朝になっても体内にアセトアルデヒドが残っている可能性が高いというわけ。

ワイン1杯なら、その2倍の水を飲むと二日酔い予防に

ワイン1杯なら、その2倍の水を飲むと二日酔い予防に

ここでカギとなるのが、アルコールの種類。日本酒やワインはアルコール度数がビールの3倍、焼酎なら5倍。ワイン180mlとビール500mlのアルコール含有量がちょうど同じくらいなので、ワインや日本酒、焼酎を調子よく飲んでいたら、朝までに分解できずに二日酔いになるのは当然。もちろん飲む量を抑えれば二日酔いを防げるけれど、お酒は楽しみたい。そこで鈴木さんがアドバイス。
「ビールをずっと飲み続けているとおなかがふくれて辛くなるように、体が受け付けられる水分の量には限界があります。そこで例えばワインを1杯飲んだとしたらその2倍くらいの水を並行して飲む。すると摂取した水分量に対するアルコール濃度がビールと同じくらいになり、お酒を飲みすぎるといったことが避けられます」
さらにアルコールは抗利尿ホルモンを抑制するため、尿が出すぎて脱水状態を引き起こす場合があり、それが頭痛やだるさなど二日酔いの原因となることも。この点からも水を飲むことは、二日酔い予防に有効といえる。

悪酔いを防ぐには飲む前の“油”がカギ

悪酔いを防ぐには飲む前の“油”がカギ

また、悪酔いすると翌日になっても気分が悪いということも。アルコールは約20%が胃で吸収され、残りが小腸で吸収されたあと、血液にのって肝臓に送られる。
「空きっ腹でお酒を飲むと悪酔いするのはよく知られていますが、それは胃に何もない状態だと、邪魔されるものがないことから胃でのアルコール吸収が行われ、アルコールの血中濃度が急激に上がってしまうから。何か食べて、胃での吸収を抑えることで悪酔いを防ぐことになります」(鈴木さん)
胃での滞留時間が長いものといえば油。あらかじめ脂肪分の多い食べものを取っておくと、胃でのアルコール吸収が少なくなり、血中濃度が急激に上がりにくくなる。
「飲み会の前にチーズを食べたり、コーヒーではなくカフェオレを飲んだりするのがおすすめです」(鈴木さん)

教えてくれた人

鈴木志保子さん

神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授。(一社)日本スポーツ栄養協会理事長、(公社)日本栄養士会副会長、NPO法人日本スポーツ栄養学会前会長。マツダ株式会社陸上競技部、パラ水泳日本代表など、数多くのトップアスリートの栄養指導に従事。2018年7月に新刊『理論と実践 スポーツ栄養学』(日本文芸社)が発売。

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WRITING/AKIKO NAKADERA

※記事は2020年9月3日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります