1月2日の夜にみるのが初夢
初夢というからには、“元日の夜にみる夢”と思われがちだけれど、一般的には“1月2日の夜にみる夢”が初夢とされている。昔は“大晦日の夜”が初夢とされていた時代もあったそう。それが年神様をお迎えするために眠らない習慣が定着して、“元日の夜”にみる夢ということに。
その後、書き初めや稽古初めなどの行事が1月2日に行なわれるようになり、新しく物事を始める日ということで、“2日の夜にみる夢”を一般的に初夢と呼ぶようになった。
初夢でみたい!縁起のいい夢BEST3
昔の人は、初夢の内容で1年の吉凶を占ったという。縁起のいい夢として言い伝えられているのが「一富士・二鷹・三茄子」(いちふじ・にたか・さんなすび)。その由来には諸説あるけれど、すべてが徳川家康の縁の地である駿河国(静岡県)のものであることから、「これらが夢に出てくると徳川家康のように立身出世できる」などと考えられていたよう。
【BEST1立身出世を願うなら・・・富士山】
高くて美しい富士山のように、末広がりのものが出てくる夢。立身出世を象徴し、目標や理想がかなう、と考えられる
【BEST2夢の実現を願うなら・・・鷹】
鷹のように空高くはばたくものが出てくる夢。可能性の広がりをあらわし、夢がかなうことや開運を意味する
【BEST3金運アップを願うなら・・・茄子】
茄子、野菜や果実など実るものが出てくる夢。茄子は「成す」に通じることから、蓄財や子孫繁栄を表す
こうやって取り入れよう!ハッピーな初夢をみるためのおまじない
縁起のいい夢を見るためのおまじないは3つ。
1.「七福神をのせた宝船の絵」を枕の下に敷いて寝る
2.「悪い夢を食べてくれる“獏(ばく)”という字を書いた紙」を枕の下に敷いて寝る。「獏」とは実在する動物ではなく、クマの体・ゾウの鼻・サイの目・ウシの尾・トラの脚をもつ幻の獣のこと。
3.「“長き夜の 遠の眠りの みな目覚め 波乗り船の 音よきかな”という回文を書いた紙」を枕の下に敷いて寝る。
万が一、悪い夢をみてしまったら、「ゆうべの夢は獏にあげます」と3回となえて。
お話を伺った方/三浦康子さん
和文化研究家。ライフコーディネーター。古をひも解きながら今の暮らしを楽しむ方法を、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで提案している。All About「暮らしの歳時記」、キッズgoo「こども歳時記」などを立ち上げ、子育て世代に“行事育”を提唱している。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)、『おうち歳時記』(朝日新聞出版)ほか多数
こちらもチェック!年末年始特集2021-2022

大切な人を想う気持ちが深まる年末年始。今年は、会える喜びに感謝しながら、大切な人との絆を深めてみませんか? いつもより贅沢なグルメやおせち料理を囲んで団らんしたり、雪見露天にのんびり浸かって絶景に癒されたり、心身ともにリラックスできる過ごし方アイデアをお届け。そのほか、年末年始に整えたいビューティ&ヘルスケア情報も。