旬をおいしくいただくならば vol.002

旬をおいしくいただくならば

【第1・第3火曜日21:00配信】
美しい四季に彩られたニッポン。“旬”がココロとカラダへ染み渡る。フードユニットつむぎやが、季節のお料理や食材をおいしくいただけるお店をご紹介。

更新日:2016/08/03

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今回訪れたお店 シバカリーワラ

インドカレーで夏のバランス感覚をとり戻す

連載2回目で早くもインドカレーという変化球(笑)。でも夏と言ったら、自分は断然カレー派! 今回ご紹介するのは、三軒茶屋といったらこのお店「シバカリーワラ」。店主の山登(やまと)伸介さんによると「カレーは春夏秋冬どの季節でも辛さや香り、旬の食材をバランスよく工夫することで一年中楽しめます。とくに夏は、南インドのさらっとして辛みの効いたカレーがおすすめですね。スパイスの効果で身体を活性化させて暑さを乗り切りましょう!」

お店の味を支えるのは、高知から取り寄せた国産カレーリーフ、コリアンダーサラダにもたっぷり使っているパクチー、そして心地よい辛さの決め手にもなる青唐辛子といったハーブやスパイス。そこにチキンやポーク、ラム、鹿肉、季節の魚介に加えて、なすやトマト、みょうがにマンゴーなど、この季節ならではの食材がカレーや料理に取り入れられている。

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店主の山登さんいわく、シバカリーワラを始めるきっかけとなったのは、15年前、会社員時代に訪れたタイ旅行だ。そこで旅心をくすぐられ、次はベトナムに。現地の料理に感銘を受ける。

一念発起して移動販売を始め、その後本格的にインドカレーやスパイスを勉強するためにインドを訪れたり、銀座の名店「グルガオン」で働きながら経験値を積み重ねていった。そこで出会ったのが、今のインド人シェフのラムジーさん。彼と出会うことで、移動販売から実店鋪へのイメージが膨らんだという。

「インドの旅で体験した『おいしい!』『すごい!』をカレーや内装、音楽に取り入れたお店にしようと思いました。インドの魅力をいろんな人と共有したかったんです」

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そんなこだわり溢れるシバカリーワラで注文したのは「夜のカレープレート」。カレーに、ナンまたはライス、副菜3種類というセット内容で、カレーは黒板メニューから1種類か2種類を選べる。この日はカレー2種類をチョイス。1種類はお店の定番カレーでもあるパクチーペーストがアクセントになっているラムコリアンダーで、もう1種類はスターアニスの風味が効いたポークチリキーマ。

カレーに合わせるものは、迷いなくチーズクルチャを指名。手でちぎると、中から濃厚なチーズがとろ~り。これは病みつき必須。

副菜は、日本でいう味噌汁のようなじんわり優しい豆スープのダールと、酸味の効いたヨーグルトソースがポイントのトマトのライタ、さらに酸味と甘みが交互にやってきて、思わずおかわりしたくなるインドの漬け物キャベツのアチャールが脇を固める。

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「夜のカレープレート」1550円

こちらは大人気のスパイスとパイナップルペーストのタレに漬け込んで、タンドールでこんがりと焼き上げた「ポークスペアリブ」。人目を気にせず、男女関係なく、がぶり!とかぶりつきたい。ミント、コリアンダー、ビネガーなどを合わせた定番の甘酸っぱソース「グリーンチャトネ」をつけるのがおすすめ。スパイシーでジューシーな肉汁の中にさわやかな酸味が広がる。ぜひビールと一緒に!

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「ポークスペアリブ」900円

山登さんとインド人シェフがつくり出すインドカレーを食べ、汗をかき、ちょっと身体がひんやりして大満足。さらに帰り際のラムジーさんの「ありがとございました!」の言葉。階段を降りながら、次に来たときは、今度はあれを注文しよう、なんて考えている自分がもういる。あぁ、カレー食べたい!

シバカリーワラ

シバカリーワラ

TEL:080-9432-8200
東京都世田谷区太子堂4-28-6 2F
営業時間:11:45~15:00(LO14:30)/18:00~22:45 (LO21:45)
定休日:月曜、月1回火曜
席数:10席
アクセス:東急線「三軒茶屋駅」より5分
カード:不可
予約:有
平均予算:昼 1000~2000円 夜1500~3000円
喫煙種別:禁煙

つむぎや 金子健一

つむぎや 金子健一

写真右/料理研究家。マツーラユタカとともにフードユニット「つむぎや」として活動。雑誌、書籍、イベントなどで、和食ベースのオリジナル料理を提案している。現在、横浜と松本の二拠点で活動中。松本では義父の田畑を手伝ったり、信州の農家さんや木工作家さんたちの日々の営みを取材しながら、料理も考え、イベントで共有し、最終的には本に仕上げる「アルプスごはんのつくり方」というプロジェクトを進めている。著書に「和食つまみ100」(主婦と生活社)、「ぱんぱかパン図鑑」(地球丸)など。

WRITTING/KENICHI KANEKO PHOTO/KAZUHITO MIURA

※記事は2016年8月3日(水)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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