トニー賞2部門受賞のミュージカル『パレード』が日本初演!主演・石丸幹二さんインタビュー

石丸幹二

新生活も始まり心機一転を。ならば、注目のミュージカルで心を刺激してみては。2017年5月に日本で初演される『パレード』は、実話をもとにした愛と感動の注目作。1999年にはトニー賞最優秀作詞作曲賞と最優秀脚本賞を受賞して話題に。さらに主演は劇団四季出身で「アルジャーノンに花束を」ほかテレビドラマにも多数出演する石丸幹二さんだというから、かなり楽しみ! そこで、石丸さんを訪ね見どころを教えてもらいました。

Kaz.Sasaki

更新日:2017/04/18

<ストーリー>
南北戦争終結から半世紀が過ぎた1913年、アメリカ南部のジョージア州アトランタで13歳の白人少女の強姦殺人事件が起こる。容疑者の1人として逮捕されたのは少女が働いていた鉛筆工場の工場長、実直なユダヤ人で北部出身のレオ・フランクだった。事件の早期解決を図りたい州検事は、レオを犯人へと仕立て上げていく。無実の罪で起訴され、有罪判決を下されるフランク。同じユダヤ人でジョージア出身の妻ルシールの支えにより、無実が明らかに。そして釈放を目前にしたある日、事態は思わぬ方向へと導かれていく。

石丸幹二

無実なのに犯罪者となった夫、彼を信じて待つ妻。悲劇的な事件で深まる愛の物語

――『パレード』というタイトルを聞くと、どこか明るく華やかなイメージがあるのですが、どんな物語なのでしょうか。

南北戦争の約50年後のアメリカ南部が舞台で、戦没者追悼パレードが行われるのですが、南部の人にとっては町をあげてのお祭りなんです。主人公のレオ・フランクは北部出身なので、それを疎ましく思っている。そんな中、白人少女の強姦殺人事件が起こり、レオが犯人に仕立て上げられたことをきっかけに、堀内敬子さん演じる妻との絆が結ばれていくという。愛の物語でもあるし、人間ドラマでもあるし、南と北のどちら側の立場になって見るかでまた感じ方も変わってくる舞台だと思います。

『パレード』というタイトルのミュージカルを見に来て冒頭の曲を聴いただけで、とても歓喜に満ちている賑やかな舞台に感じられると思います。

――今回演じられるレオ・フランクとはどんな人物でしょうか。

実在の人物ですが、僕が分析するに彼は、自分の信念を絶対に曲げなかった人だと思いました。最終的にこれは神が自分に与えた道なんだ、神が自分に試練を与えているんだと言い聞かせているんですよね。そこまで信念を貫くという頑固さに、ある意味不器用さと強さを感じます。ですから、演じる上でそこをはずさないようにやっていこうと思っています。

――無実なのに犯罪者となった夫、彼を信じて待つ妻。お互いどんな存在といえるのでしょうか。

レオと妻のルシールは恋愛結婚したわけではない夫婦で、北部出身のレオは南部出身の妻の存在を初めから軽んじていて、ある意味視野が狭いところがあるんです。でも事件をきっかけに、本当に自分に向き合ってくれるルシールの存在に、レオは1人で生きているんじゃないと気づくんです。信じ合って支え合って、美しい夫婦愛が生まれていく。初めから思い合っている2人ではないからこそ、お互いの大切さに気づいたときにいっそう強い絆で結ばれていくのかもしれませんね。悲劇的な物語の側面には、男女の深い愛の物語があるんです。

――ルシール役の堀内敬子さんとは、劇団四季以来、17年ぶりの舞台共演だとか。そんなおふたりのご夫婦役だけあって、すごく楽しみです!

石丸幹二

世の中には、不幸にも悲劇の側に置かれてしまった人たちもいる・・・キレイごとばかりではない現実に気づく

――物語に秘められたのメッセージとは?

この物語は100年以上も前の実話がベースになっていますが、いまだに人種の問題などもあり、人の暮らしというのは変わっていないところもあります。そう思うと、信念を貫いたレオの姿勢に、何かを信じ続ける人間のパワーというものの強さを感じますね。

それから、たとえばこういう物語を見たときでも、大切なのは、何が本当に正しいのかを自分で判断しなければならないということです。世の中はいろんなことがパズルのように組み合わさっていて、きれいなことばかりではない、不幸にも悲劇の側に置かれてしまった人たちもいる・・・そんな現実もあるんだなと、物語を通じて気づかされていくんですね。

――ユーザーのみなさんへひと言、お願いします。

問いかけになってしまうんですが、このミュージカルをご覧になったら、自分の身の回りの出来事に置き換えて、一度考えてみてもらえるといいなと思います。自身にとって大切なものが何なのか、改めて考えるきっかけにしてもらえるとうれしいです。

また、物語を通して、人って信じ合うとこんなにも強い絆が芽生えるんだということを感じてほしいです。今の世の中、ともすればタブレットやパソコンに向き合って1日が終わってしまうこともあるかもしれないのですが、生身の人と声に出して本音を言い合うってすごく大事なことだと思うんです。人って人と向き合うべきだよね、ということもお伝えしたいことです。

石丸幹二

ドラマ、CM、舞台、司会と活躍、さらに様々な楽器も弾きこなす石丸さん。マルチな才能の秘密とは?

――テレビドラマ、CM、舞台、司会に活躍されていたり、さらに、ピアノ、チェロ、トロンボーン、サックス、スネアドラムなど様々な楽器を弾きこなされたり、どうすればそんなふうにマルチにこなせるのでしょうか。

やはり興味を持つことですね。僕の場合は、いろんなことをやりたいと思ってやるんです。何か新しいことにチャレンジして、もし向いてなかったら方向転換すればいいと、決めつけずに自分の可能性を探り続けます。でも、1つのことを突き詰めてゆく方もいらっしゃるので、人それぞれだと思います。ただ、みなさんも今、“好き”と思えることに向き合ってトライしていくと、結果、いろんなことができるようになっているかも。

――新しいことにも積極的にチャレンジされる石丸さんですが、次回作はご自身の原点とも言えるミュージカルですね。

これからは、まさにミュージカルにどっぷりと浸かっていきたいと思っていますので、そういった姿も、『パレード』を通してぜひ見ていただけたらうれしいです。

――舞台の上演、楽しみにしております! どうもありがとうございました。

ヘアメイク/新井克英、スタイリング/MIKAWA

■ミュージカル『パレード』

石丸幹二

<公演情報>
『パレード』
会場/東京芸術劇場プレイハウス(東京都豊島区西池袋1-8-1)
日程/2017/5/18(木)?6/4(日) ※火曜休演
料金/S席13000円、サイドシート8500円(一部シーンが見えにくい可能性あり)、U-25席(25歳以下当日引換券)5000円
アクセス/JR・東京メトロ・東武東上線・西武池袋線「池袋駅」西口より徒歩2分。駅地下通路2b出口直結

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※記事は2017年4月18日(火)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります

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