門脇麦

今の彼女にしか表現できない役がある!村上春樹原作の舞台『ねじまき鳥クロニクル』

更新日:2019/12/26

独特の存在感と類まれな演技力で注目を集めてきた、女優・門脇麦さんは、今、新たな舞台に挑んでいると言います。その舞台の原作は、村上春樹。音楽や歌、コンテンポラリーダンスが融合し、既成のジャンルを打ち壊した、いまだかつてない作品です。

「村上春樹さんのスケールの大きな物語を凝縮し、ドラマ性やミステリー要素を失わずにダンス、音楽、テキストなどの表現を用いて舞台化するのは、大きな挑戦です」。そう話すのは、演出・美術・振付を手掛けたイスラエルの奇才、インバル・ピントさん。この度、彼女が演出したのは、世界的ベストセラー作家・村上春樹さんの最高傑作とも評される長編小説『ねじまき鳥クロニクル』。2020年2月から上演されるこの舞台で、メインキャストの1人・笠原メイを演じるのが、女優・門脇麦さんです。

門脇麦

演出・美術・振付を手掛けたインバル・ピントの世界感が好き

「インバルの作品は、これまでも『100万回生きたねこ』や百鬼オペラ『羅生門』など、さまざまな公演を観てきました。その魅力は、日本文学を題材としながら、セットや演出などは日本的に寄せないところ。相反したものが混在しているような幻想的な世界観が好きですね。インバルは1秒ごとに新しいアイデアが生まれてくるような人で、作品はそのインバルの頭の中そのものが、舞台の隅から隅まで散りばめられた宝石箱みたい」。今回、舞台『ねじまき鳥クロニクル』の出演が決まり、「インバルと一緒に作品を作れることが、まずはいちばん嬉しい」と話してくれた、門脇さん。本作で門脇さんが演じるのは、とある事情から不登校となった女子高生・笠原メイ役です。
「メイは、死への興味を抱くなど、一見エキセントリックですが、10代の頃に自分自身が興味を持ったもの・執着して仕方なかったものって、案外そういうことだったのかもしれません。10代特有の『ちょっとゾワゾワするものと触れていたい、危うい感じ』が良い風に出せればと思います」

一方、村上春樹さんが描く壮大な精神世界で、行き詰まった人生を送る主人公・岡田トオルを演じるのは、“演劇モンスター”の異名を持つ成河(そんは)さんと、ミュージシャンで俳優の渡辺大知さん。しかも、この2人はWキャストではなく、岡田トオルという人物の多面性を2人で表現する演出になるのだとか。
「成河さんとは2回目の共演です。泳ぎ続けていないと死んでしまう魚もいますけど、彼の印象はまさに『舞台をやり続けていないと死んじゃう人』(笑)。もう1人、渡辺大知くんとは3回目の共演ですが、今までの作品では互いにセリフを交わす場面はそれほどありませんでした。だから、歌う大知くんはもちろん、役者としての大知くんを改めて観られるのも、すごく楽しみです」

門脇麦

歴史に残るような新しい舞台を皆で開拓していきたい

稽古期間は、約2カ月。初めの1カ月は、「動いてみる」「遊んでみる」などの動きを試行錯誤する実験的なワークショップだそうです。そして次の1カ月で、皆のアイデアを合わせていくのだとか。「スタッフもそうそうたるクリエイターが揃っていますし、皆で散々出し尽くしたアイデアが良いかたちで集結した舞台になれば良いなと。芝居と歌と踊りって結局、地続きで分断されないもの。オペラでもなくミュージカルでもない、歴史に残るような新しい舞台を皆で開拓していけたらと思っています」

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『ねじまき鳥クロニクル』

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門脇麦

PROFILE

門脇 麦(かどわき・むぎ)
1992年生まれ。2011年の女優デビュー以来、映画やドラマ、舞台で広く活躍中。今年は、主演映画『さよならくちびる』で第41回ヨコハマ映画祭 日本映画個人賞主演女優賞を受賞。2020年、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』ではヒロイン役を務める
ねじまき鳥クロニクル

ねじまき鳥クロニクル

■あらすじ
岡田トオルは妻のクミコとともに平穏な日々を過ごしていた。ある日姿を消した猫を探しに行った近所の空き地で、トオルは女子高生の笠原メイと出会う。トオルを“ねじまき鳥さん”と呼ぶ少女と主人公の間には不思議な絆が生まれていく。そんなさなか、トオルの妻のクミコが忽然と姿を消してしまう。クミコの兄・綿谷ノボルから連絡があり、クミコと離婚するよう一方的に告げられる。クミコに戻る意思はないと。だが自らを“水の霊媒師”と称する加納マルタ、その妹クレタとの出会いによって、クミコ失踪の影にはノボルが関わっているという疑念は確信に変わる。何かに導かれるようにトオルは隣家の枯れた井戸にもぐり、クミコの意識に手をのばそうとする。クミコを取り戻す戦いは、いつしか、時代や場所を超越して、“悪”と対峙してきた“ねじまき鳥”たちの戦いとシンクロする。

スポット名
東京芸術劇場プレイハウス
住所
東京都豊島区西池袋1-8-1
交通アクセス
JR・東京メトロ・東武東上線・西武池袋線「池袋駅」西口より徒歩2分。駅地下通路2b出口より直結
原作
村上春樹
演出・振付・美術
インバル・ピント
脚本・演出
アミール・クリガー、藤田貴大
出演
【岡田トオル役】成河/渡辺大知
【笠原メイ役】門脇麦
【綿谷ノボル役】大貫勇輔
【加納クレタ/マルタ役】徳永えり
【赤坂シナモン役】松岡広大
【岡田クミコ役】成田亜佑美
【牛河役】さとうこうじ
【間宮中尉役】吹越満
【赤坂ナツメグ役】銀粉蝶
ほか
公演日程
東京公演 2020/2/11(火・祝)~2020/3/1(日)
料金
S席11000円、サイドシート8500円
ホームページ
公式サイト
※記事は2019年12月26日(木)時点の情報です。内容については、予告なく変更になる可能性があります